大阪環状線・桜島線
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「国鉄103系電車」の記事における「大阪環状線・桜島線」の解説
大阪環状線・桜島線では、1969年12月から2017年10月3日まで103系が運用されていた。車両の車体色は朱色1号(■ オレンジバーミリオン)。なお桜島線には6両編成も存在した。大和路線直通の区間快速として、JR難波駅から加茂駅まで乗り入れる運用もあったが、2016年(平成28年)10月3日より221系に置き換えられ消滅した。 関西では京阪神緩行線に次いで投入された大阪環状線の103系は、最初の編成として1969年12月に6両編成2本が森ノ宮電車区に配置された。車体塗装は103系で初のオレンジバーミリオン(朱色1号)となった。1971年より103系で初となる8両編成化が開始され、1976年に桜島線直通を除く全編成が8両編成となった。この増備では中間車の新製投入とともに、先頭車は首都圏のATC化に伴って捻出されたATC非対応車が転入している。 103系の増備により捻出された101系は淀川電車区へ転属し、片町線の新性能化に充当された。1985年には京阪神緩行線への201系導入で捻出された103系が転入し、大阪環状線・桜島線とも全車両が103系となった。 国鉄分割民営化時、大阪環状線・桜島線の103系は森ノ宮電車区の8両編成28本、6両編成5本の254両がJR西日本に継承された。大阪環状線では8両編成、桜島線では6両編成で運転されていた。桜島線内運転用の6両編成は、森ノ宮支所への入出区のため西九条駅-京橋駅間でも営業運転されていた。 1989年に103系の6両編成2本が淀川電車区に転出し、101系6両編成2本が淀川電車区より転入した。101系は桜島線での運用を再開したが、101系の営業運転は1991年3月13日をもって終了した。 1995年には8両編成1本が体質改善40N工事のプロトタイプ車として投入され、1995年4月8日より営業運転を開始した。他の車両に対しても翌1996年度より改造が開始されている。2002年度以降は工事内容を簡素化した体質改善30N工事に移行した。 2001年、大阪市此花区にテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)が開業するのに伴い、桜島線ではユニバーサルシティ駅の開業とともに、西九条 - 桜島間に「JRゆめ咲線」の路線愛称が付与された。大阪環状線と桜島線の直通運転が実施されたほか、103系のうち桜島線内折返しの6両編成4本を体質改善40N車に揃えた(2本は日根野・宮原・奈良から転入)上で、USJのアトラクションにちなんだラッピングが施工された。生え抜き車からは2本が「パワーオブハリウッド号」と「アメリカの街並み風景号(後のスパイダーマン号)」となった。 2001年7月1日の山陽本線兵庫 - 和田岬間(和田岬線)の電化用として、森ノ宮区の8両編成1本が6両編成に短縮され、2001年6月21日付で網干総合車両所明石支所へ転出した。 2005年からの京阪神緩行線への321系の投入に伴い、201系が森ノ宮電車区に転入した。これにより103系の一部廃車と奈良・日根野電車区への転出が行われ、2007年の時点で8両編成11本、6両編成4本となった。この大転配の際に、体質改善40N車から2両の余剰廃車が発生し、2006年2月1日付けでサハ103-486が、同年5月29日付けでサハ103-410がそれぞれ廃車された。 2011年のダイヤ改正で阪和線・大和路線との直通快速列車が増発され、環状運転の列車が減少したため、103系の28両が日根野電車区へ転出した。これにより森ノ宮電車区の103系8両編成は5編成に減少し、8両編成のクハは高運転台車のみとなった。2011年4月25日には大阪環状線が1961年の開業から50周年を迎え、103系1編成と201系1編成に記念ヘッドマークが掲出された。 2012年3月のダイヤ改正では、桜島線の線内折返し列車もUSJラッピング車を含めて8両編成となった。103系によるUSJラッピングは2012年12月をもって終了し、以後は201系にUSJラッピングが施工された。 2012年6月の組織改組により、森ノ宮電車区の車両は吹田総合車両所森ノ宮支所の所属となった。 「大阪環状線改造プロジェクト」の一環として、103系の1編成で関西のラジオ局「FM802」とJR西日本のコラボレーションによる「OSAKA POWER LOOP」のラッピングが施工され、2014年6月1日より運行を開始した。2014年(平成26年)3月18日に玉造駅に隣接して開業した商業施設「ビエラ玉造」は、大阪環状線の103系をモチーフにした外装デザインとなっている。 