具体的な運用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 02:15 UTC 版)
ある馬が競走中に他馬への走行妨害を行い、なおかつその走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していたと判断された場合、その加害馬の着順は被害馬の着順の下に繰り下げられる。加害馬の入線順位が別の馬と同じ(同着)であった場合、降着によってそれぞれが単独の着順となる。 例-1:加害馬がゴールに2位、被害馬が5位でそれぞれ入線したあと、降着を行うべきだと判断された場合は、加害馬は5着に降着となり、3-5位で入線した馬はそれぞれ2-4着に1つずつ順位を繰り上げて確定となる。 例-2:加害馬がゴールに5位、被害馬が2位でそれぞれ入線した場合、被害馬先着のため着順の変更は行われず、被害馬2着、加害馬5着のまま確定となる。 例-3:騎手の落馬やその他競走中の事故・疾病などによってある馬が競走中止となった場合、その原因が他馬の妨害によるものであったか否かにかかわらず降着は行なわれない(ただし失格要件に該当する場合は、加害馬は失格となる)。 (詳細は次節を参照) なお、2012年までの日本競馬では「その走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していたか」ではなく「その走行妨害によって被害馬の競走能力の発揮に重大な影響を及ぼしたか」が判断の基準であったため、走行妨害と判断された場合は加害馬は必ず降着もしくは失格となった(被害馬先着の場合を除く)。また、現在とは異なる以下のような運用がなされていた。 加害馬が、被害馬を騎手の落馬やその他競走中の事故・疾病などによる競走中止に追い込んだ場合は、加害馬は入線順位に関係なく失格となる(ただし加害馬が競走中止した場合は到達順位どおり確定する)。 加害馬の順位に関係なく、被害馬が加害馬の進路妨害などに関係なく騎手の落馬やその他競走中の事故・疾病などによる競走中止になった場合は、加害馬は最下位に降着となる(ただし加害馬が競走中止した場合は到達順位どおり確定する)。 同一競走内で、第1コーナーで馬Aが馬Bの進路を妨害し、第4コーナーで今度は逆に馬Bが馬Aの進路を妨害するなど、加害・被害の関係が循環する場合は、関係する全馬は到達順位のとおりに確定となる。
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