戦隊上級指揮官
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「フルメタル・パニック!の登場人物」の記事における「戦隊上級指揮官」の解説
テレサ・テスタロッサ 声 - ゆかな / 南央美 ミスリル作戦部西太平洋戦隊総司令官・TDD-1「トゥアハー・デ・ダナン」艦長。階級は大佐。物語開始時の年齢は16歳。コールサインは"アンスズ"。愛称は"テッサ"。ウィスパード。 長い銀髪(作中ではアッシュブロンドと表記)と灰色の瞳を持つ、スイス・オーストリア系およびイタリア系の血を引くアメリカ人。 直観力や洞察力、思考分析能力に優れ、部隊指揮能力は一人でベテラン戦術作戦士官チームを代行するほどである。とはいえかなめと同年齢である事から経験がやや足りないところもあり、また年頃の少女として思い悩むところもある。経験不足に関しては、以下に述べる副官らの助言が重要な要素となっている。また、西太平洋戦隊総司令官及びTDD-1艦長に着任した直後は、多くの部下からその年齢ゆえに「ただの小娘」という目で見られており、その関係がかなりギクシャクしていた。 幼少期からウィスパードとしての能力を発現しており、兄のレナードと共に基礎理論を組み立てたECSを応用した核ミサイルがクウェートで使用され、数千万人の死傷者が出たことがきっかけで、その贖罪のためにミスリルへ入隊し戦う道を選ぶ。 基本的には柔和な性格なのだが、『つづくオン・マイ・オウン』でメリダ基地の全員が死を覚悟する状況に陥り、SRT要員の一部がテッサを手土産にアマルガムへ寝返ろうとしたとき「味方でも裏切るなら殺せる」という覚悟を決められる度胸を見せた後、この状況でも諦めず『死ぬな』という命令を発し、歴戦の戦士達であるミスリルの全員から畏敬の返礼を受けた。 同じウィスパードのバニ・モラウタの自殺後、宗介に好意を抱いたが、彼にはあくまで直接接する最上位の上官で畏怖と忠誠の対象としか見られておらず、ほとんど交流もないまま振られた。かなめとは同じウィスパードという事もあり友人関係である。本編中盤以降はテッサ視点で物語が進む事も多くなり、実質的な準主人公という立ち位置となっている。 ミスリル壊滅後はミスリル残党の総指揮官になっており、途方もない重責を背負い、部下たちを纏め上げて最終決戦まで戦い抜いた。 何でもこなせる双子の兄レナードとは違い極度の運動音痴(ただし水泳、とりわけ潜水泳法は得意)であり、しばしば壁にぶつかったり、なにも無いところでつまづいて転んだりする。しかし、寝ぼけている時には、宗介達プロにすら気配を察知されない。短編では『女神の来日』でトゥアハー・デ・ダナンの整備の間に休暇を使って、宗介らが通う陣代高校に短期留学をした。最終決戦後はボーダから「トゥアハー・デ・ダナン2号艦が作られたら艦長をしないか」と打診されたが「まっぴらごめんです」と拒否し、ニューヨークにあるマオのアパートに居候して、かつての部下やバニ・モラウタの墓参りをする日々を送っている。苛烈な戦闘の日々からストレスで激痩せしたが、決戦後はその反動で食べ歩きや無駄な買い物をすることが増えており、体重が戻ると同時にバスト周りが成長しつつある。 十数年後の『フルメタル・パニック!アナザー』では、頭文字からTTと呼ばれており、最終巻で重傷から回復したメリッサをラナと共に訪問している。 リチャード・ヘンリー・マデューカス 声 - 西村知道 / 大塚明夫 TDD-1「トゥアハー・デ・ダナン」副長。階級は中佐。 元イギリス海軍トラファルガー級原子力潜水艦"タービュラント"(S87)艦長(フォークランド紛争時はチャーチル級原子力潜水艦"コンカラー"(S48)副長)。 