地殻
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4.リソスフェア、5.アセノスフェア
地殻(ちかく、英: crust)とは、天体の内部の層の一つ。
地殻の定義
地球物理学的に言うと、地殻は地上または海底からモホロビチッチ不連続面までの層を指す[1]。地球科学的には、地球表層部に存在し、超苦鉄質岩からなるマントルと対照をなす、珪長質岩、中性岩、苦鉄質岩の層を指す。地球科学書以外の記事では、この「殻」には「地殻」と「リソスフェア」の2通りの呼び方があり、両者がしばしば混同、誤認されている。
- 地殻
- 地球化学的な観点から地球を深さごとに分けたうち、最も外側に位置するものである。地殻の下に位置するマントルがかんらん岩などの超塩基性岩から成るのに対して、地殻は花崗岩などの酸性岩・安山岩などの中性岩・玄武岩などの塩基性岩から成り、その違いから地殻とマントルを分けている。大陸地殻の厚さは地域変化に富むが、30 - 40kmくらいの地域が多い。他方、海洋地殻はほぼ均一で、6kmくらいである。海洋地域にはごく稀に、地殻が存在せずマントルが直接海底や水面上に露出するメガマリオンと呼ばれる地質構造が存在する。リソスフェアの表層を形成する地殻は、主体をなすマントルと比べ剛性が低い。すなわち柔らかいのである。
- リソスフェア
- 地球物理学的に定義される地殻と上部マントルの両方にまたがる層である。すなわち、モホロビチッチ不連続面の上部と下部の両方を含む。リソスフェアは、その直下のアセノスフェアマントルと比べて粘性、剛性が非常に高い。一般的な言葉では「硬い」と表現できる。プレートと同義。大陸地域では約120km、海洋地域では約100kmの厚さを持つ。すなわち、大陸地域のリソスフェアは75%がマントル、海洋地域では94%がマントルであり、リソスフェアは主として地殻ではなくマントルから形成されているといえる。その意味で、しばしば「リソスフェア・マントル」 (lithospheric mantle) という用語が用いられる。
地殻の構成元素
水圏および大気圏を含めた地殻の構成元素の重量比をクラーク数と呼び、このうち岩石圏の主要元素について以下に示す[2]。
元素 | 割合 |
---|---|
O | 46.6% |
Si | 27.7% |
Al | 8.1% |
Fe | 5.0% |
Ca | 3.6% |
Na | 2.8% |
K | 2.6% |
Mg | 2.1% |
Ti | 0.4% |
P | 0.1% |
海洋地殻と大陸地殻

マントルは地球規模でほぼ均質であるが、地殻には大陸地殻と海洋地殻の2つの異なる地質構造が存在する。
海洋地殻
海洋地殻(oceanic crust)は、海底火山の玄武岩質の噴出物等および同種のマグマに由来する斑れい岩質の貫入岩体から構成され、厚さは平均6km程度。大陸地殻と比べ、FeO、MgO を多く含みSiO2が低く、苦鉄質、塩基性である。深海底掘削船「ちきゅう」は海底から深さ7kmまで掘削することができるが、これは地殻を貫通しマントルに到達する目的で設計された。
大陸地殻
大陸地殻(continental crust)は、30km程度の厚さがある。大陸や日本列島などを構成する地殻である。大規模な山岳地帯ではとくに厚く、チベットでは60~70kmにおよぶ。これは地殻を構成する岩石の密度が約2.7~3.0g cm−3でありアイソスタシーが成立しているためである。
多数の岩石の分析結果より推定された大陸性地殻の平均化学組成は、
であり、塩基性の岩石だけではなく、花崗岩、片麻岩などの SiO2 を多く含む酸性の岩石からも構成される。
大陸地殻の体積は地球全体から見ると非常に小さいが、地球に存在する カリウム40、トリウム232、ウラン235、ウラン238などの放射性元素の約半分が高度に濃集している。またバリウムおよび希土類元素なども地殻に濃縮している。このことはCIコンドライト隕石の組成との比較から言えることであるが、これはカリウムが主に長石に集中しやすく、かつトリウムおよびウランなどはイオン半径および電荷が大きいなどの特殊性から、主にマントルを構成すると考えられるかんらん岩には固溶しにくく排除されやすいためである[2]。
