株価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 15:11 UTC 版)

株価(かぶか、イギリス英語: share prices、アメリカ英語: stock prices)とは、当該の株式に関して、株式市場において実際に約定があった価格のこと。出来値[1]。
なお、「売り注文」または「買い注文」として、売り手や買い手から希望の値段が一方的に提示されたものの、実際には約定に至らない値段のことは「
株価の変動
株価は一般に、株式市場が開いている間は、様々なものごとの影響を受けて変動する。基本的には、長期的にも短期的にも、また1日の内でも株価は変動しうる。
株価は一般に、長期的にも、短期的にも、また1日の内でも変動し、様々な値をとる。理論的には売買が成立したすべての価格の数値が株価であり、(現代では、市場のサーバのデータベースに残された記録の形で存在し)大量の数字の羅列となりうるもので、変動を続けるその株価を、数字の羅列を避けて視覚的に表す場合は一般に、複雑に波打ったグラフの形で表現されることになる。
ある1日の株価に焦点を当てた場合は、当該日に市場が開いてから最初に取引された株価は
なお、証券取引所内で売買取引をする際の株価を呼び値とも表現する。株価は、呼び値単位を最小単位として変動する。
もともとは株価は上方にも下方にも自由に変動しうるものだったが、株式市場の運営者によっては、「あまりにも急速な変動は好ましくない」「市場参加者にパニックが起きることは防止したほうが良い」などと考え、1日に変動できる株価が一定の範囲に制限している市場もある。この場合の制限が値幅制限で、株価が値幅制限の限界まで暴騰・暴落することをそれぞれストップ高・ストップ安という(ただし、株式が上場された初日において、始値が決定されるまでの間には値幅制限がない)。
日本の株式市場における株価の決定方式は、大きく2つに分けることができる。一つは「オークション方式」といい、売買当事者が希望する価格と数量を証券取引所に告げることにより、証券取引所側で約定を行うもので、日本では一般に使用されている決定方式である。もう一つは「マーケットメイク方式」といい、マーケットメイカーとなった証券会社が、確実に成立する気配値を出して売り方と買い方を募るもので、日本ではごく一部の銘柄において採用されている方式である。
株価の変動の要因
株価を動かすような要因を材料といい、直接的に株価に影響を及ぼす内部要因と間接的に株価に影響を及ぼす外部要因がある[2]。
株価変動の内部要因は、株式数の増加や減少などによって株式の需給に直接的に影響するものであり、代表例として、増資、株式の分割、株式の消却、株式の持ち合いの解消、などがある[3]。
- 株式の分割は理論上は発行した株式が増加するとともに分割比率に比例して1株当たりの価値は低下するのであるが、個人投資家が株式を買いやすくなるため2000年代前半には株式の分割の発表後に株価が急騰するケースがみられた[4]。
- 自社株買い(さらに株式の消却)は市場に流通する株式数が減少するため1株当たりの利益は上昇するが、余剰金を取り崩して購入に当てるため理論上は株価に中立といわれている[5]。しかし、株式の需要と供給の関係をみれば株価は上昇しやすくなると考えられることから自社株買いを行う企業も少なくない[5]。しかし、2000年代の世界的な金融危機の後、事業資金を多く確保しておきたいという会社が増えており自社株買いに慎重な状況もみられる[5]。
一方、株価変動の外部要因は株価の形成に間接的に影響を及ぼしているものであり、会社の内部からもたらされる要因(企業業績の状態、新製品の開発・発表・発売、企業の合併や買収、リストラ、企業の不祥事など)と会社の外部からもたらされる要因(株価指数、金利や為替・物価などの変動、国外での戦争・政変、自然災害の発生など)がある[3]。
株価の形成には様々な要因が絡まっており、そのメカニズムは極めて複雑である[2]。株価決定の最大の要因は企業業績で、好調な企業の株価は上がり、不調な企業の株価は下がるとされているが、実際の相場では、好調な業績が発表されても投資家がこれ以上の成長は期待できない(好材料が出つくした)と判断すれば、売りが優勢となり株価は下落する[2]。反対に業績の悪化が発表されても投資家がこれ以上の業績の低下はない(悪材料が出つくした)と判断すれば、買いが優勢となり株価は上昇する[2]。このように将来の企業業績などを織り込みながら株価が将来を先取りして変動することを株価の先見性という[2]。
