ミッションソフトウェア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 06:07 UTC 版)
「F-35 (戦闘機)」の記事における「ミッションソフトウェア」の解説
本機のミッションソフトウェアは800万行を超える膨大なソースコードを有するため、SDD作業において3つのブロックに区分して製造され、完成度を段階的に高めていくことが計画されている。またSDD作業以降の発展版も計画されている。 ブロック0 初期のSDD機には、基本的な機体管理ソフトウェアしか搭載されておらず、ブロック0とも呼ばれるが正式なバージョンとして存在するものではない。 ブロック1 ブロック1A 限定的ながらセンサーの動作が可能。基本的な戦闘能力を持ち、兵装はAIM-120 AMRAAM・JDAM GPS誘導爆弾の搭載能力を持つ。専らボーイング737を改造したアビオニクスのテストベッド機「CATバード(英語版)」にて使用され、F-35ではオランダ向けの初号機「AN-1」のみが搭載。 ブロック1B EOTSのサポート機能 や兵装シミュレーション機能の導入、レーダーモードの追加により、空対空・空対地戦闘訓練が可能なようにされた。 ブロック2 ブロック2A 初期的なデータリンクシステムが導入され、EOTSやEO-DASの操作が可能となった。LRIP4の生産機体から搭載。 ブロック2B 阻止攻撃能力・限定的な空対空能力・近接航空支援能力・敵防空網制圧能力を持ち、JDAM以外の空対地攻撃兵器の搭載も可能となる。F-35Bはこのバージョンで初期作戦能力を獲得した。 ブロック3 ブロック3I ブロック3の初期版。ハードウェアの更新 に伴い、ブロック2Bの演算能力を強化。LRIP6~8の生産機体がこのバージョンにアップグレードされるが、ハードウェアが旧型のLRIP2~5の生産機体については、代わりに同等の機能を持つ新バージョンのブロック2Bが搭載される。F-35Aはこのバージョンで初期作戦能力を獲得した。 ブロック3F ブロック3の完全版にしてSDD作業での最終仕様。G制限が9Gにまで拡張され、完全な戦闘能力を持ち、あらゆるミッションをこなすJSFとなり、機関砲の射撃機能とAIM-9の運用能力追加 によって計画されているあらゆる兵装の搭載を可能としている。また、ネットワークを利用した情報共有などを行う、ネットワーク・セントリック・オペレーション(NCO)構想に完全に適合する機能を有する予定である。F-35Cはこのバージョンで初期作戦能力を獲得した。 ブロック4 ブロック3の機能強化版。JSMやB61核爆弾の運用能力付加、データリンクシステムの強化が行われる予定。ブロック4Aとブロック4Bの二段階に分けてリリース予定。 ブロック5 AN/APG-81レーダーへの海洋モードの追加、電子戦システムのアップグレード、AIM-120の6発同時携行能力の付加などを予定。 ブロック6 推進システムの管理機能、電子攻撃機能、友軍の追跡能力、全方位での脅威のパッシブ探知/反応機能を強化する予定。 ブロック7 生物/化学戦環境下での防護機能強化などを予定。
※この「ミッションソフトウェア」の解説は、「F-35 (戦闘機)」の解説の一部です。
「ミッションソフトウェア」を含む「F-35 (戦闘機)」の記事については、「F-35 (戦闘機)」の概要を参照ください。
- ミッションソフトウェアのページへのリンク