消泡剤
液体中の泡を取り除くための薬品で、エタノールのように既に存在している泡を壊す破泡作用をもつものと、シリコーンオイルのように新たな泡の発生を抑制する抑泡作用をもつものとがある。パルプ、製紙、塗料、ラテックス、さまざまなコーティング過程、肥料、繊維、発酵、金属、接着剤、高分子、砂糖など、さまざまな領域で濾過、脱水、洗浄、排水などの工程改善に使用されている。一般的な消泡剤組成は(1)消泡の主要機能となる難溶性の第1抑泡剤(2)第1抑泡剤の表面効果を改善する第2抑泡剤(3)消泡剤処方のバルク成分である基剤(4)主要成分(1)~(3)を系内に浸透させる乳化剤(5)消泡剤の保存安定性を改良する安定剤、の5つの成分を含む。
消泡剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/11 03:00 UTC 版)
消泡剤(しょうほうざい)とは、液体に泡ができるのを防ぐため、あるいはできた泡を消すために添加する添加物のこと。様々な種類の消泡剤が存在する。
概説
消泡剤は、様々な製品の製造工程で、製品自体または製造工程にとって、泡が残ると不都合である場合に用いられ、身近なものとしては食品の製造工程や化粧品などに用いられる。
泡は、水など高い表面張力を持つ液体において、特に界面活性剤(HLB値の高いもの)や高分子化合物が含まれる場合に安定に存在する。したがって液体全体として、または部分的に表面張力を低くすれば泡を消すことができ、この性質を持つ物質が消泡剤として用いられる。水系に対しては一般に、親油性の高い(HLB値の低い)界面活性剤で液体表面に広がりやすいものがよく使われる。
豆腐の製造工程では、豆乳の泡を消すために植物油加工品を加えることがすでに江戸時代から行われている。現代では、消泡効果が高く毒性のないシリコーンオイルを水性エマルションとしたものが、食品、化粧品、日用品などに広く使われ、胃腸のガスを除去するための医薬品(ジメチコン[1]、ジメチルポリシロキサン[2])としても使われる。また、食品に対しては上記の性質を持つ脂肪酸エステルなどの界面活性剤が多く用いられる。
出典
- ^ “JAPIC 医療用 医薬品データベース:商品名ガステール、一般名ジメチコン” (2008年2月). 2010年2月21日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “JAPIC 医療用 医薬品データベース:商品名ガスサール、一般名ジメチルポリシロキサン” (2009年5月). 2010年2月21日閲覧。[リンク切れ]
消泡剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/25 19:11 UTC 版)
高速抄紙機ではロジンサイズ剤やポリアクリルアミド系紙力増強剤などの使用によって、抄紙系で泡が発生して、消える間がなく増える問題が起こる。このため、シリコン系などの消泡剤(defoaming agent)を加えて、すぐに泡が割れてなくなるようにする場合がある。
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消泡剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 07:11 UTC 版)
潤滑油の泡を破壊し、潤滑油の泡立ちを抑制する添加剤。ポリメチルシロキサン、シリケート、有機フッ素化合物、金属石鹸、脂肪酸エステル、リン酸エステル、高級アルコール、ポリアルキレングリコールなどがある。通常、添加量は1~1,000ppmである。
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消泡剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 22:36 UTC 版)
呉を炊くと、大豆中のサポニンが激しく泡立つため、釜から呉が容易に吹きこぼれてしまう。また泡立った呉から取った豆乳もメレンゲ状の泡に包まれてしまうので、まともににがりを打ち、寄せの作業をすることが出来ない。このため古くから消泡剤を使うのが一般的であった(『豆腐集説』 1872年[明治5年])。また消泡剤は乳化剤としての側面も持っていて、呉液を乳化させることにより大豆中の旨み成分(大豆油のアミノ酸等)を豆乳の中に引き出す重要な役割も担っている。他方、最近では消泡剤を使用しない豆腐も注目を集めている。
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