ハサン・アル・バスリの冒険とは? わかりやすく解説

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ハサン・アル・バスリの冒険(第576夜 - 第615夜)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 10:08 UTC 版)

千夜一夜物語のあらすじ」の記事における「ハサン・アル・バスリの冒険(第576夜 - 第615夜)」の解説

バートン版「バッソラーハサン(第778夜‐第831夜)」 東洋文庫版「商人と金細工師銅細工師営みむふたりの息子、および金細工師息子ハサンペルシア人詐欺師まつわる物語(第778夜‐第831夜)」 昔、ペルシャホラーサーンの王で、インドシンドシナ(中国)の国々とオクスス河(アムダリヤ川)の彼方領有するケンダミル王という王がいた。王は物語好きだったが、ほとんどの物語聞いてしまったので、新し物語物語師アブー・アリに所望したところ、アブー・アリは1年猶予求め1年以内新し物語を見つけられなければ死刑になることになった。アブー・アリは5人の白人奴隷呼び一人インドシンド地域一人ペルシャシナ地域一人ホラーサーン地域一人マグリブ国々最後ムバラクエジプトとシリア国々派遣し、「ハサン・アル・バスリの冒険」という物語探すよう命じた最初の4人は11ヵ月虚しく帰ったムバラクは、エジプトでは見つけられず、ダマス物語名人イスハーク・アル・モナッビー老人を見つけ、お願いしたところ、イスハーク老人は、条件として「無知の者、偽善者学校教師馬鹿者不信者には物語価値分からないので物語聞かせないということで「ハサン・アル・バスリの冒険」を教えてくれた。ムバラク書き取り、アブー・アリの元へ急いで帰り1年猶予ぎりぎり物語届けたその物語とは次のようなものであった。 昔、バスラハサンという名の青年がいた。父が死に多額遺産相続した放蕩使い果たし、母から金をもらい金銀細工の店を始めていた。ある日、店にペルシャ人の男が来ての盆に魔法の粉掛け金変えて見せハサン錬金術教えてやると言ったので、ハサン弟子入りしたが、ペルシャ人ハサン麻酔薬眠らせ、箱に入れ、船に積み込んで出帆したハサンがいなくなったので母は嘆き悲しんだペルシャ人拝火教徒で、名はバーラムと言ったバーラムは「が峰」の麓で船から降りハサンを箱から出したバーラム雄鶏の皮を張った小太鼓を叩くと大きな黒馬が現れ、黒馬は2人乗せて切り立ったが峰」を登り2人頂上置いて消えたバーラムハサンに「ここから逃げられないぞ」と言ったので、ハサンバーラムから小太鼓奪い取り、峰から突き落とし殺した頂上回り切り立っていたが、高原続いていたので、そちらに歩いていくと黄金宮殿があった。 ハサン黄金宮殿に入ると、2人美し乙女薔薇」とその姉「天人花の実」がいたが、「薔薇」はハサン気に入り義弟にすると誓った。そこへ上の姉たち「暁の星」「宵の星」「紅瑪瑙」「エメラルド」「アネモネ」の5人が狩から帰ってきた。7人の姉妹魔神(ジン)の王の娘で、魔神の王は、娘たちを男から隔離し結婚させないために、「が峰」の頂上宮殿に住まわせていたのであった。7人の姉妹はみんなハサン気に入り姉弟のように宮殿暮らしたある日乙女たちは、父である魔神の王の宮殿出かけることになった。「薔薇」はハサンに「留守中どの部屋入って良いが、ただトルコ石の鍵の部屋だけは入ってならないと言い残しハサン一人残して7人の姉妹出て行ったハサン禁じられ部屋が気になって、ついに言い付け破りその部屋入ってしまった。 部屋には梯子があり、屋上まで続いていた。ハサン屋上に出ると、そこは美しい空中庭園で、中央には大きな湖があった。ハサン庭園美しさに見とれていると、突然10羽の大きな白いが湖に舞い降り羽衣脱ぎ捨てると、10人の美し全裸乙女たちになり水浴び始めた水浴びが済むと、10人の中で最も美し乙女が湖に面した玉座に裸のまま座り、他の乙女たちはそれに従ったハサン隠れて玉座に座る乙女を見つめ、恋に落ちてしまった。しばらくすると乙女たちは再び羽衣着ての姿になり飛び立ってしまった。 その日からハサン毎晩空中庭園行ったが、再び乙女たちが来ることはなく、ハサンは恋の苦しみからやつれてしまった。そこに7人の姉妹が父の宮殿から帰って来た。「薔薇」はやつれたハサンを見つけ理由聞くと、ハサン始め言い付け破ったことを恥じて答えなかったが、ついに本当のこと話した。「薔薇」は、乙女座った場所から、その乙女が「薔薇」の父を遥かに上回る魔神大王の7人の娘の末っ子の「耀い姫」であり、毎月新月の日にこの湖に遊びに来ること、姫を捕まえるには羽衣奪い髪の毛掴んで引っ張れ言うことを聞くということハサン教えた次の新月の日、ハサン空中庭園隠れていると、の姿の乙女たち飛来し羽衣脱ぎ水浴び始めたハサンが「耀い姫」の羽衣を奪うと、気付いた「耀い姫」は叫び声上げ驚いたお供乙女たち我先に羽衣取りの姿になって、「耀い姫」を一人残し飛び立って行ってしまった。