合成甘味料とは? わかりやすく解説

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ごうせい‐かんみりょう〔ガフセイカンミレウ〕【合成甘味料】

読み方:ごうせいかんみりょう

人工甘味料


甘味料

(合成甘味料 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/29 14:07 UTC 版)

甘味料(かんみりょう、Sweetener)とは、食品甘みをつけるために使われる調味料である。日本の食品衛生法による食品の表示にあっては食品添加物に区分される。砂糖以外の甘味料は、第二次世界大戦中や終戦直後の砂糖不足の時代には、単に砂糖の代わりの代替甘味料という位置付けであったが、その後の食生活の変化などにより、最近ではその使用目的が、低カロリー、低う蝕性(虫歯になりにくい性質)、腸内環境の改善などへと多様化してきている[1]

糖質系甘味料

糖質系甘味料は、炭水化物に分類される甘味料である。食品中に微量に含まれている甘み成分を取り出し精製、濃縮したもので食品として取り扱われるもの。砂糖、でん粉由来の糖、その他の糖、糖アルコールに分類される。

一部には、特殊な処理を伴わず食品のままで甘味料として利用されるものもある。

砂糖、でん粉由来の糖、その他の糖

甘味料に含まれる一般にと言われる甘味成分の一例

天然資源から精製される甘味料の一例

糖アルコール

糖アルコールアルドースケトースカルボニル基還元されて生成する糖の一種である。既存添加物に分類される[4]。 以下に代表的な糖アルコールを列挙する。

非糖質系甘味料

非糖質系甘味料は、炭水化物に分類されない甘味料であり、天然甘味料と合成甘味料からなる。

天然甘味料

合成甘味料

非糖質系甘味料で天然に存在しない甘み成分を人工的に合成したもの。人工甘味料とも。国によって食品添加物としての使用が禁止・規制されているものがある。

  • アスパルテーム - L-フェニルアラニン化合物と併記。使用頻度が高い。ショ糖の約200倍の甘さ。1分子の代謝の際に1メタノール分子を発生。
  • ネオテーム - アスパルテームのジペプチドメチルエステル誘導体。ショ糖の約10,000倍の甘さ。1分子の代謝の際に1メタノール分子を発生。
  • アドバンテーム - アスパルテームのイソバニリン誘導体。ショ糖の約20,000倍から40,000倍の甘さ。1分子の代謝の際に1メタノール分子を発生。
  • アセスルファムカリウム(アセスルファムK) - 使用頻度が高い。ショ糖の約200倍の甘さ。
  • スクラロース - 使用頻度が高い。ショ糖の約600倍の甘さ。
  • サッカリン(サッカリンナトリウム) - 歯磨き粉やのどスプレーなどに添加。ショ糖の約200倍から700倍の甘さ。耐糖能異常の誘導の懸念あり。
  • ズルチン - 使用禁止。
  • チクロ(サイクラミン酸) - 日本やアメリカを含む多数の国で使用禁止(中国やEU諸国など使用が許されている国もある)。
  • 酢酸鉛(II) - 使用禁止。歴史的に砂糖の代替物として用いられていた。鉛中毒の原因物質の一つ。

第二次世界大戦後にズルチン・ペリラルチン英語版(紫蘇糖)・チクロなどの毒性が問題になり、相次いで使用が禁止された。

サッカリン、スクラロース、アスパルテームは腸内細菌叢に影響を与え、体重増加や2型糖尿病の発症リスク上昇の関連が有るとする報告がある[注釈 1][7][8][9]

個人差や慣れによる差があるものの摂取量によっては下痢を生じる事がある[10]

用途

古くは砂糖よりも製造コストが低い甘味料が菓子などに砂糖の代用として使用された。砂糖の数百倍程度の高甘味度を持つ添加物を使用すると食品の糖類含有量を減らすことができ、カロリーを抑える効果がある。清涼飲料水・菓子・アルコール飲料などに利用されることがある。また、虫歯の原因とならない(あるいは虫歯を予防する働きがあると考えられている)キシリトールなどの糖アルコール類が歯磨き粉チューインガムに利用される。

別の使い方としては、酵母乳酸菌に代謝されにくい甘味料(合成甘味料や一部の天然甘味料)を砂糖の代用として使い、味の経時変化を抑えた漬物類などもある。

脚注

注釈

  1. ^ この三種の中では、サッカリンによる耐糖能異常の作用が最も強かった(順としては、サッカリン、スクラロース、アスパルテームの順)[6]

出典

  1. ^ 砂糖以外の甘味料について
  2. ^ 「代用甘味料の利用法」『e-ヘルスネット』 厚生労働省、2010年10月31日閲覧。(アーカイブ版)
  3. ^ The return of Sicily's ancient 'white gold'” (英語). www.bbc.com (2025年3月29日). 2025年3月29日閲覧。
  4. ^ 奥恒行、「低エネルギー糖質甘味料・エリスリトールの体内代謝と食品への応用」 『栄養学雑誌』 1998年 56巻 4号 p.189-198, doi:10.5264/eiyogakuzashi.56.189, 日本栄養改善学会
  5. ^ https://sugar.alic.go.jp/japan/fromalic/fa_0707c.htm
  6. ^ Artificial sweeteners induce glucose intolerance by altering the gut microbiota. Suez J, Korem T, Zeevi D, Zilberman-Schapira G, Thaiss CA, Maza O, Israeli D, Zmora N, Gilad S, Weinberger A, Kuperman Y, Harmelin A, Kolodkin-Gal I, Shapiro H, Halpern Z, Segal E, Elinav E. Nature. 2014 Oct 9;514(7521):181-6.
  7. ^ 長谷川夕希子、中神朋子、「人工甘味料は腸内細菌叢を変化させ耐糖能を悪化させる」 『糖尿病診療マスター』 ISSN 1347-8176, doi:10.11477/mf.1415200061
  8. ^ サッカリン含有人工甘味料は腸内細菌叢を変化させ耐糖能異常を起こしうる : 一人抄読会
  9. ^ 八幡紋子、「人工甘味料が引き起こす血糖コントロール不全」 『ファルマシア』 2015年 51巻 6号 p.582, doi:10.14894/faruawpsj.51.6_582, 日本薬学会
  10. ^ 奥恒行、「難消化吸収性糖質の消化・発酵・吸収ならびに許容量に関する研究」『日本栄養・食糧学会誌』 2005年 58巻 6号 p.337-342, doi:10.4327/jsnfs.58.337

参考文献

  • 伊藤汎監修『砂糖の文化誌 ―日本人と砂糖』 八坂書房 2008 ISBN 9784896949223

関連項目

外部リンク


合成甘味料

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:26 UTC 版)

甘味料」の記事における「合成甘味料」の解説

非糖質系甘味料天然存在しない甘み成分人工的に合成したもの。人工甘味料とも。国によって食品添加物として使用禁止規制されているものがある。 アスパルテーム - L-フェニルアラニン化合物併記使用頻度高い。ショ糖の約200倍の甘さ。1分子代謝の際に1メタノール分子発生ネオテーム - アスパルテームのジペプチドメチルエステル誘導体ショ糖の約10,000倍の甘さ。1分子代謝の際に1メタノール分子発生アドバンテーム - アスパルテームイソバニリン誘導体ショ糖の約20,000倍から40,000倍の甘さ。1分子代謝の際に1メタノール分子発生アセスルファムカリウムアセスルファムK) - 使用頻度が高い。ショ糖の約200倍の甘さスクラロース - 使用頻度が高い。ショ糖の約600倍の甘さサッカリンサッカリンナトリウム) - 歯磨き粉やのどスプレーなどに添加ショ糖の約200倍から700倍の甘さ耐糖能異常の誘導懸念あり。 ズルチン - 使用禁止チクロサイクラミン酸) - 日本アメリカを含む多数の国で使用禁止中国EU諸国など使用許されている国もある)。 酢酸鉛(II) - 使用禁止歴史的に砂糖代替物として用いられていた。鉛中毒原因物質一つ第二次世界大戦後にズルチン・ペリラルチン(英語版)(紫蘇糖)・チクロなどの毒性問題になり、相次いで使用禁止された。 サッカリンスクラロースアスパルテーム腸内細菌叢影響与え体重増加2型糖尿病発症リスク上昇関連有るとする報告がある。 個人差慣れによる差があるものの摂取量によっては下痢生じ事がある

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「合成甘味料」を含む「甘味料」の記事については、「甘味料」の概要を参照ください。

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