25のノルウェーの踊りと歌とは? わかりやすく解説

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グリーグ:25のノルウェーの踊りと歌

英語表記/番号出版情報
グリーグ:25のノルウェーの踊りと歌25 Folkeviser og Danse behandlede  Op.17作曲年1869年  出版年1870年  初版出版地/出版社Rabe & Harloff 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1  Springdans1分00 No Image
2  Ungersvennen (The Swain)0分50 No Image
3  Springdans0分50 No Image
4  Nils Tallefjorden1分30秒 No Image
5  Jolstring (Dance from Jolster)1分30秒 No Image
6  Brurelat (Wedding Tune)1分30秒 No Image
7  Halling0分50 No Image
8  Grisen (The Pig)0分30秒 No Image
9  Nar mitt oye trett av moye (Religious Song)1分30秒 No Image
10  Friervise (Wooer's Song)1分00 No Image
11  Kjempevise (Heroic Song)1分00 No Image
12  Solfager og ormekongen (Solfager and the Snake-King)1分30秒 No Image
13  Reiselat for brurefolget (Wedding Tune)1分00 No Image
14  Jeg sjunger med sorrigfullt hjerte (I sing with a sorrowful Heart)1分30秒 No Image
15  Den siste lordagskvelden (Last Saturday Evening)1分30秒 No Image
16  Eg veit ei lita jente (I know a little Maiden)1分30秒 No Image
17  Kleggen og fluga (The Cleg and the Fly)1分00 No Image
18  Stabbelaten (Stumping Dance)2分00 No Image
19  Holje dale0分40 No Image
20  Halling0分30秒 No Image
21  Saebygga (The Woman from Setesdal)0分40 No Image
22  Sa lokka me over den myra (Cow-call)0分50 No Image
23  Sag du nokke kjerringa mi (Peasant Song)1分30秒 No Image
24  Brurelat (Wedding Tune)0分50 No Image
25  Rabnabryllup i krakalund (The Raven's Wedding)1分30秒 No Image

作品解説

2007年11月 執筆者: 齊藤 紀子

 この作品は、ノルウェー作曲家であり、オルガニスト民俗音楽収集家でもあったL. M. リンデマン1812-1887)の《古今ノルウェーの山のメロディー》から素材得て編み合わされた。ノルウェーヴァイオリニストで、世界ノルウェー民俗音楽紹介したオーレ・ブル(1810-1870)の亡くなった年に作曲され彼に捧げられている。グリーグは、ブル才能認められライプツィヒ留学している。
 
