首相 首相の概要

首相

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/23 03:48 UTC 版)

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日本内閣総理大臣の通称の一つ[1]イギリスの"Prime Minister"[2]フランスの"Premier ministre"[3]ドイツの"Bundeskanzler"[4]ロシアの"Председатель Правительства"(政府議長)[5]中国の"国务院总理"(国務院総理)[6]韓国の"국무총리"(国務総理)[7]などの日本語訳の一つ。

「首相」という単語について

閣僚の首席の名称は各国においてそれぞれ異なり(後述)、一部は「首相」以外の日本語訳が用いられることもあるが、それらの通称・普通名詞として首相が使われる。

日本の内閣の首長は、正式には「内閣総理大臣」(ないかくそうりだいじん)という。首相という呼称は日本の法体系に基づく正式な用語ではなく、法令では一切使用されていない。一方、マスメディア報道など社会的には内閣総理大臣を指す慣用的な呼称として定着している。

現在のベトナムでは、漢字語「首相」のベトナム語読みである「Thủ tướng」が首席閣僚の官名として用いられている。またかつての北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)でも、首相の朝鮮語読み「수상(ラテン文字:susang)」が政府の長の官名として用いられていた。

類似した語に「宰相(さいしょう)」[8]があるが、これは秦の官制に由来する呼称で原意は「君主から特に親任されて王家(帝室)を司り、宮廷で国政を補佐する者」である。宰相が複数存在する体制においては、その中の首席宰相を略して「首相」と称する場合があるが(北宋王安石など)、いずれにせよ近代以降の首相とは意味が違うものである。日本語においては明治以来、宰相もまた首相と同じく慣用的な呼称にすぎず、「首相」と「宰相」の区別はほとんどの場合、詩文的修飾の差異であり、大物政治家としての内閣総理大臣を表現する際に重みを出すために、あるいは「国政を司った(有能な)人物」という敬意を表現するために、「宰相」と修飾的に呼ぶ程度の区別である。

解説

前近代より、多くの国で君主を補佐する役職が置かれた。

近代の議院内閣制における史上最初の首相は、イギリスハノーヴァー朝における第一大蔵卿ロバート・ウォルポールであるとされる。ハノーヴァー朝初代国王ジョージ1世はドイツ人だったため英語が全く読み書きできず、ウォルポールに内政外交全ての政策決定権を委託した。これが、国家元首である君主が「君臨すれども統治せず」という立憲君主制議院内閣制による民主主義政治システムの構築の始まりとされる。


  1. ^ a b デジタル大辞泉「首相」
  2. ^ “ジョンソン英首相、「違うやり方もあったかもしれない」 新型コロナウイルス対策”. BBC. (2020年7月25日). https://www.bbc.com/japanese/53535116 2020年8月21日閲覧。 
  3. ^ 秦郁彦 2001, p. 299.
  4. ^ 秦郁彦 2001, p. 341.
  5. ^ 秦郁彦 2001, p. 473.
  6. ^ “中国の李克強首相、武漢を訪問=声明”. 朝日新聞. (2020年1月27日). http://www.asahi.com/international/reuters/CRWKBN1ZQ09H.html 2020年8月21日閲覧。 
  7. ^ 秦郁彦 2001, p. 126.
  8. ^ 宰は「つかさどり、きりもりし、おさめる」意味で「首(head)」とは意図する表意が異なる。の時代に編纂された事物紀原には「昔周公位冢宰、正百官以相成王、故有'宰相'之稱、其事自秦漢始」とある。天子をたすけて政治を行う最高官、天子を輔相し、天下を宰制する意味(出典:KO字源[1]:「宰」)
  9. ^ 例えば日本の場合、国賓と公賓の接遇に違いがあり、国賓としての接遇はおおむね対象国あたり10年に1度であるため、来日する元首が国王である場合、国賓として迎えることができるように来日日程を調整することが多い。一方で、大統領など実務的な訪問賓客の場合は、来日頻度や日程により「国賓」「公賓」の接遇様式が異なる場合がある(詳細は要人を参照)。 一方、外国の首相が訪日する場合は「公賓」又は実務訪問賓客等として接遇する。「国賓」は宮中で晩餐会、「公賓」は午餐となるのが慣例(詳細は要人を参照)。アメリカ合衆国の場合は大統領府(ホワイトハウス)で晩餐会を主宰する際、元首のときはホワイトタイ(燕尾服)、首相のときはブラックタイ(タキシード)を着るのが慣例である[要出典]
  10. ^ [2]原水爆実験禁止問題に関するマクラミン英首相宛ての岸信介首相書簡
  11. ^ ドイツ語では帝国時代からナチス時代まで呼称は同じだが、日本語では帝国時代やナチス時代の首相は「帝国宰相」と訳し分けることがある[要出典]


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