性格は生真面目で、若干杓子定規に過ぎるきらいがあり、子供の頃から整然と秩序立てられた状態を好んでいた。その性格を現すかのようにチェスを嗜む。そのあたりを含めてインドア派と目されており、本人もそれを認めているが、特に運動が苦手というわけではない。 時折、テッサに対して自分の娘を見るような面を見せ、彼女が好意を寄せている宗介を若干疎んじている気がある。テッサと共に陣代高校を訪れた際には宗介に小姑のごとくプレッシャーをかけ、「彼女に何かあったら、君を爆薬と共に魚雷発射管に詰めて射出してやる」とまで脅していた。テッサに対しては上官として「マム(女性の上官に対する敬称)」で呼ぶが、彼女の不安には敏感に反応してさりげなくフォローを入れるなどする気遣いの人で、豊かな人生経験が見え隠れしている。既婚者であったが、湾岸戦争の頃に離婚している。 潜水艦による戦闘指揮能力の高さ、冷徹で的確な采配から公爵(デューク)の異名を持つ。本気を出す際にはいつも被っている帽子を前後逆に被る癖がある。戦局をチェスのように俯瞰し、常に次の一手を先読みするスタイルを持ち、パシフィック・クリサリス号の事件でテッサ不在のTDD-1を指揮した際には、アマルガムの高速潜水艦リヴァイアサン3隻を翻弄し、易々と葬った。 作中で被っている帽子は、イギリス海軍時代、カール・テスタロッサが艦長を務める潜水艦を救った際のお礼と、敬意とジョークの意味も込めて彼から贈られた物。なお、カールは生前、彼にテッサ達の能力の事を話していた。 アンドレイ・セルゲイヴィッチ・カリーニン 声 - 大塚明夫 ミスリル作戦部西太平洋戦隊“トゥアハー・デ・ダナン”陸戦コマンド指揮官。階級は少佐。コールサインは"パース1"。なお、短編では父姓をセルゲーイヴィチと表記されている(発音としてはこちらの方がよりネイティヴに近い)。 かつては ソ連の特殊部隊"スペツナズ"指揮官だったが、陰謀によって現在はソ連を追われている。 いかなる事態にも柔軟に対応し、任務達成と部下の安全を重視するが、必要とあれば部下を切り捨てる判断を下せる非情さも持つ優秀な指揮官である。宗介は対峙した際、「勝つべくして勝ち、負けるときには損害を最小限に抑える」手堅い指揮をとる強敵だと論じた。 イリーナというヴァイオリニストの妻がいたが、妊娠中の体調不良による処置時に担当医が医療事故を起こし母子共に死去している。なお、アフガニスタンで宗介と再会した当初は、彼を養子にしてレニングラードで4人で暮らすことも考えていた。 彼が作る妻の味を再現したというボルシチはココアパウダーと味噌ペーストが入っており、その味はテッサが「あたたかいドクターペッパー」と評していた。カリーニンはこれを再現するにあたり、鍋のかき混ぜ方やその回数、火のかけ方や時間を非常に厳しく計測して(OVAではリトマス試験紙で酸性度まで確認している)完成させた。このボルシチを食べに来ないかと宗介を誘うが、宗介は声を裏返しながら「先約がある」と断ったほどである。テッサは、イリーナがカリーニンにこのようなボルシチを作っていたのは、仕事でほとんど家に帰ってこない夫への、せめてもの嫌がらせではないかと推測している。同時に、過酷な戦場生活の影響で、このようなボルシチを美味しいと感じる味覚になってしまったカリーニンに同情した。 『つづくオン・マイ・オウン』においてテッサ達を襲撃部隊から守り、その際逃げ遅れて行方不明となるが、『つどうメイク・マイ・デイ』ではアマルガム幹部「ミスタ・K(カリウム)」として現れる。 以後の行動についてはアマルガムの項目を参照。
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