導入経過
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「F-35 (戦闘機)」の記事における「導入経過」の解説
当初は、2016年度期限内に1号機の納入をアメリカが確約した旨が伝えられた。だが、その直後に機体強度に関する不具合が確認されたため、アメリカ政府高官や軍関係者からは2年程度の配備の遅れを容認する声が上がり始めた。これを受けて、2016年度中の取得は難しくなる見方が強まっていた。2014年10月27日、アメリカ国防総省とロッキード・マーティン社は43機分のF-35の契約を結んだと発表。この内の4機が2017年3月までに航空自衛隊へ引き渡される予定である。 防衛省は、F-35Aの調達価格は2012年度予算ベースで1機あたり本体のみ約89億円、補用部品などを含めた場合約99億円としていた。翌2012年6月29日に正式契約が交わされた際には、2016年度に導入する4機については1機当たりの価格が約96億円(交換部品を含め約102億円)と上昇、2012年度予算案においては、有償援助(FMS)調達による4機分が395億円(1機あたり98.75億円)、訓練シミュレーター整備費として205億円が計上された。 2012年5月3日にはアメリカ国防総省が、日本が導入を予定している42機の売却額が計100億ドル(約8千億円)との見通しを発表したが、これには補用部品および15年のサポートが含まれており、機体のみの価格は不明である。同年6月29日に日本政府は、米国防総省と2016年度に導入する4機について、正式契約を交わした。1機当たりの価格は約96億円(補用部品を含め約102億円)である。補用部品の購入を減らすなどしたものの、2012年度予算に計上した89億円(同99億円)と比較して、約7億円(同約3億円)の上昇となった。ただし、上記の通り、価格は今後下がる可能性が出ている。 2013年度からの調達では、国内企業参画を前提にIHIがエンジン、三菱電機がレーダーなどを製造して、三菱重工が国内FACOで機体組立を行うこととなり、3社でのこれらの製造作業に必要な設備投資費などは防衛省側が全額負担しており、13-16年度で計約1716億円を負担している。 2014年12月18日、日米両政府は、F-35の国際整備拠点の一つを日本に置くと正式に発表した。 2016年4月25日にIHS Jane's 360は、航空自衛隊向け初号機が2016年9月26日にロールアウト予定であると報じた。 2016年8月24日、フォートワース工場で生産された航空自衛隊向け初号機「AX-1」が初飛行したことが発表され、また自衛隊機としては初めて、機体の日の丸(国籍マーク)がロービジ(低視認性)迷彩仕様を採用することも、併せて発表された。この初号機は2016年9月23日にロールアウトした。 2012年度予算発注されて完成した4号機「AX-4」までの4機は、ルーク空軍基地にて空自パイロットの訓練プログラムに使用されており、2017年5月18日には2名のパイロットが空自で初めてF-35の訓練課程を修了した。 2017年6月5日、三菱重工の国内FACOで航空自衛隊向け5号機「AX-5」をロールアウト。年内には6号機「AX-6」も完成し、平成29年度中に2機が防衛省に引き渡される予定である。 2017年11月6日、ウィスコンシン州空軍州兵第115戦闘航空団所属のF-16戦闘機2機の護衛を受けた「AX-5」が初めて太平洋の上空を飛行し、メリーランド州パタクセント・リバー海軍航空基地に到着した。本機は今後アメリカ国防総省国防契約管理局の最終検査を経てアリゾナ州ルーク空軍基地に移動し、同基地にある『F-35 Academic Training Center』において空自パイロット養成の訓練プログラムに投入される見込みである。2017年9月13日に会計検査院が発表した「次期戦闘機(F-35A)の調達等の実施状況についての報告書」では、FMS調達のため円安に連動して日本円当たりの価格が増加傾向にあり、日本企業が製造に加わったことでさらに価格が上昇し、価格上昇の原因を定量的に把握できていないと指摘されている。また、開発の遅れから調達予定の品目が搭載されなかったり、予定品目と異なるソフトウェアが搭載されていたと指摘。さらに、日本製部品が搭載されているはずの機体の内、平成25年度に発注された機体には日本製部品が供給されていなかったと報告し、防衛相が米政府や国内企業との交渉・調整を適切に行うべきと結んでいる。 2018年1月21日、防衛省が2017年8月31日に公表した『平成30年度概算要求の概要』に基づき、航空自衛隊百里基地に配属されている第7航空団第302飛行隊に予定されているF-35への機種改編と航空自衛隊三沢基地移駐に先立ち、F-35が早ければ1月26日にも三沢基地に配備されることが報じられた。2017年(平成29年)度に1機、2018年(平成30年)度に9機、2019年度~2022年度にかけて6機ずつを三沢基地に配備し、第302飛行隊が改編される見込みである。