3扉車による快速の直通運転の増加で4扉車と3扉車が混在する中、整列乗車の課題解消や将来のホームドア設置への対応のため、4扉の103系・201系は2016年(平成28年)より3扉ロングシートの323系への置き換えが決定した。323系導入前の2016年度初頭時点で103系は8両編成7本が存在したが、2016年12月24日の323系の営業運転開始より順次置き換えが進められ、2017年(平成29年)度初頭時点の103系の稼働編成は2編成のみとなっていた。 103系で最後に残った2編成のうち、「OSAKA POWER LOOP」編成は2017年(平成29年)9月7日に営業運転を終了した。オレンジバーミリオンで最後まで残った1編成も、形式数字の「103」にちなんだ2017年10月3日が最終運行となり、約48年間に及ぶ大阪環状線での103系の運用が終了した。また当編成の引退と同時にオレンジバーミリオン(朱色1号)の103系の稼働車が消滅した。 引退後に先頭車のクハ103形843・802号車が京都鉄道博物館にて11月3日から6日まで展示された。当初は大和路線ウグイス色の103系も展示される予定であったが輸送上の都合によりクハ103形802号車に変更された。
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大阪環状線・桜島線
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「国鉄101系電車」の記事における「大阪環状線・桜島線」の解説
大阪環状線は国鉄で中央線に次ぐ101系2番目の投入線区となり、城東線時代の1960年10月に運転を開始した。101系投入時は大阪 - 天王寺間が城東線、大阪 - 桜島間が西成線の路線名であったが、境川信号場 - 西九条間の新線建設などにより1961年4月25日に大阪環状線が開業し、西成線の西九条 - 桜島間は桜島線に改称された。塗装は中央線と同じくオレンジバーミリオンとなったが、72系など大阪地区の旧性能電車も大半が1959年より中央線の101系に合わせたオレンジバーミリオンに変更されていた。 当初は中央線から転入の電動車に新製投入の付随車を組み込んだ6両編成3本が投入され、淀川電車区に配置された。大阪環状線開業に備えて1960年に開設された淀川電車区森ノ宮派出所にも101系が本格的に新製投入され、森ノ宮派出所は大阪環状線開業直前の1961年4月1日に森ノ宮電車区となった。1962年6月には101系による大阪環状線の新性能化が完了している。 大阪環状線開業後しばらくは西九条 - 天王寺 - 大阪 - 西九条 - 桜島間の逆「の」の字運転であったが、西九条駅の旧西成線区間高架化により1964年3月より環状運転が開始された。1968年3月のダイヤ改正では大阪環状線と桜島線の直通運転がラッシュ時を除いて廃止され、日中の桜島線は101系3両編成による区間運転となったため、首都圏より関西の101系で初のクハが転入している。 1969年には103系6両編成2本が森ノ宮電車区に配置され、同年12月より101系に混ざって運用に入った。1970年12月よりラッシュ時の混雑緩和策として一部編成の8両編成化が行われ、8両編成となった車両は先頭車前面窓内側に「8」の数字が掲出された。1973年には103系新製冷房車の投入が開始され、捻出された101系は関西本線電化開業用に転用された。 1976年には大阪環状線用101系・103系の全車8両編成化が完了し、桜島線も6両編成となった。103系の投入はその後も続けられ、101系は1979年10月に大阪環状線用編成での運用を終了し、以後は桜島線用編成のみの運用となった。 桜島線でも1985年3月のダイヤ改正で103系に置き換えられ、森ノ宮電車区の101系の配置は無くなったが、民営化後に最後まで片町線に残っていた101系2本が6両編成で森ノ宮電車区へ転入し、桜島線での運用が復活した。この編成も207系量産先行車(第1編成)の導入による103系の転配によって置き換えられ、1991年(平成3年)3月に同線での営業運転を終了した。4月29日には大阪環状線開通30周年を記念したイベント電車「歴史電車」が101系で運転され、これを最後に1992年(平成4年)限りで全廃となり、関西地区から101系は姿を消した。 103系への改造車であるサハ103形750番台はその後も一部が残存したが、2002年(平成14年)10月までに全車廃車となった。
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