 第1曲目は<スプリングダンス>。空虚5度開始する生き生きとした性格を持つ4分の3拍子舞曲右手メロディー対し左手ヘミオラ築きある種ポリリズム生み出している。
 第2曲目は<若者>。ヴォーゲ民謡よる。そのテクスト大意は、「田舎若者が彼女に尋ねた。すぐに戻るから旅に出てもよいか、と。」というものである語りかけるようなメロディー特徴的である。その下で、左手ラインは、しばしば完全5度音程をなす。
 第3曲目は<スプリングダンス>。この舞曲では、左手伴奏多様なタイプ見られる
 第4曲目は<ニルス・タッレフョレン>。イェルダールの民謡よる。そのテクスト大意は、「背高のっぽ高慢ちきなニルス・タッレフョレンがホクストゥル農場求婚行ったとさ。とてもうまく行ったとさ。お相手はとぅるで夫人だとよ。」というものである。たっぷりと歌い上げられるメロディーには、絶妙な和声づけがなされている。とりわけ中間部一度、かげりがもたらされるため、コーダで再び明る雰囲気取り戻されることが効果的である。
 第5曲目は<ヨルストリング(ヨルステルの踊り)>。「ff」と「pp」の対比鮮やかな序奏開始し主要テーマは、ここからモティーフ取り出している。トゥ・ダンス爪先で踊るダンス)のこの曲は、4分の2拍子書かれているが、絶え8分音符刻まれ活気満ち溢れている。8分の3拍子となる中間部では、主和音保続する左手特徴的な輪踊り音楽も響く。
 第6曲目は<婚礼調べ>。ハリングダールのゴール地方調べである。多声的に書かれており、人々談笑する場面思わせる
 第7曲目は<ハリング>。この曲は、ノルウェー作曲家であり、指揮者ヴァイオリニストでもあったヨハン・ハルヴォルセン(1864-1935)のヴァイオリンピアノのためノルウェー舞曲編曲したのである
 第8曲目は<豚>。イェルダールの民謡よる。そのテクスト大意は、「そしてその豚には15マイル突き出した鼻があったのさ。おお、なんと汚い豚であることか。」というものである。この曲は、ワルツ性格を持つ。
 第9曲目は<私の眼が苦しみ遭ったとき>。この曲集が捧げられブル葬儀に際して演奏された、カタリヌス・エリングの宗教曲集からとられている。そのテクスト大意は、「私の眼が重荷に倦み、憧れの心でサレム心地よい岸辺仰ぎ見るとき、私の悩み消えていく。」というものであるコラール書法書かれている
 第10曲目は<求婚者の歌>。初版には、<オーレはあるときシンデ求婚しようと思った>というタイトル付されていた。そのテクスト大意は、「オーレはあるときで一番器量良いミッケルの娘に求婚しようと思ったでも、彼女はオーレ好意持っただろうか?彼女はお金持ちで、ベッドもあって、求婚なんていらなかったとさ。」というものである第8曲目の<豚>と同様にワルツ性格を持つ。この曲で、グリーグは、付点8分音符16分音符組み合わせによるリズムと、8分音符16休符16分音符によるリズムとを書き分けている。幅広い音域上昇するイ短調主和音分散和音で曲を閉じる。
 第11曲目は<戦いの歌>。初版には、<ノルウェーのドヴレ山地にて>というタイトル付されていた。ペーデル・シーヴの《戦いバラード集》にあるテクスト大意は、「ノルウェーのドヴレ山地には、悲しみ知らぬ戦士眠っている。我々がやらなければ誰がしきたり則った葬儀執り行うだろうか。」というものである。ドヴレ山地は、神々伝説上の故郷である。
 第12曲目は<ソルファーイェル(美し太陽)と王様>。この民謡テクスト大意は、「昨日王様が馬に乗って農場へやって来た。ソルファーイェル(美し太陽)は屋外で、髪を陽にあてていた。彼女は言った。あたしは馬に乗って行きたい、と。」というものであるメロディー上声歌われ、そこに、シンコペーションによるリズム特徴的な伴奏つけられている。
 第13曲目は<婚礼行列の歌>。この曲では、右手左手重音ないしは和音を弾く。明るく生き生きとした性格持っている
 第14曲目は<悲しい心で私は歌う>。アンダンテのこの曲は、高音域の左右ユニゾン開始する冒頭のこのユニゾンから、深みのある響き生み出すことが求められていると言える
 第15曲目は<この前土曜日夕べ>。踊り明かす情景描いていると考えられる。そのテクスト大意は、「この前土曜日夕べに、家路パーティーに出くわした。日が昇り時計10時を指すまで家に帰らず楽器演奏したり、踊ったり、気まま過ごした。」というものである爪弾くような弦楽器思わせる伴奏乗り高音域でメロディー歌われる
 第16曲目は<私は可愛少女知っている>。アンダンテ・モルトのこの曲は、第14曲目の<悲しい心で私は歌う>と同様に高音域の左右ユニゾン開始する。子の曲では、メロディー中声部で歌われ主として右手親指歌いあげる
 第17曲目は<アブハエ>。この曲のテクスト大意は、クヴィクネに由来し、「アブハエ言った。君はきっと僕にとって一番愛しい人になる、と。」となっている。この曲では、メロディーがしばしば中断される
 第18曲目は<つまずき踊り>。この曲のメロディーは、婚礼祝宴演奏されたと考えられている。絶え見られるスタッカート特徴的である。そして、常に前進力前面打ち出している。
 第19曲目は<ホリェ・ダーレ>。初版には、<山に囚われたホリェ・ダーレ>というタイトル付されていた。魔法使い山小屋閉じ込められた男、ホリェ・ダーレの物語である。そのテクスト大意は、「明るく清々しく夜が明け魔法の力は消えていく。空は青く小鳥たちは歌い始める。高い山の峰からは太陽輝いている。日曜日の朝だ。人々教会へ向かう。」というもので、山小屋から教会へ向かう人々様子感じ取るホリェ・ダーレのつらく悲しい立場表している。
 第20曲目は<ハリング>。アレグロ・モデラートニ長調書かれた、力強いセ各の民族舞踊である。ハリングは大抵、男性ソロによって演じられる
 第21曲目は<セーテの谷の人>。厳格に一貫したアクセント付け特徴的な曲である。
 第22曲目は<沼地越えて>。ヴァルドレス地方由来する家畜呼び集める歌と考えられている。そのテクスト大意は、「そのとき私たちは、沼地越えて平和な丘に呼びかけた。動物たちよ、みなおいで。」というものである主要なメロディー・ラインは、主としてト長調主和音構成音を主体としている。
 第23曲目は<うちのばあさん見かけなかったかい?>。グリーグは、この曲のメロディーを後に、《交響的舞曲》においても用いている。はっきりとした性格持ち絶えしゃべり続けているような曲である。
 第24曲目は<婚礼調べ>。ヴァルドレスのヴァングに由来し花嫁教会入っていく時と教会から出てくる時に演奏されメロディー考えられている。モデラートのこの曲からは、花嫁優雅さ同時に足取り軽やかさ、若々しさうかがえるスタッカート付され完全5度音程繰り返す左手特徴的である。
 第25曲目は<クローケルンドのオオガラス婚礼>。この曲は、ノルウェー声部のソグンに由来する考えられている。そのテクスト大意は、「遠く東のクローケルンドに素晴らしい町がある。そこには世界中動物放牧されている。花婿クマビョルンはもり一番の大物だ。」というものであるオクターヴ頻繁に見られ壮大な雰囲気醸し出している。

Edvard Grieg “Klavierwerke 3” C. F. Peters 2000




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