第三の概念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 23:40 UTC 版)
「エンドニムとエクソニム」の記事における「第三の概念」の解説
太平洋・大西洋・インド洋やカリブ海・地中海などの海洋名は一般に外来地名でも内生地名でもないと考えられており、イスラエルの地理学者ナフタリ・カドモン(ヘブライ語版)が二分法(英語版)的分類の両概念の間に位置づけられる第三の概念を示唆したのをはじめ、地名専門家たちの間で第三の概念が示唆・提唱されている。ニュージーランドの地名研究家フィリップ・W・マシューズは、海洋名に関して、地上地名とは異なる性格を持つ別の術語として、「その他の地名」を意味するアロニム(英: allonym)を提案している。また、日本の地理学者の田邉裕は、カドモンが示唆した第三の術語とマシューズの提案したアロニムをまとめて、優先地名(英: toponym precedent)を提案している。これは、海洋名(とりわけ大海洋の公海)が、沿岸諸国の住民ではなく航海者によって命名され、各国語の使用者に翻訳されて定着していった、いわば他の地名に「優先」して国際的に認知された名称であるとの理解に基づく術語である。 カドモンらが述べているように、地名を内生地名と外来地名に二分する考え方には無理がある。それは、海洋名以外に東アジアの歴史的視点を通して考えてみてもいえることである。
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