食品恐慌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 05:41 UTC 版)
Adulteration of food is an evil so widespread, so tempting to its perpetrator, so difficult of detection by its victim, that most people have come to accept it nowadays as practically inevitable. — "Adulterated Food.", New York Times, November 5, 1872 不道徳な食品への混ぜ物工作はあまりにも蔓延しており、犯罪者にとって魅力的なものであり、その被害者にとっては〔混ぜ物工作を〕見破るのは困難なものである。そのため、今日、たいていの者は混ぜ物工作〔の被害を避けること〕は事実上不可避であるので、諦めてしまっている。 — 『混ぜ物入りの食品』 ニューヨーク・タイムズ 1872年11月5日 都市部における牛乳の消費者のうち、子供に与えるために牛乳を購入していた母親達は、「オレンジ郡、ウェストチェスター、コネチカットから直接仕入れている、いつもの牛乳屋」を信用していただろうと記事は報じた。1853年の残滓牛乳事件が新聞で広く報道されると、消費者が日常的に飲食する食品に対する大衆の疑念が向き始めた。新聞によって食品に対する数多くの混ぜ物工作が報道された結果(例えば硫酸入りの偽ビネガーなど)、「市民が飲食する食品の10分の9が見かけ倒しではないかという疑念」が生じるようになった。問題への対応が十分でない中で、こうした人々を恐慌状態に陥れるようなセンセーショナルな新聞報道の結果、「読者は混ぜ物工作の話にうんざりし、それに対する闘いは結局何も行われ」 なくなった。
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