エイコサペンタエン酸 研究

エイコサペンタエン酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/12 20:33 UTC 版)

研究

基礎研究で脂質代謝血液凝固異常の改善が認められた[注釈 1]。1日4グラム以下のEPA、DHAの摂取により、LDLコレステロール値5%–10%、中性脂肪値が25%–30%低下した[要出典]。神戸大学の研究では、1日2700ミリグラムのEPAを8週間投与することにより本態性高血圧患者の収縮期血圧が低下した[要出典]

また認知症患者への投与で認知機能の改善、手術前のアルギニンなどとの併用投与で、感染症予防、創傷の治癒促進の報告がされている[4]が、確たる再現性は認められていない[5]

大規模臨床試験「JELIS」において、EPAは冠動脈疾患を優位に予防したと報告された[6]

EPAはHDLの酸化を抑制する[7]。 また、EPAは機能不全なHDLを機能的なHDLへと変換する。[8]


1970年代のデンマーク本土白人とグリーンランド島原住民イヌイットを比較したダイアベルグらの疫学研究で、イヌイットの心筋梗塞死亡率が著しく低いという報告が注目された。極端な肉食(アザラシ食)であるイヌイットの血中脂質レベルが低い結果や、EPAの豊富な食生活との関連が示された。その後、イヌイット、イヌイット(本土に移住)、白人の血中脂肪酸組成の詳細な分析の結果、血液中のEPAに特異な差があり心筋梗塞の予防への関与が結論づけられた。それ以降もEPAの様々な機能が解明され、現在では治療にも応用されている[9][10][11]


注釈

  1. ^ 糖代謝異常の改善にも効果があることが明らかとなった。
    及川眞一 (JELIS Investigators)、セッション Late Breaking Clinical Trials II、第72回日本循環器学会総会、2008年3月29日。 - 水田吉彦「糖代謝異常の主要冠動脈イベントリスクもEPAで2割減」JCS2008『日経メディカル』、2008-04-01。

出典

  1. ^ Drug Bank
  2. ^ 脂肪酸の不飽和化と鎖長延長、木村 修一、油化学、1971年 20巻 10号 p. 670-677, doi:10.5650/jos1956.20.670
  3. ^ 岡田斉、萩谷久美子、石原俊一ほか「Omega-3多価不飽和脂肪酸の摂取とうつを中心とした精神的健康との関連性について探索的検討-最近の研究動向のレビューを中心に」『人間科学研究』第30巻、2008年、 87–96。
  4. ^ 蒲原聖可 『サプリメント事典』平凡社、2004年、194–195頁。ISBN 978-4582127263 
  5. ^ DHA・EPA - 疑似科学とされるものの科学性評定サイト”. 明治大学科学コミュニケーション研究所. 2017年9月2日閲覧。
  6. ^ Yokoyama, M.; Origasa, H.; Matsuzaki, M. et al. (2007). “Effects of eicosapentaenoic acid on major coronary events in hypercholesterolaemic patients (JELIS): a randomised open-label, blinded endpoint analysis”. Lancet 369 (9567): 1090–1098. doi:10.1016/S0140-6736(07)60527-3. PMID 17398308. 
  7. ^ “Eicosapentaenoic acid inhibits oxidation of high density lipoprotein particles in a manner distinct from docosahexaenoic acid”. Biochemical and Biophysical Research Communications 496 (2). (2018). doi:10.1016/j.bbrc.2018.01.062. 
  8. ^ “Administration of high dose eicosapentaenoic acid enhances anti-inflammatory properties of high-density lipoprotein in Japanese patients with dyslipidemia”. Atherosclerosis 237 (4). (2014). doi:10.1016/j.atherosclerosis.2014.10.011. PMID 25463091. 
  9. ^ DHA・EPA」- 疑似科学とされるものの科学性評定サイト
  10. ^ EPAが注目された理由」 - 持田製薬「エパデール」
  11. ^ グリーンランド人の急性心筋梗塞の発症に関する仮説
  12. ^ Quinn, J. F.; Raman, R.; Thomas, R. G. et al. (November 2010). “Docosahexaenoic acid supplementation and cognitive decline in Alzheimer disease: a randomized trial”. JAMA 304 (17): 1903–1911. doi:10.1001/jama.2010.1510. PMC 3259852. PMID 21045096. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3259852/. 
  13. ^ Ishiguro, J.; Tada, T.; Ogihara, T.; Ohzawa, N.; Murakami, K.; Kosuzume, H. (1988). “Metabolic Disposition of Ethyl Eicosapentaenoate and Its Metabolites in Rats and Dogs”. Journal of pharmacobio-dynamics 11 (4): 251–261. NAID 110003636862. 
  14. ^ 高橋尚子、ラットにおける n-3 および n-6 系多価不飽和脂肪酸の生理作用に関する研究((修士論文) 2008年
  15. ^ 健全な神経発達の為に新生児の血液脳関門がもつ機能性脂質供給ルート解明と投与設計」 研究期間2008年度~2009年度 (科学研究費助成事業データベース)
  16. ^ a b ケトン体合成”. 講義資料. 福岡大学機能生物化学研究室. 2011年10月18日閲覧。
  17. ^ 太田成男 「体が若くなる技術」Q&A Q4
  18. ^ Jess Halliday (12/01/2007). Water 4 to introduce algae DHA/EPA as food ingredient. Retrieved on 2007-02-09.
  19. ^ Simopoulos, Artemis P (2002). “Omega-3 fatty acids in wild plants, nuts and seeds”. Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition 11 (s6): S163–S173. doi:10.1046/j.1440-6047.11.s.6.5.x. ISSN 0964-7058. 


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