なお、第302飛行隊の三沢基地移駐に伴い、2019年度には三沢基地に配備されている第3航空団第3飛行隊が百里基地に移駐する。また、2020年度には第7航空団第301飛行隊もF-35への機種改編と三沢基地への移駐が行われ、第301飛行隊が改編される予定である。 2018年1月26日、当初の予定通りF-35 1機(AX-6)が午前11時頃、三菱重工業の名古屋航空宇宙システム製作所小牧南工場がある小牧基地から三沢基地に到着、航空自衛隊三沢基地に第3航空団飛行群臨時飛行隊付として配備された。本機体に搭載されているミッションソフトウェアでは機関砲や赤外線ホーミング誘導方式の短距離空対空ミサイルが運用できないため、今後ミッションソフトウェアのアップデートが行われる。 2018年5月15日、三沢基地にF-35Aが1機が追加配備、5月28日ルーク空軍基地で使用されていた5機がハワイ経由で三沢基地に到着して計7機態勢となった。2018年度中にはもう3機が追加配備され、計10機体制になる。 2018年10月8日の中央観閲式の総合予行と同年10月14日の中央観閲式で、三沢基地配備のF-35Aが国内で初の展示飛行を披露している 2018年11月27日、政府が追加でさらに100機購入することを検討していると報じられた。その後の2018年12月13日、F-35を105機購入する方針を固め、 12月18日閣議決定によりF-35Aの取得数を105機多い147機(うち42機はF-35Bとすることが可能)とされた。 第302飛行隊がF-35Aへ改編された2019年3月をもって初期作戦能力を獲得したとされている。 2019年8月16日、防衛省は新たに導入する戦闘機42機の機種を、米ロッキード・マーチン社製のF-35Bに正式決定し、発表した。2018年末、STOVL機の導入方針が掲げられ、F-35Bが有力視されていたが、正式決定はされていなかった。 当初は全機を国内FACOで組み立てる予定だったが、量産効果による価格低下が見込めないことから、2018年12月に一旦は2019年度以降の調達機を完成機輸入に切り替えるとしていた。しかし工程の見直しによって単価が下がったため、2019年12月には一転して2019年度以降も国内組み立ての継続を決定した。 2020年7月9日、アメリカ国務省は日本が導入する105機(A型63機、B型42機)と関連する装備を約231億ドルで売却すると承認、議会に通知した。 2021年4月、防衛省がF-35Bを宮崎県新富町の航空自衛隊新田原基地に配備する方針で調整を進めていると読売新聞が報じた。今後、地元自治体などとの調整に着手し、2024年からの運用開始を目指す。具体的な運用については、広島県呉市の海上自衛隊呉基地を母港とするいずも型護衛艦2番艦「かが」に搭載しての訓練、山口県岩国市の米軍岩国基地に配備されたF-35Bとの共同訓練、鹿児島県西之表市の馬毛島で建設予定の自衛隊基地での離着陸訓練などを想定しており、新田原基地はこれらの基地と地理的に近いため、配備先として最適と判断された。 2021年5月、防衛省が2025年を目途に、F-35Aを石川県小松市の自衛隊小松基地に配備することを検討していると地方紙(北國新聞)が報じた。現在、小松基地には「日本海側唯一の戦闘機部隊」として、中部航空方面隊第6航空団第303飛行隊・第306飛行隊(どちらも使用戦闘機はF-15J/DJ)が配備されている。このうち、近代化改修が出来ないF-15J/DJをF-35Aに置き換える。だが、防衛省近畿中部防衛局の担当者は、小松基地へのF-35Aの配備計画について「現時点では何も把握していない」と話した。 2030年代に退役が始まるF-2の後継機としてロッキード・マーティンではF-22にF-35のアビオニクスを搭載した機体を提案している が、後に「我が国主導の開発の観点から、候補とはなり得ない」「防衛省も政界も、はなからそのラインは選択肢にない」と報じられた。
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導入経過
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「富山地方鉄道T100形電車」の記事における「導入経過」の解説
2011年(平成23年)度末時点での導入台数は1両のみであったが、2012年(平成24年)度にも増備予算が組まれており、2013年(平成25年)2月10日より、乗り心地向上のため車両に一部改良を加えた2編成目のT102が営業運転を開始した。また現存するデ7000形12両をすべて順次本形式に置換することが決定しているが、2013年(平成25年)に富山地方鉄道は今後5 - 6年で4編成を導入する計画を発表した。2015年(平成27年)に3編成目のT103が営業運転を開始した。2017年(平成29年)11月13日に4編成目のT104が営業運転を開始した。
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