食品工業への応用とは? わかりやすく解説

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食品工業への応用

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/19 20:51 UTC 版)

乳化剤」の記事における「食品工業への応用」の解説

パン - 食品用乳化剤最大用途が、パン中心としたベーカリー食品である。目的多く乳化以外であり、老化防止剤・ソフナー・生地調整としての用途中心である。パン老化防止としては、小麦粉対し0.2%から1%添加され飽和脂肪酸モノグリセリド澱粉表面溶出するアミロース複合体形成し澱粉粒を保護する同時に内部浸透して結晶アミロースアミロペクチンとも複合体形成する。これによりアミロースゲル化抑制され柔らかさ維持されるアイスクリーム - 油脂分散・凝集油脂蛋白相互作用促進滑らかな食感とドライネス(表面乾いたような感触)の付加溶出抑制・保型性の向上などを目的に、ステアリン酸モノグリセリド0.2%から0.3%とオレイン酸モノグリセリド0.05%から0.2%が使用されるホイップクリーム - 乳化安定効果・起泡性を持つ乳化剤と、脂肪凝集促進作用持ち保型性を高め乳化剤併用される。前者ショ糖脂肪酸エステル飽和脂肪酸モノグリセリドおよび飽和脂肪酸ポリグリセリンエステルが、後者はプロピレングリコールエステル、不飽和脂肪酸モノグリセリド不飽和脂肪酸ポリグリセリンエステルおよびレシチン用いられるレシチンは保型性が優れるが液の安定好ましくない影響与え風味良くないため使用には限界がある。 コーヒークリーム - 液状のものと粉末のものとがあるが、いずれでも高温酸性コーヒーでも安定した乳化作用示し分離した脂肪分が浮く「オイルオフ」や、羽毛状の凝固物が生じる「フェザーリング」などの現象を防ぐことが求められるポリグリセリンエステルショ糖脂肪酸エステルクエン酸モノグリセリドジアセチル酒石モノグリセリド酵素分解レシチンとカゼインナトリウムが併用される。 コーヒー飲料 - 容器の縁に沿って液面脂肪が浮くリング現象や、分離した脂肪分が浮上するオイルオフ現象コーヒー成分沈澱防止の他、耐熱性細菌による腐敗防止のために、モノグリセリドカラギーナンなどの乳化安定剤加えられる魚肉練り製品 - 冷凍すり身製造において、凍結貯蔵中の蛋白質変成抑え変色防止するとともにアシ呼ばれる弾力のある食感維持する働きを持つ。他に、剥離性持たせて蒲鉾ソーセージ包装から取り出しやすくしたり、ちくわ製造時に棒を抜きやすくする効果期待できる畜肉加工品 - ソーセージはじめとする畜肉加工品脂肪添加する際には肉の蛋白質乳化役割を果たすが、それでも不十分な場合にはカゼインナトリウムが、硬めエマルションである乳化カードの状態で添加されるハンバーグや、肉そのもの対し肉質柔軟にしたり肉汁豊富にしたりする目的レシチンモノグリセリド誘導体ソルビタン脂肪酸エステルなどが添加されることがあるチョコレート - チョコレート添加される乳化剤レシチン中心で、ショ糖脂肪酸エステルポリグリセリンエステルソルビタンエステル併用される。これらは、チョコレート粘度低下による作業性の向上、ファットブルーム脂肪分のしみ出し防止、保型性・耐水性の向上が主な目的である。 キャンディ - レシチンモノグリセリドが、香料油脂均一な分散包材・歯・製造装置への貼り付き防止のために添加されるチューインガム - ガムベースの可塑性上のために酢酸モノグリセリドが、歯や衣類等への付着防止のために、グリセリン脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステル添加されるかつては可塑剤としてブチルフタリルブチルグリコールやジブチルフタレート使用されていたが、安全性観点から1972年使用禁止となったその他の菓子類 - 羊羹や餡では砂糖結晶析出による食感低下防止のため、プリン水羊羹では離水防止のためショ糖脂肪酸エステルなどが使用されるドレッシング - 乳化液状ドレッシング分離液状ドレッシングマヨネーズを含む半固体ドレッシング大別できる。乳化液状ドレッシングは、JAS規格品ではJAS許可され乳化剤しか使用できず、卵黄増粘多糖類乳化させたものが多い。JAS規格外品では、レシチン酵素分解したリゾレシチンポリグリセリンエステル併用することが多い。分離液状ドレッシングでは主に増粘多糖類一種であるキサンタンガム使われる攪拌することでしばらくの間乳化し、油粒子大きいため透明感があり、油の風味強く感じる。マヨネーズでは卵黄乳化役割果たし乳化剤使用したものはマヨネーズ表示することはできない調味料類 - めんつゆポン酢ではユズシソなど油性フレーバー可溶化するために乳化剤加えられる焼肉のたれではゴマ香味野菜などの固形分分散安定のために増粘多糖類使われるソースでは耐酸耐塩性優れたポリグリセリンエステル用いられる豆腐 - 製造時の消泡や保水性・保型性の改善作業性・歩留まり上の目的で、不飽和脂肪酸蒸留モノグリセリドショ糖脂肪酸エステル添加される以前消泡剤として油揚げ使用した廃油水酸化カルシウム混合したものや、シリコーン樹脂使われていたが、前者油脂酸化による衛生上の問題があるため現在ではほとんど使われない後者食品衛生法上の使用制限があるため、使用減っている。 麺類 - 弾力のある食感持たせ、麺表面滑らかにして茹であげ後にほぐれやすくし、澱粉流出によるゆで汁濁り抑えるため、モノグリセリドレシチン使われる米飯 - 炊飯時に蒸留飽和モノグリセリド加えると粘着性低下し炊飯後に捌きやすくなるため、業務用ではレトルト食品清酒醸造などで使われている。ただし米粒表面の艶が損なわれるという欠点もある。五目ご飯など油脂を含むものには、酵素分解レシチンが有効である。 錠剤・錠菓 - 滑沢剤として、ショ糖脂肪酸エステルグリセリン脂肪酸エステル使われる

※この「食品工業への応用」の解説は、「乳化剤」の解説の一部です。
「食品工業への応用」を含む「乳化剤」の記事については、「乳化剤」の概要を参照ください。

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