第三の柱:市場規律
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 19:33 UTC 版)
この柱の目的は、市場参加者が金融機関の自己資本の充実度を評価できるような開示要件を策定することで、自己資本比率規制および監督上の検証プロセスを補完することを目的としている。 情報の共有は投資家、アナリスト、顧客、他の銀行、格付機関などの他者による銀行の評価を促し、良好なコーポレート・ガバナンスにつながることから、市場規律は規制を補完するものとなる。第3の柱の目的は、金融機関に適用範囲、自己資本、リスク・エクスポージャー、リスク評価プロセス、自己資本の充実度などの詳細を開示させることで、市場規律が機能するようにすることである。取締役会を含む上級管理職は金融機関のリスクを同様の手法で評価し、管理していなければならない。 市場参加者は、銀行の活動とそのエクスポージャーを管理するために銀行が実施している統制について理解が十分であれば、銀行組織の良し悪しをよりよく見抜くことができ、慎重にリスクを管理している銀行に報い、そうでない銀行にペナルティを与えることができる。 これらの開示は、少なくとも年2回行うことが求められる。ただし、一般的なリスク管理の目的と方針の概要を示す質的な開示については、年に一度行えばよい。また、金融機関は、何を開示するかについて正式な方針を作成し、これら開示の妥当性や頻度とともに、開示に関する管理を行う必要がある。一般的に、第3の柱に基づく開示は、バーゼルⅡの枠組みが適用される銀行グループの最上位連結レベルに適用される。
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