蟲関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 09:43 UTC 版)
巨大蟲(きょだいムシ) 100年ほど前の大阪夏の陣から日本に跋扈するようになった、人間を襲う巨大な蟲。なぜそのようなものが現れるようになったのかはよく分かっていないとされ、長い間大阪城を根城にして特に目立った動きも無かったが、約80年前には他の国を襲い始め大阪から西への侵攻侵略を開始した。 基本的に人間の数倍から数十倍程度の大きさだが、夏になると「城塞級」と呼ばれる超大型蟲も現れることがある。ベースになった虫の特性を持ち合わせているため、対策方法を知っていれば常人でも動きを止めることは可能。四季によって活動の周期が変化し、春から夏は活発化するが、秋から冬だと沈静化する(この特性から雪国では存在が確認されていない)。ある程度成長した個体は、常世の蟲の力によって知性を得た蟲人に進化する。 キキョウによると人間を「憎むべき存在」として襲っているとのことだが、元々は大阪城で100年の眠りについた常世の蟲が奈阿姫のために人間を根絶やしにする目的で生み出したものだった。鳰との決着後、常世の蟲が自身に関するものを全て常世の国に持ち帰ったことで日本からは未来永劫姿を消したが、日本より遠く離れた異国に新たな蟲が出現し仁兵衛がその退治を任じられることになった。屋牢蜘蛛(やろうぐも) 巨大蟲「001」。仁兵衛が江戸で初めて戦った蟲。外見は巨大なクモであり、巨大な脚と粘着力の高い糸を組み合わせて攻撃してくる。群れで生活し、廃寺などに潜んで人間を狙う。蟲人・オバナの元となった蟲でもある。 ヤツホシ 巨大蟲「002」。巨大な天道虫の姿をした蟲。自身に危機が及ぶと足の関節に出来た球体から毒を含んだ悪臭の汁をばら撒く。 大人蚤(おおひとのみ) 巨大蟲「003」「004」「005」。蚤の跳躍力と人間を一瞬で吸い尽くす口吻を持つ。主に幼蟲と成蟲(雄と雌)がいる。中でも雌の個体は最も強い。 脚長脚留蜂(あしながあしどめばち)、脚長脚留女王蜂(あしながあしどめじょおうばち) 巨大蟲「006」「007」。山岳部などに岩に偽装した巣を作り、近づいた人間を襲う蜂に似た蟲。 夜深蚊(やぶか) 巨大蟲「008」。深夜に人を襲う蚊に似た蟲。音を全く出さずに相手を仕留めることが出来る。蚊と同じく蓬と茅を燻した煙が弱点。 鳴刀蟷螂(めいとうかまきり) 巨大蟲「009」。岩や壁を難なく切り裂く鎌を持ったカマキリに似た蟲。作中で初めて出てきた蟲狩に操られていた個体であり、蜜月がある男に「蟲笛」を貸して悪事をさせていた。 神楽百足(カグラムカデ) 巨大蟲「010」。巨大な百足の姿をした蟲。蜜月が移動用として何匹か操っており、内一匹には桃丸(ももまる)という名前を付けている。 益荒王兜(ますらおおかぶと) 巨大蟲「011」。作中で初めて出現した「城塞級」と呼ばれる超大型のカブトムシの姿をした蟲。歩いただけで災害級の被害をもたらし、翅を振るわせることで巨大な粉塵を巻き起こす。その幼虫である蟲人・ハギの元となった蟲でもある。 隠密蜻蛉(おんみつとんぼ) 巨大蟲「012」。蟲狩が操る蟲の一種。羽音が限りなく静かで、気配も完全に消せるため尾行に適したトンボに似た蟲。 駆脚髪切(かけあしかみきり) 巨大蟲「013」。巨大なカミキリムシの姿をした蟲。 砂地獄(すなじごく) 巨大蟲「014」。蟻地獄の姿をした蟲。圧刃蜉蝣(あつばかげろう)の幼虫。複数匹で行動し、村一つを地下に飲み込むことができる。 風斬義離須(かぜきりぎりす) 巨大蟲「015」。市中見廻り組をかく乱するために蜜月が呼んだ蟲。巨大なキリギリスの姿をしている。 石殻団碁蟲(せきかくだんごむし) 巨大蟲「016」。市中見廻り組をかく乱するために蜜月が呼んだ蟲。巨大なダンゴムシの姿をしている。 双身鋏蟲(ふたみはさみむし) 巨大蟲「017」。市中見廻り組をかく乱するために蜜月が呼んだ蟲。巨大なハサミムシの姿をしている。 戦刃鍬形(せんじんくわがた) 巨大蟲「018」。幾つもの家屋を一度に切断するほどの巨大な顎を持つクワガタムシに似た蟲。 無々節(ななふし) 巨大蟲「019」。細長い体と幾つもの棘が付いた舌を持つナナフシに似た蟲。高度な擬態能力を持つ。 三夜毒蛾(さんやどくが) 蟲人・キキョウの元となった蛾の蟲。 黒い蟲(正式名称不明) 8年前、幼少期の仁兵衛が遭遇した蟲。