ハサンは裸の「耀い姫」を追いかけ、髪を掴んで宮殿自分の部屋に連れて行った。「薔薇」ら7人姉妹は「耀い姫」にハサン長所説いて説得しハサン美しい詩を吟じたため、「耀い姫」もハサン長所認め結婚同意した。「薔薇」は「耀い姫」に美しい服を着せ結婚の儀式を行ったハサンと「耀い姫」はそれから40日間愛し合ったが、ハサン残してきた母が気になり、家に帰ることにした。 ハサン魔法小太鼓使い何頭かの馬を呼び出し、「耀い姫」と大量お土産持ってバスラ帰り母と再会したハサンの母は魔神大王王女にはバスラよりバグダードの都の方が良い考えバグダード引っ越し、「耀い姫」はそこでナセルマンスールという双子男の子産んだある日ハサンが「薔薇」に会うため一人出発し留守にしたとき、「耀い姫」が公衆浴場(ハンマーム)に行ったところ、あまりの裸身美しさに都中の女の噂になり、教王カリーファ)ハールーン・アル・ラシードの正后ゾバイダの耳にまで達し、ゾバイダ妃は「耀い姫」を召し出した謁見した「耀い姫」が「空を飛ぶことができる」と言ったので、ゾバイダ妃は見たいと言いハサンの母はしかたなく隠してあった羽衣を「耀い姫」に渡したところ、「耀い姫」は2人の子どもを連れて飛び立ってしまい、「会いたければワク・ワク諸島来てくださいと言い残して消えてしまった。 帰ってきたハサン嘆き悲しみワク・ワク島へ行く方法を聞きに再び「薔薇」の所に行った。しかし、7人の姉妹行き方知らなかったので、長女暁の星」を可愛がっている叔父魔神アブド・アル・カッドゥスに助力頼んだが、彼にも行くことができないであった。そこで、魔神アブド・アル・カッドゥスはハサン乗せて三日三晩空を飛び魔法の馬の洞窟行き魔神「羽の父アリ」の助力を願う手紙ハサン渡しハサン魔法の馬に乗せて送り出した魔法の馬は10日走り続け「羽の父アリ」の洞窟着いた。 「羽の父アリ」は助力応諾するが、ワク・ワク島は、彼でも行くのが困難なであった。「羽の父アリ」は魔神ダハナシュ・ベン・フォルクタッシュを呼び出しハサン連れて途中の「白樟脳の地」まで行くように命じた。「白樟脳の地」に着いたハサン歩き出すが、巨人捕まり巨人族の王に献上され、王から王女下賜された。巨人王女ハサン鳥かご入れハサン男性を玩んだが、ある日ハサン鳥かごから抜け出し、「羽の父アリ」からもらった毛を燃やして彼を呼び出し助けてもらい、ワク・ワク諸島海岸まで連れて行ってもらった。 すると地響き立て恐るべきワク・ワク島の娘子軍の美し乙女騎兵一団がやって来た。ハサン隊長老婆の母」に気に入られ、「輝い姫」を探す協力をしてもらうことになり、娘子軍中に「輝い姫」がいないか調べるため乙女騎兵たちが甲冑脱いで水浴びするところ隠れて見ることになり、娘子軍全ての乙女たち裸身見たが「輝い姫」はいなかった。 老戦士の母」は、「輝い姫」はワク・ワク諸島大魔王の7人の王女一人違いない思い、7人の王女のなかの長女のヌール・アル・フダ姫に助力要請したが、逆に激怒されてしまい、ヌール・アル・フダ姫はハサン捕らえ誰がハサンと関係を結んだ調べるため、ワク・ワク諸島7つの島にそれぞれ住んでいる妹を一人ずつ呼び出した次女から6女までの王女一族尊貴」「一家の幸」「夜の微光」「御空清浄」「白い曙」をそれぞれハサン会わせたが、いずれも「輝い姫」ではなかった。最後に、末の妹「世界飾り」をハサン会わせると、実は「輝い姫」であり、ハサン感激のあまり気絶してしまった。ヌール・アル・フダ姫は、「世界飾り」が人間と関係を結び、さらに夫とした者を捨てて子供逃げ帰ったことに激怒し、「世界飾り」を捕らえハサンを町の外に捨てたハサンが町の外を歩いていると、2人女の子供帽子取り合いをしていたので仲裁し、「今から投げる石を拾ってきた者を帽子持主にしよう」と言い石を投げた。その帽子は体が見えなくなる魔法の帽子で、ハサン帽子を被ると、石を持ち帰った子供ハサン見えずハサンの声に驚き逃げて行ったハサン魔法の帽子被り、ヌール・アル・フダ姫の宮殿に入り、「の母」を見つけ、「輝い姫」を牢から助け出し、「輝い姫」の島の宮殿行きナセルマンスール再会し、3着の羽衣ハサン、「輝い姫」、「の母」が着て2人の子供を抱えて空を飛んでバグダード帰った。彼らはバグダード幸せ暮らし、また年に1回は「が峰」の7人の王女の所に行き再会喜び、幸福のうちに人生送った類似の話:悲しみの美青年の物語 関連項目:羽衣伝説

※この「ハサン・アル・バスリの冒険(第576夜 - 第615夜)」の解説は、「千夜一夜物語のあらすじ」の解説の一部です。
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