女性用スーツとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 女性用スーツの意味・解説 

レディーススーツ

(女性用スーツ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/15 18:20 UTC 版)

スカート(ワンピース)およびパンツのスーツ
それぞれスーツ、背広を着た女性(左)と男性(右)
伝統的な服を着た男性(左)とスーツを着た女性(右)

レディーススーツは、女性が用いる上下で一揃いの衣服で、背広型の上着に類似するジャケットスカートスラックスなどの一組。各々、スカートスーツ、パンツスーツと呼ばれる。ブラウスなどを伴うものもある[1][2][3][4]。メンズとは異なり、ジャケットの丈が短く、腰は絞られ、ウエストとヒップが強調される作りになっている。また、ジャケットのボタンを留める向きも左側で、メンズとは逆である。

歴史

この節は『性とスーツ』[5]に基づく。

ヨーロッパ古代から中世彫刻絵画に描かれる衣服は、男女の違いはあるがいずれも大きな布をひだをよせてまとうようなドレーパリーとして描かれてきた。[6] 14世紀になると、女性服は上半身をぴったり覆いコンパクトにまとめるボディスと、下半身をゆったり包む足首まで覆うスカートからなるのに対して、男性服はプレートアーマーダブレットタイツのように四肢をあらわにし体の輪郭を明確にするようになり、衣服は大きな性差をあらわす。[7] その後男性服は、17世紀後半になるとゆったりと体を包みボタンで留めるジャケットが現れ、[8] また18世紀末のフランス革命後は、ゆったりとした長ズボンも普及する。[9] 19世紀のイギリスではフロックコートに長ズボンをあわせるようになり、やがて背広が登場する。[10] 背広はアメリカ合衆国にわたり既製服化され、やがて世界的に男性の用いる服となった。[11]

一方で女性服は乗馬自転車あるいは娼婦などの男装として、男性と同じような四肢をあらわにした衣服が例外的に取り入れらことはあっても、[12]基本的には従来のワンピース型のドレスであった。[13]しかし新古典主義による人体の理想形の変化、男性服の仕立て技術の導入やコルセットからの解放、ウーマンリブ、労働のための合理的な服の必要性などにより、20世紀初頭には背広のように体に程よくフィットしたスーツが取り入れられた。[14]第2次大戦後にはシャネルによる軽やかな色合いのツイードを用いたいわゆるシャネルスーツも登場する。[15]現在では背広の主流である暗い色に加えて明るい色が用いられたり、デコルテの名残である襟のないノーカラーの上着や襟のないカットソーなどをあわせたり、ボタンの代わりにファスナーを用いるものなど背広以上に多様になっている。従来のスカートに加えてズボンも用いられ、また背広とおなじように上下で異なる布地の組合せや、ジーンズをあわせるなど多様な着こなしがみられる。[16]

特徴

レディーススーツはスーツであっても、ジャケットはくびれていてウエストを強調し、パンツもフレア気味であり、ボタンを留める向きも右が前であるため、メンズとは大きく異なる作りになっている。

脚注

  1. ^ 広辞苑第5版
  2. ^ リーダーズ英和辞典第2版
  3. ^ 田中千代 『新・田中千代服飾辞典』 同文書院
  4. ^ 『ファッション辞典』文化出版局
  5. ^ アン・ホランダー著 中野香織訳『性とスーツ 現代衣服が形づくられるまで』白水社
  6. ^ アン・ホランダー 52頁
  7. ^ アン・ホランダー 53頁
  8. ^ アン・ホランダー 90頁
  9. ^ アン・ホランダー 116頁
  10. ^ アン・ホランダー 128頁
  11. ^ アン・ホランダー 146頁
  12. ^ アン・ホランダー 100頁
  13. ^ アン・ホランダー 68頁
  14. ^ アン・ホランダー 182頁
  15. ^ アン・ホランダー 188頁
  16. ^ アン・ホランダー 232頁

「女性用スーツ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「女性用スーツ」の関連用語

女性用スーツのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



女性用スーツのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのレディーススーツ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS