地表に現れた岩脈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/25 06:22 UTC 版)
この著しい浸食の結果、カルデラの内側では、成層火山の内部構造が露出している。凝灰岩や凝灰角礫岩などは浸食を受けやすいため既に消失し、火山の内部にあったマグマが固まってできた安山岩質の岩脈が地表にあらわれている。 子持山では噴火のときに火口がほとんど移動しなかったため、地底から火口へと火道を垂直に昇ってきたマグマが、そのままの形で硬化して岩となった。これを火山岩頸という。子持山の火山岩頸は底部の直径150メートル、高さ100メートルの大岩塔となっており、「大黒岩」または「獅子岩」と呼ばれている。 さらにこの大黒岩(獅子岩)を中心として、地下でマグマが岩盤の裂け目を伝って放射状に広がったものがそのまま固まり、岩(放射状岩脈)となって地表に露出している。子持山ではこの放射状岩脈が150本ほど確認されており、そのうちとくに60本ほどは容易に観察できる。これら放射状岩脈のうち顕著なものには、「屏風岩」、「拳岩」などの名前がつけられている。 子持山は成層火山としてはそう大きなものではないが、標識的な火山地形や火山内部の構造が観察できるものとしては日本国内でも有数のものであり、地質学の学習の場として重要視されている。
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