2018年の打ち上げ
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「ファルコン9の打ち上げ一覧」の記事における「2018年の打ち上げ」の解説
Flight No.打上げ日時(UTC)形式射場搭載物搭載物の重量目標軌道荷主打ち上げ結果着陸結果472018年1月8日01:00 Falcon 9 Block 4 B1043.1 CCAFS SLC-40 Zuma 機密 LEO ノースロップ・グラマン (政府機関の依頼) 成功 (※衛星は分離後軌道に乗らず) 成功 (陸上) フェアリングに問題が見つかり、打ち上げが2ヵ月近く延期されていた。打ち上げには成功したが、衛星が2段目から分離できなかったのではないかという噂があるが、スペースXはロケットは正常に動作したと発表を出した。この衛星は軍事用と思われ、その性質上正確な情報がほとんど発表されないため真相は不明である。1段目のブースターは17回目の回収に成功した。 482018年1月31日21:25 Falcon 9 Full Thrust♺ B1032.2 CCAFS SLC-40 GovSat-1 / SES-16 4,230kg GTO SES 成功 成功 (海への着水) 2017年5月にNROL-76を打ち上げた1段目を再利用した。3機の主エンジンを使用した海上着水実験に成功したが、1段目は沈没せずにそのまま残ってしまったため、破壊して沈没させた。 FH 12018年2月6日20:45 Falcon Heavy coreB1033 KSC LC-39A SpaceX社CEOのテスラ・ロードスター(※電気自動車) 1,250kg 太陽周回軌道0.99–1.67AU (ほぼ火星遷移軌道) SpaceX 成功 失敗 (無人船) B1023.2 (side) ♺ 成功 (陸上) B1025.2 (side) ♺ 成功 (陸上) ファルコンヘビーの初打ち上げ。Thaicom8およびCRS-9の打ち上げで回収した1段目をサイドブースターとして再使用した。打ち上げは成功し、サイドブースターは2本同時に着陸に成功したが、中央コアのドローン船への着陸はTEA-TEB化学点火装置が使い果たされ、2つの主エンジンの再点火に失敗したため無人船近くの海上に落下して失敗した。その時に無人船に損傷を与えてしまった。今回の打ち上げは試験目的のため衛星等は積み込まず、積み荷はスペースX社のCEOであるイーロン・マスクが保有するテスラ・ロードスター(マスクはテスラ社のCEOでもある)と、宇宙服を着せた人形が載せられた。打ち上げ前の1月24日に行われた発射台上でのエンジン点火試験では、初めてロケット3基分の27個のエンジンが一斉に点火された。これは開発中止されたロシアのN-1に迫る非常に多いエンジン数である。第二ステージの後、火星遷移軌道への最終燃焼を行い、イーロン・マスクは3回目の燃焼が成功したとツイートした。ペイロードはヴァン・アレン帯の中を6時間かけて通過し火星へ向けて順調に飛行した。インターネット上での生配信はYouTubeで史上2番目に視聴された生配信となり、同時視聴数は230万以上に達した。分離されたテスラ・ロードスターに搭載されたカメラからは地球をバックに遠ざかる様子が映し出された。 492018年2月22日14:17 Falcon 9 Full Thrust♺ B1038.2 VAFB SLC-4E Paz(英語版) /Tintin 2,150kg SSO Hisdesat exactEarth SpaceX 成功 実施無し フル・スラスト(ブロック3)の最後の打ち上げ。Formosat-5打ち上げに使用した1段目を再利用した。Paz(スペイン語で平和)は、ドイツの衛星と共同で運営されるスペイン初の偵察衛星である。積み荷には副ペイロードとして、2台のSpaceX社の衛星通信ネットワーク試験衛星が積まれており、これらは低軌道へ投入された。この1段目には着陸用の装備は搭載されず、海上に落下して消費された。また、フェアリング(2つで600万ドル相当)の回収も試験され、フェアリング2.0と呼ばれる誘導システムとスラスタ、パラフォイルを装備したフェアリングが搭載された。船の上に網を装備したMr. Steven号と呼ばれる有人船による回収が試験されたが、船から数100m離れた位置へ軟着水したため回収は成功したが直接捕まえることはできなかった。 502018年3月6日05:33 Falcon 9 Block 4 B1044 CCAFS SLC-40 Hispasat 30W-6 6,092kg GTO HispasatNovaWurks 成功 実施無し 積み荷はスペインの通信衛星。SpaceXによって現在までに打ち上げられた最大の衛星で、「ほぼバスのサイズ」とされる。1段目は無人船への着陸が計画されたが、気象条件が悪いため実施されなかった。打ち上げ日程の遅延を防ぐためと、フェアリング内の加圧と3月1日にアトラスV によって打ち上げられたGOES-Sとの軌道の競合に関する懸念があったことから、回収の予定はないが着陸脚とチタン製のグリッドフィンは搭載されたまま打ち上げられた。 