フィクションにおける磁石の山
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 03:58 UTC 版)
「磁石の山」の記事における「フィクションにおける磁石の山」の解説
磁石の山はフィクションにおいてもしばしば取り上げられている。『千夜一夜物語』では、「荷かつぎ人足と乙女たちとの物語」の中の「第三の托鉢僧の話」(第14夜)で、次のように描かれている。 明日になると、私どもは「磁石の山」と呼ばれる黒い岩の山に着くことでございましょう。そして潮は否応なく私どもをその山の方にひっぱって行って、やがて私どもの船は微塵に粉砕されてしまうでしょう。なぜかと申しますると、船の釘が全部、磁石の山に引き寄せられて飛び去り、山の腹に吸いついてしまうのです。というのは、至高のアッラーはこの磁石の山に秘かな効験を授けたまい、こうしてこの山はおよそ鉄で出来ているあらゆるものをみな自分の方に引きつけてしまうからでございます! このほか、12世紀のペトラルカの詩にも、インドにあるという磁石の山の記述がある。また、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテが1774年に発表した『若きウェルテルの悩み』にも、主人公が、祖母に聞かされた、船が近づくと金具や釘が吸われてしまうという磁石の山の話を思い出す場面があるが、この山がある場所については言及されていない。ジュール・ヴェルヌの『氷のスフィンクス』にも磁石の山が登場するが、場所は南極大陸となっている。これは、南極が当時残された数少ない未知の世界だったからだと考えられる。
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