フィクションにおける美幾とは? わかりやすく解説

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フィクションにおける美幾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 02:27 UTC 版)

美幾」の記事における「フィクションにおける美幾」の解説

小説家渡辺淳一は、1973年昭和48年)に当時順天堂大学教授務めていた小川鼎三から、日本における志願解剖第1号吉原遊女であったという話を聞いた渡辺当初、何かの記録違いではないか思い即座に信用できなかったというが、小川美幾の名と念速寺墓地のことまでを渡辺教えたそれ以来渡辺美幾存在に強い興味覚えようになった渡辺同年12月念速寺訪問した。墓に詣で住職から美幾についての話を聞き、自らの医学生時代実習年若い女性死体解剖当たった体験などとと重ね合わせつつイメージ育て上げていった。 渡辺美幾生涯題材に、小説白き旅立ち』を書き上げて小説新潮1974年3月号から5月号にかけて連載した。この作品中では、宇都宮鉱之進美幾馴染み客として描かれた。美幾宇都宮から解剖についての知識得て、後に労咳悪化した後に彼の縁で小石川養生所入院し篤志解剖申請手続き円滑に行われたこととされた。作中美幾養生所出会った滝川長安という若き医師密かに想い寄せ、彼が解剖こそ日本医学発展不可欠だ説いているのを聞き死後に自らの体を提供する約束をした後に生涯終えている。 『白き旅立ち』について詩人文芸評論家郷原宏は「伝記小説秀作」と評し美幾のことを「作者ペンによって発見され発掘されヒロインである」と記述した郷原はさらに「篇中至るところ医学文学の最も理想的な協調を見い出すことができる」と高い評価与えた吉村昭小説刺青』は、美幾の腕に刻まれていたという刺青から題を得ている。吉村美幾解剖立ち会った医学者石黒忠悳の子孫から当時日記見せてもらう機会得た石黒日記中に彼女の腕に小枝描いた刺青があったとの記載見つけた吉村は、そのこと衝撃受けた旨を記述している。 この小説は、宇都宮鉱之進1868年明治元年11月医学所宛て自身献体願い書提出するころから始まり最後解剖され人々慰霊のため1881年明治14年)に建立され谷中墓地内にある千人塚場面で終わる。小説内では、美幾解剖時に執刀となった人物田口和美(たぐち かずよし、後に東京大学医学部解剖学の初代教授となった)、説明となった人物桐原真節(きりはら しんせつ、後に東京大学附属病院初代院長務めた)としている。 『刺青』は、あとがき作者吉村述べているとおり、日本での初期解剖歴史主題としている。美幾のことについては、東京大学医学部解剖学教室取り扱った解剖歴史的事実捉えて小説化した。吉村美幾のことを、小川後任に当たる順天堂大学教授酒井シヅから教示されたと小説あとがき述べている<。 2004年公開され塚本晋也映画ヴィタール』は、人間肉体意識あるいは魂の関連取り上げた作品である。映画主人公人体解剖耽溺する記憶喪失医学生高木浅野忠信)にはレオナルド・ダ・ヴィンチ高木幻想中に繰り返して現れるヒロイン涼子柄本奈美)には美幾イメージそれぞれ投影されているという。

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