2018年の宣教師殺害事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 10:18 UTC 版)
「北センチネル島」の記事における「2018年の宣教師殺害事件」の解説
2018年11月16日には、漁船を雇って島にカヌーで単身接近し、住民をキリスト教に改宗させるために上陸しようとした自称「冒険家」の宣教師(アメリカ合衆国ワシントン州在住で中国系アメリカ人の26歳男性)が住民に弓矢を射掛けられ、傷を負った所を首に縄をかけられて死亡した。 この人物は観光査証でインドに入国し、アンダマン・ニコバル諸島への入域許可も得ていたというが、この島への接近・上陸は違法行為である。漁船を雇って11月14日夜に島に接近、15日以降繰り返し接触を試みたが2度失敗、3度目に殺害された。 男性の遺体は砂浜に埋められている模様だが、回収は困難という。インド政府は宣教師に協力した漁師たちとエンジニア1名、計画に携わった別の宣教師1名の合計7名を「過失殺人」の罪で逮捕した。 この宣教師は終末思想を奉じる福音派の教団に属しており、地上のすべての国々の民にキリストの教えを伝える、という宗教的信念に基づいての行動とみられる。北センチネル島上陸の試みもこれが初めてではなく、2016年・2017年にも行っていた。宣教師の行動は欧米メディアでも総じて批判的に報じられている。 インドの法律に違反した不法侵入であることが批判点の一つであるが、一方的なアプローチが先住民族の権利を侵害するもので(2007年の「先住民族の権利に関する国際連合宣言」には、未接触部族が孤立して暮らす権利を支持している)、「見当違い」な「思想の押し付け」であることが大きな批判点である。殺害された宣教師には、その年最も「驚くべき愚行」によって死亡した人物を(皮肉交じりに)顕彰するダーウィン賞が授与された。
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