第二次世界大戦以前には、大陸地殻は花崗岩質の「上部地殻(A層)」(シアル, SiAl)と、玄武岩質の「下部地殻(B層)」(シマ, SiMa)に分かれているとされた。大陸地殻下部は海洋地殻につながると考えられ、大陸地殻が海洋地殻の上に浮かんでいるようなモデルが想像されていた。しかし、第二次世界大戦以後の研究で、現在では大陸地殻内にこのような極端な物質境界は存在しないことがわかっている。大陸地殻は水平分布において非常に不均質であるが、大まかに見ると上部は比較的シリカの多い酸性岩(花崗岩質、流紋岩質)が多い傾向にあり、下部はそれよりややシリカの少ない中性岩(閃緑岩質、安山岩質)が多い傾向にある。両者の境界は複雑に入り組んだ一種の漸移動関係とされている。もちろん、大陸地殻下部と海洋地殻は明瞭に異なる地質構造である。
脚注
参考文献
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関連項目
外部リンク
- Formation of the Earth's crust - Encyclopedia of Earth「地球地殻の形成」の項目。
- Folding and faulting in the Earth's crust - 同「地球地殻の褶曲と断層」の項目。
地表
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/21 14:13 UTC 版)
「天地創造 (ゲーム)」の記事における「地表」の解説
当初は陸すらなく、大陸出現後も生物が死滅した荒野だったが、アークの手により次第に生物が復活していく。 ユーラシア大陸(試練の塔1の攻略後に地図に現れる)インダス川 エクルマータ ラサ ゴビ砂漠 ロウラン タクラマカン ルワール(ロワール) ノルフェスターの森 ストークホルム リッツ シルバイン城 ユンコウ ドラグーン城 グランドモスク 研究所 ネオトキオ(神代島(日本列島)) ペンギンランド(アイスランド) アフリカ大陸(試練の塔2の攻略後に地図に現れる)サファリアム ズウ せんじんの谷 南米大陸(試練の塔3の攻略後に地図に現れる)グレートクリフ サンクチュアリ リオット アスタリカの祭壇 北米大陸(試練の塔4の攻略後に地図に現れる)フリーダム コロラド川 五大湖のほこら 人魚の塔 ニアレイク オーストラリア大陸(試練の塔5の攻略後に地図に現れる)サンコースト エアーズロック ムー大陸(試練の塔2から最北端にある) ポリネシア諸島(試練の塔5へ行く途中のダンジョンにある) 南極大陸(?)ドライバレー
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「地表」の例文・使い方・用例・文例
- 巨大ガス惑星は個体の地表を持たない。
- 乾燥農業や地表灌漑と比較すると、点滴灌漑は作物の収量を最大50%増加させました。
- 陸地は地表の小さいほうの部分を占めている。
- 地表の約4分の3は水で成り立っている。
- 雨林は地表のわずか2%をしめるに過ぎないが、世界の野生の動植物、及び昆虫の半分以上の種類がそこで生息している。
- ピックは硬い地表を砕くための用いられる長い取っ手の道具だ。
- 地表の形状, 地形.
- (地表近くにできる)地上霧.
- 除去によって地表の近くで採鉱される
- 地表で生活し、開けた土地や低い茂みが散在するような場所を好む
- 地表から鉱山への、ほぼ水平に入っていく道
- 建物の地表面のための間取り図
- 飛行機が離陸したり着陸したりする水平な舗装された細長い地表
- 鉱石の層が地表近くを走っている(ふつう石炭の)露天鉱
- 地表の外形、およびその人工的特徴と自然的特徴の関係
- 特に海水面または地表からの高さ
- かつて地表にあったが現在では岩の下に埋まっている地質学的特徴の研究
- 地表の形状と地理的な位置の正確な決定を研究する地質学の分野
- 地表の研究
- 地表の物理的性質の研究
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