黒人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 07:19 UTC 版)
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過去の形質人類学でいうネグロイドと同義に用いられる。ただし、ネグロイド以外にも肌の色が濃いオーストラロイドを含めて「黒人」と呼ぶことも多い。いずれも文化的・社会的・政治的に形成され、便宜的に使用される用語であり、生物学的分類として有効な概念ではない。[1]
各地の黒人
日本
日本で、黒人の記録が見えるようになったのは、戦国時代のことである。当時、南蛮人と呼ばれたヨーロッパ人は、従者として東南アジアやアフリカの者を日本に連れてきていた。その数は決して少ないものではなかったとされる。天正遣欧少年使節がアフリカに赴いた時、一行は「今迄にもあの黒い者らが我々の方へ渡つて来るのを沢山に見た事はあるが」との感想を残している。当時、東南アジア人やアフリカ人は、肌が黒い人として、まとめて「黒坊」などと呼ばれていた[2]。
戦国時代にイエズス会巡察師アレッサンドロ・ヴァリニャーノが連れて来たモザンビーク出身の黒人奴隷は弥助の名で織田信長が家臣に取り立てた。
アメリカ合衆国
アメリカ合衆国では、「黒人」の同義語(あるいは政治的に正しい言い換え)として「アフリカ系 (African)」が使われる。この語は通常、「アフリカに出自を持つ」という文字どおりの意味では使われない。たとえば、北アフリカのアラブ人やベルベル人を祖先とする者はアフリカ系ではない。
アメリカ合衆国では、「黒人」も「アフリカ系」も、単に人種的特徴を表すにとどまらず、奴隷の子孫という歴史と文化を共有した民族集団としての側面も持つ。 デブラ・ディッカーソンは、「黒人[3]」や「アフリカ系[4]」という語は、奴隷とその子孫に限定すべきだと主張している。したがって彼女の定義によれば、黒人初のアメリカ大統領であるバラク・オバマは黒人ではない[3][5]。
1967年まで、いくつかの州では、先祖に一人でも黒人がいる者は黒人であるとする「ワンドロップ・ルール」があった[6]。黒人と白人のハーフであるバラク・オバマやハル・ベリー、黒人のクォーターにすぎないタイガー・ウッズなどが黒人とみなされるのもこの影響があるとされる[7]。
オーストラリア
オーストラリアにはネグロイドはほとんどいないが、先住民(アボリジニとトレス海峡諸島民)が黒人と呼ばれることがある[8]。
関連項目
- ^ ブルーメンバッハは、黒色人種を、白色人種・黄色人種 ・赤色人種・褐色人種と並ぶ5人種の1つに位置づけた。白人以外の人種を総称して有色人種 (colored) と呼ぶことがある。いずれも肌の色や骨格など、人間の身体の表面的特徴と当時の一般的な民族区分に基づいて行われた人種分類であり、現在ではその科学的有効性は否定されている。京都大学人文科学研究所ウェブサイトより、NHKラジオ第一放送、2002年10月11日放送、竹沢泰子助教授(当時)へのインタビュー。 http://oldwww.zinbun.kyoto-u.ac.jp/conference/nhk.html
- ^ “アフリカの日本、日本のアフリカ 第2章 日本に渡ったアフリカ人”. 国立国会図書館. 2019年10月21日閲覧。
- ^ a b Debra J. Dickerson (January 22, 2007). Colorblind – Barack Obama would be the great black hope in the next presidential race – if he were actually black. salon.com. オリジナルの24 September 2010時点におけるアーカイブ。 2010年10月7日閲覧。.
- ^ Debra Dickerson - The Colbert Report - 2/8/07 - Video Clip | Comedy Central
- ^ Debra Dickerson (2007年2月8日). “The Colbert Report”. colbertnation.com. 2010年10月7日閲覧。
- ^ One drop of blood
- ^ ‘One-Drop Rule’ Appears to Persist for Biracial Individuals | Harvard University Faculty of Arts and Sciences
- ^ 『リーダーズ英和辞典』(初版 1984)「black」
黑人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 06:21 UTC 版)
黑人(拼音: ,字義通り黒人の意)は、ニューヨークを拠点とする多国籍企業コルゲート・パーモリーブ傘下のホウリー&ヘイゼルがDarkie(のちにDarlie)の英語名で販売している歯磨き粉である。アジアでは2010年代以降もこの商品名のまま発売されている。
- ^ a b c Stone Fish, Isaac (2010年11月30日). “Back to the Days of Blackface”. Newsweek
- ^ “Darkie drops offensive name and logo” (JPEG). Straits Times: p. 6. (1989年1月29日)
- ^ hkcfphobia (2007年8月1日). “【HKTVC】Darlie 黑人牙膏 1990/20sec”. YouTube. 2013年10月29日閲覧。
- ^ “'Darkie' toothpaste puts company in a squeeze”. Baltimore Afro-American. (1986年3月1日) 2015年12月4日閲覧。
- ^ 英国放送協会. “「黒人歯磨き粉」の中国語名とロゴを見直し 米日用品大手”. BBC News. 2020年6月21日閲覧。
- ^ McCarthy, Todd (2004年3月9日). “Review: ‘C.S.A.: The Confederate States of America’”. Variety 2013年10月29日閲覧。
- ^ http://www.darlie.com.hk/en/toothpaste/darlie-junior
- ^ Whiting, Kenneth L. (1989年4月17日). “Darkie Toothpaste Changes Name”. Associated Press. Singapore. オリジナルの2013年10月30日時点におけるアーカイブ。 2013年10月29日閲覧。
黒人と同じ種類の言葉
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