外見はムカデと酷似しており、個体によって頭の形に違いがある。他の蟲とは一線を画す硬さと強さを持つ。冬国には蟲は出現しないという定説を破った個体であり、源十郎の左足を奪う原因を作った。城の記録には蟲狩が関わっている蟲として記録されていた。常世の蟲もこの個体を生み出すことが出来る。 仁兵衛が遭遇するより前に飛騨高山にある秦河勝の血を引く蟲狩の隠れ里・小里村を襲い、多くの村人を虐殺した。その後は匂いでも覚えたのか生き残った蟲狩のメンバーを追い続けており、回数を重ねるごとに強くなっている。また、この蟲は蟲狩のメンバーが大阪城に近づくと大量に出現し、真白曰く「自分達の動きを監視している」とのこと。 蟲人(ムシびと) 3年前の大坂遠征にて初めて姿が確認された蟲と人間の両方の特性を併せ持つ化け物。大坂五人衆や真田十傑蟲など、巨大蟲とは比べ物にならない極めて高い戦闘力を有する個体が存在する。既に西日本を征服しており、巨大蟲を率い幕府の壊滅を狙う。元々は人間であったことをほのめかす発言をしており、江戸の重鎮からも「100年前の亡霊」と呼ばれている。 常世の蟲の力による蟲人化には、人間から蟲人になる場合と巨大蟲から蟲人に変化する場合がある(後者は鳰の口から明かされている)。前者は生前の能力をそのまま備えており、蟲人化で得た蟲の能力でより強力になっている。後者は元になった巨大蟲によってその能力に個体差はあるが、一定の時期を経て知性を得てしまうと前者同様の脅威になる。 蟲奉行の存在が東日本での蟲人の発生を抑止していたが、彼女が大阪城に囚われてからは増加の一歩を辿っており、結果として大量の蟲人が江戸に侵攻してきた。また巨大蟲とは違い、冬での活動も活発になっている。 一部の蟲人は「脱皮」を行うことで戦闘力が格段に上昇し、かつての人間の姿に近づく。人間を超えた力を持つが故にプライドが高い一部の蟲人にとって、格下の人間相手に本気を出すこの行為は恥と捉えている。実力のある蟲人ほど手足などの末端も人間に近づく。この脱皮に関しては、現時点では十傑蟲や真田などの元々が人間である蟲人だけが使用しており、巨大蟲から転じた蟲人でも使用できるかは不明だが、紀州の戦いの後の真田を見る限り脱皮前の姿に戻ることは可能な模様。 常世の井戸(とこよのいど) 松阪和歌山城の地下にある瘴気で満ちた井戸で、松阪和歌山城はこの井戸を隠すために建てられた。湧いている水と瘴気は人間に対しては非常に高い毒性を示すが、一方で蟲が摂取すると凄まじい程に強靭となる(瀕死の蟲がこれを飲んだせいで国が傾いたほどである)。瘴気自体にも意思を持っているような描写がある(鳴き声を上げる、蟲奉行を連れ去ろうとする等)。真田からは「王(常世の蟲)の匂い」がするといわれている。 元は常世の蟲の想い出が息づいて出来た井戸であり、蟲奉行を連れ去ったのも井戸の水に触れることの出来る彼女にその想いをぶつけようとしたと蟲奉行本人は推測している。蟲奉行と仁兵衛が飛び込んだ後、蟲奉行と意識を共有したことで彼女や常世の蟲の記憶が仁兵衛に流れ込み、彼を暴走状態にさせた。最終的に徳川宗直が松阪和歌山城を爆破したことでその瓦礫に埋もれていった。 アニメ版では真田によると蟲の力が増すのは確かだが、井戸に入る前の記憶は全て失われるとのこと。 蟻塚(ありづか) オバナ・キキョウ・ハギの3人の蟲人を筆頭に江戸の北郊外の濃い霧が立ち込める山間に建てられた巨大な建造物。ただし、まだ未完成で内部は複雑な迷路のようになっており、蟲人達によって次々と恐ろしい早さで道が作られている。上部には「中央排気口」、地下部は空調や雨水を流すために地下水と繋がった「空冷室」、人間を苗床にしてキノコを栽培している「菌園」、捕まえた人間を餌として保管する「食糧庫」、女王蜂がいる「母蟻房」と生産した兵隊蟻がいる「幼蟻房」がある。 江戸に攻め入るため、女王蜂に捕えた人間を食料にし多くの兵隊蟻を生産していたが、オバナ・キキョウは仁兵衛達に敗れ成虫となり巨大化したハギに破壊された。 「非時の香実」の呪法 常世の国の木の実で常世の蟲の生の象徴である非時の香実を現した呪印を用い、繭を通して強制的に常世の蟲から鳰に栄養(ちから)を受け継がせるもの。鳰が100年かけて作り出し、大阪城の至る所に施していた。
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