悲しみの美青年の物語とは? わかりやすく解説

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悲しみの美青年の物語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 10:08 UTC 版)

千夜一夜物語のあらすじ」の記事における「悲しみの美青年の物語」の解説

青年カブールの王ティグモスの息子で、ジャーンシャーという。ある日狩り出て獲物深追いし青年は、船を川の急流流されて遭難してしまった。たどり着いた岸には上半身下半身まっぷたつにわかれる人肉喰いがいて、一緒に流され白人奴隷のうち三人が喰われてしまう。あわてて逃げ出すと、次についた土地には宮殿がある。中に入る大猿小猿たちがあらわれ青年を王にかつぎあげて隣国グールたちと戦争をはじめるのだったしかたなく戦闘指揮し小休止していると、ある岩にスライマーンよりのメッセージ彫られている。「汝の前に解放のためのふたつの道がある。右の道は短い道だが、魔神どもが棲みつく砂漠越えていかねばならぬ。左の道は四か月にも及ぶ長い道で、「の谷」渓谷抜けて火の山のふもと「ユダヤ人の都」へ出るであろう進路を左にとると、軍団あらわれてどもと戦闘はじめた残っていた白人奴隷もすべてその戦い死に青年ひとりで脱出する。 やがて「ユダヤ人の都」につくが、その町の人々は、なぜか何ひとつ声を出さない身振り手振りカブール行き隊商がないことを知り弱りながら歩いていると、あるユダヤ人が千ディナール女奴隷を報酬仕事請けおう者を探していた。それに応募した青年は、三日間を女奴隷と過ごし四日目の朝、驢馬にのってユダヤ人高い山のふもとに出かけた。ユダヤ人驢馬殺してくりぬき青年をその中に縫い込む。やがて怪鳥あらわれ驢馬入った青年をえさだと思い巣に運ぶので、正体あらわしての上にある宝石を下に投げろ、それがおわった降りてきて共に帰ろう、という指示。しかし宝石投げ終わっていざ降りようしてみると降りられるような道など見あたらないのだ。ユダヤ人青年そのままにして帰ってしまった。 山中を二か月ほどさまようと、宮殿に出る。中には王冠かぶった老人がおり、次のように語る。この宮殿スライマーン建てたもので、自分代官として鳥類統べている。どもは毎年表敬のために集まってくるので、そのとき青年託して帰してやろう、それまで自由にしてよいが、金の鍵で開く部屋にだけは入ってはならぬ。 しかし好奇心起こした青年は、その部屋入ってしまう。中は泉水中心として宝石彩られ美し部屋である。青年見ていると、三羽あらわれ、白い羽をぬぎ捨てて泉に入ると、それらは若く美し乙女の姿変わった。あまりの美しさに心をうたれ、我をわすれてかけよると、乙女たちはふたたび羽を着てにかわる。彼女らは、私たちダイヤモンド宮殿ナスル王の娘である、つきあいいならば宮殿訪ねて来よと言い残して飛び去った老人によると、ナスル魔神首領ひとりであり、まともに訪ねても娘を娶すようなことはないだろう。どうしても彼女ら手に入れたいならば、隠れて羽衣奪え彼女らさまざまな手管返してくれというだろうが、わたしが来るまでけして返してはならぬ青年三人のなかで最も愛らしい末の妹シャムサの衣を奪う。青年衣を返すつもりがないとわかると、シャムサは観念して青年に身をまかせた老人あらわれると、二人結婚の誓いをかわす。シャムサは青年ナスル謁見させ、魔神の国三十日のあいだ祝宴張られた。次に、こんどはカブール報告帰る死んだ思っていた息子が妻を連れて帰ってきたため、父母たいそうよろこび青年とシャムサはそこで幸せ過ごした一年ののち、青年とシャムサは、再度ナスル訪ねようと旅に出た。しかしそれが間違いだったのである旅の途中水浴びのために川に入ったシャムサは、水蛇にかまれて死んでしまったのだ。青年はひどく悲しみ、シャムサの墓の横に、もう一つ自分の墓を作らせた。それがこのふたつの墓である。 類似の話:第三の托鉢僧の話 類似の話:ハサン・アル・バスリの冒険 関連項目:羽衣伝説 ブルキヤは青年をともに連れ帰ろうとするが、頑として動かない。ブルキヤは一人で国へ戻った語り終えたヤムリカ女王ハシブを引きとめるが、母と妻を思い帰宅することにした。ヤムリカ女王は、けして浴場で湯に入ってならないそのことはあなたを死に導くであろう、とハシブ忠告する家に帰ると、母と妻はたいそう喜んだ木樵たちはハシブ謝罪して財産半分ずつを提出するハシブは彼らを許し、それをもとでにして店を開きたいそう繁盛したある日ハシブは、湯屋入浴勧められる強行固辞するハシブ野次馬たちが集まってきて、おもしろがってむりやり湯を浴びせかけた。するとそこに警吏あらわれハシブをひったてて宰相のまえに置く。大臣国王カラズダーンの癩病治すため、万病癒すというヤムリカ女王の乳を探しているのである。ヤムリカ女王地底国行った人間腹の皮黒くなり、その症状は湯につかったときにはじめてあらわれる。そこで大臣は、ふだんから警吏湯屋を見はらせていたのであるハシブ大臣引き立てられ、ヤムリカ女王再会した。ヤムリカは二本の乳をわたし、一本国王快癒のために使い、もう一本はかならず大臣飲みたがるであろうから飲ませよ、とささやく。乳を飲んで国王快癒したのを見た大臣は、ヤムリカの言葉どおり万病予防のため乳をのむ。すると大臣身体みるみるふくらみはじめ、破裂して死んでしまった。 国王ハシブ代わりに宰相の座につけるたくさんの財貨栄誉得たハシブは、ここではじめ読み書き学んだ学問興味をもち始めた彼は、大学者だった父が残したもの知りたがる。すると賢者ダニアルが残した一枚の紙には、こうあった。 「学問なんてむなしいもんだ。絶対的な真理英知もたらすものがいるのだから。それは預言者ムハンマドだ。彼と友人信徒に幸あれ」

※この「悲しみの美青年の物語」の解説は、「千夜一夜物語のあらすじ」の解説の一部です。
「悲しみの美青年の物語」を含む「千夜一夜物語のあらすじ」の記事については、「千夜一夜物語のあらすじ」の概要を参照ください。

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