第三の托鉢僧の話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 10:08 UTC 版)
「千夜一夜物語のあらすじ」の記事における「第三の托鉢僧の話」の解説
私はある国の王子であり、父王カシブの死後、王となった。あるとき領地を巡る船の旅に出たが、嵐で進路を失い「磁石の島」に船は引き寄せられ分解し、私は「磁石の島」に打ち上げられた。すると声が聞こえ、「足元を掘ると弓と3本の矢が見つかるので、それで島の頂上にいる銅の馬に乗る銅の騎士を撃て。すると銅の騎士は海中に落ちるので、弓と矢を足元に埋めよ。島は沈むが、銅の男を乗せた船が通りかかるので、その船に乗り10日の旅の後、救いの海に至る。しかしアラーの名を唱えてはならない。」と告げられた。私はその通りに行動したが、10日目に思わずアラーに感謝の言葉を捧げてしまい、その瞬間銅の男は私を海に投げ捨てた。 私はある無人島に漂着した。私が見ていると、船が来て、土を掘って地中に埋めた階段を開き、食料と美しい少年をその中に残し、階段を再度埋めて、船は去っていった。私は、土を掘り返し、階段を降りたところ、少年は豪商の息子で、占い師から「磁石の島が沈んで40日後に、カシブの息子に殺される」というお告げを聞たので、ここに隠れに来たと話してくれた。私は少年といっしょに地下で暮らしたが、予言の日、私の持った包丁が少年の胸に刺さり、少年は死んでしまう。そこへ少年を迎える豪商の船が来たので、私は隠れた。 海を見ると、引き潮で島と陸が繋がっているのが見えたので、私はそこを渡って陸に逃げた。陸には巨大な真鍮の宮殿があり、そこに左目の潰れた10人の奇妙な若者と一人の老人がいて、老人に左目の理由を聞くと「羊の皮をかぶり露台にいると、ロクという巨鳥が羊と間違えさらって遠い山の上まで連れて行くので、そこで逃げ出し、歩いて黄金の宮殿まで行けば分かる」と言われた。言われたとおりにして黄金の宮殿に入ると、美しい40人の乙女たちがいて、非常な歓待を受け、40人と順番に夜を共にした。ある日、40人の乙女は「40日間宮殿を離れるが、庭の奥の銅の扉だけは開けてはならない」と言い、私だけを残し出かけてしまった。私は40日目に銅の扉を開けてしまうが、中に馬がいて、それにまたがると馬は空を飛び、真鍮の宮殿まで来て、私を落馬させ、そのはずみで私の左目が潰れてしまった。 私は、10人の奇妙な若者と一人の老人と別れ、托鉢僧(カランダール)となり、バグダードまで来た。 類似の話:悲しみの美青年の物語
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