512018年3月30日14:14 Falcon 9 Block 4 ♺ B1041.2 VAFB SLC-4E Iridium NEXT 41–50 9,600kg 極軌道のLEO イリジウムコミュニケーションズ 成功 実施無し 5回目のイリジウムNEXTの打ち上げ。3回目のイリジウムNEXTの打ち上げに使用した1段目を改装して使用した。最新の再点火エンジンを搭載し、より多くの打ち上げで1段目を回収できるようにするための試験が行われた。また、海上でMr. Stevenを使ってフェアリングの半分を捕まえる2回目の試験を行ったが、パラフォイルがねじれてしまい上手く捕まえることができなかった。 522018年4月2日20:30 Falcon 9 Block 4 ♺ B1039.2 CCAFS SLC-40 SpaceX CRS-14(Dragon C110.2 ♺) 2,647kg LEO (ISS) NASA 成功 実施無し この打上げでは、CRS-12で使用された1段目を改装したものと、CRS-8で使用されたドラゴンを改装したものを使用した。ドラゴンの外部ペイロードにはISSで使用する、材料研究プラットフォームMISSE-FF、ロボット給油ミッションTSIS、ASIMヘリオフィジックスセンサー、宇宙ゴミ除去実験装置等が積まれた。1段目は使い捨てにされ、ドラゴンの大気圏再突入では多くのデータを収集した。また、コスタリカ初の衛星ProjectIrazúとケニア初の衛星1KUNS-PFも同時に打ち上げられた。 532018年4月18日22:51 Falcon 9 Block 4 B1045.1 CCAFS SLC-40 TESS 362kg HEO NASA 成功 成功(無人船) NASAの重要な科学ミッションの第一段。TESSは太陽系外惑星の広域探索を目的とした宇宙望遠鏡で、SpaceXにとっては地球観測を目的としない科学衛星の初めての打ち上げとなった。2段目で衛星は長楕円軌道に投入され、その後は衛星自身のブースターで加速して、月フライバイ等の複雑な制御を行った後、2か月後には月と2:1の軌道共鳴に入る。2018年1月にFalcon 9 Full Thrustは今回のようなNASAの「中リスク」ミッションを担当するために必要な「Launch Services Program Category 2認証」を取得していた。新造ブロック4の最後の打ち上げとなり、1段目は24回目の回収に成功した。また、フェアリング回収のための海上への着水実験が行われた。 542018年5月11日20:14 Falcon 9 Block 5 B1046.1 KSC LC-39A Bangabandhu-1 3,600kg GTO タレス・アレーニア・スペースバングラデシュ電気通信規制委員会(BTRC) 成功 成功(無人船) 最初のブロック5の打ち上げ。最初の積み荷は2017年12月にアリアン5で打ち上げを予定していた、タレス・アレーニア・スペース製のバングラデシュ初の商業衛星(衛星通信サービス用)となった。1段目は25回目の回収に成功した。 552018年5月22日19:47 Falcon 9 Block 4 ♺ B1043.2 VAFB SLC-4E Iridium NEXT 51–55 GRACE-FO 1, 2 6,460kg 極軌道のLEO イリジウムコミュニケーションズGFZ • NASA 成功 実施無し 6回目のイリジウムNEXTの打ち上げ。Zumaを打ち上げた1段目を再使用した。1段目の再利用間隔は4.5ヶ月の新記録であった。GFZは、2015年にGRACE-FOのウクライナのドニエプルよる打ち上げ契約が解除された後、Falcon 9によるイリジウムの打ち上げにライドシェアをするように手配していた。イリジウムのCEO Matt Deschは、2017年9月にGRACE-FOがこのミッションで打ち上げられると発表していた。 562018年6月4日04:45 Falcon 9 Block 4 ♺ B1040.2 CCAFS SLC-40 SES-12 5,384 kg GTO SES 成功 実施無し SES-8と同じく中東やアジア太平洋地域にサービスを提供する通信衛星を打ち上げた。SESの最大の衛星だった。第1段ロケットはブロック4が用いられたが、GTOに衛星を乗せるために第2段ロケットにはブロック5が用いられた。 572018年6月29日09:42 Falcon 9 Block 4 ♺ B1045.2 CCAFS SLC-40 SpaceX CRS-15(Dragon C111.2 ♺) 2,697 kg LEO (ISS) NASA 成功 実施無し MISSE-FF 2、ECOSTRESS、Latching End Effector、Birds-2などをペイロードとしてISSに輸送した。使用されたブースターは4月のTESSの打ち上げで使用されてから2か月半しか経過しておらず、当時の記録であった4か月半を大幅に更新した。ブロック4ブースターは今回で最後の使用となり、大西洋に落下させて廃棄された。 582018年7月22日05:50 592018年7月25日11:39 602018年8月7日05:18
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