金融市場のグローバル化やIT化により世界中の株式市場が連鎖的に反応することも多くなっている[6]。
株価の変動の表現
株価の変動を、視覚的に把握するための図のことを罫線表(チャート)と呼ぶ。米国ではもともとは主としてスティックチャート(縦長の棒に小さな横線が入ったもの)ばかりが用いられていた。(が、後に日本のローソク足の存在やその利便性がアメリカ人にも広く知られるようになり、米国ではそれも広まった。)日本では、四本値をローソク足(ある期間内で、始値に対して終値が相対的に上げたか下げたかが色で直感的に分かるもの)が最も普及しており、スティックチャートはほとんど用いられない。各国の投資家が株価を上手く予想しようと、ある期間内の四本値だけでなく、前後の値の影響も組み込んだ様々なチャート、テクニカル分析を開発した。例えば「一目均衡表」などである。
株価にまつわるモデルや理論
- ランダムウォーク - 以前はしばしば理論を研究しようとする学者などにより「株価はランダムウォークとして動き、短期・中期・長期に関わらず常に予測不能な動きを示す」とも説明(主張)されていた。
- フラクタル - 大局的にも局所的にも同じような動き方をする。
- カオス - 時間が経過するに連れて観測誤差の影響が増大し、未来予測が成り立たなくなる。
株価指数

特定の市場全体の動向を把握するために、その市場で売買される複数の銘柄の株価を元に算出した値が株価指数である。特に著名なものとしては、米国のダウ平均株価、英国のFTSE100種総合株価指数、ドイツ株価指数などが挙げられる。日本国内市場の指数としては東証株価指数(TOPIX)や日経平均株価(日経225)などが有名である。
脚注
注釈
出典
関連項目
株価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/15 09:31 UTC 版)
ドバイの発表を受けた25日の欧州の株式市場では、ドバイ向け融資の返済が滞る懸念から金融機関の業績不振が危惧され株が下落し、翌26日から日本の株価も下落した。日本のゼネコンがドバイに持つ債権の回収に危惧が抱かれたほか、国内に有望な大規模工事がなく海外に市場を求めた戦略が不安視された。また、円高で輸出企業の業績が悪化する懸念から日経平均株価は27日に300円下落した。米国市場は26日が休日で翌27日に下落した。ドバイ証券取引所は26・27日が祝日で、週明け再開時に下落した。なお、週明けの東京、ニューヨークの株式市場は反発した。
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株価
「株価」の例文・使い方・用例・文例
- ニューヨーク株式市場の株価大暴落
- もうすぐ株価は安定するだろうと推定されている
- 株価は今までの最安値である
- 株価が急に下がった
- 株価が急落した
- 突然の株価の急騰と暴落が市場に混乱を引き起こした
- テロの発生が株価を下げた
- 株価
- 株価市場の上昇気運
- 我が社の株価は昨年末以来、緩やかに上昇を続けています。
- 当時、その国の投資家たちはよだれをたらして株価の上昇を喜んでいた。
- あの会社はまだ株価は低いものの、堅固な顧客基盤を有するいわゆる「スリーピングビューティー」だ。
- ヘッドアンドショルダーズは投資家にとって最も信頼度の高いフォーメーション(株価動向)のひとつだ。
- ベータ値は市場に関連して株価の予想変動率を測る標準的な指標だ。
- 現行の世界的経済情勢により、ヒストリカルボラティリティは企業の株価を予測できることもあるし、できないこともある。
- 株価はこの数日下げ滑りが続いている。
- 株価キャッシュフロー倍率を用いて海外の会社と比較する
- 株価維持政策とは、大幅下落した株価を支えるために1992年に制定された政策です。
- 私は、株価格付け情報を参考に投資判断をします。
- 株価指数オプション取引では、買方は、オプション料を売方に支払うことで権利を取得する。
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