鴨居商店の人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 13:36 UTC 版)
住吉酒造に「太陽ワイン」を製造委託する商社。サントリーホールディングスの前身である鳥井商店(→壽屋)がモデルで、山崎蒸溜所(山崎工場)や赤玉ポートワイン(太陽ワイン)の実際のエピソードがストーリー中に生かされている。 鴨居欣次郎(かもい きんじろう) 演 - 堤真一(少年期:堺翔太) 住吉酒造の取引先である鴨居商店の社長。社員や取引先などから「大将」と呼ばれている。占いにこだわりを持っている。一人称は「わて」。口癖は「やってみなはれ」で、できるかできないかわからなくて迷うよりもまず実践、を自らにも部下にも励行する。 米屋と両替商を営む家に誕生するが、家業は兄が継ぐために14歳で薬種問屋に丁稚奉公に出される。奉公先で舶来の洋酒と出会い、いつか自分で作りたいと希望を持ち、20歳で起業した。 人々に驚きと喜びを与えたい根底から、日本人の好みに合わせて洋酒を独自に加工し製造・販売して利益を上げる商売方法を信条とする。政春からウイスキーを初めて味見させてもらい興味が湧き、後日、採算を度外視し本場のウイスキーの製造しか考えていなかった政春に対して製造から販売までの計画を積算するよう助言する。初めて出会った時から亀山夫妻を気に入り、エリーに親切に声をかけ悩みの相談に乗ったり、太陽ワインの売り上げ回復のために協力した政春に鴨居商店への入社を誘うが、その時は断られる。その後、住吉酒造を首になった政春の本場のウイスキー作りへの頑固なほどの情熱や、彼の持つ技術の高さを改めて知り、4000円の年俸を差し出し再び彼に入社を乞う。 入社した政春を創業した山崎工場の工場長に配属し、初の国産ウイスキー販売に向け共に協力していくが、工場始動から4年後、不況の煽りを受けてビール事業の開始とウイスキー販売の前倒しを決め、渋る政春に醸造中のウイスキーの調合を急がせる。しかし、結果としてどちらも売れず、政春に日本人向けの味のウイスキーへの改良を命じてから、本場にこだわる政春と方針のすれ違いが顕著になる。その後、自分の理想のウイスキーを作るために退職を申し出た政春に対し、経営者として不向きであると否定的に見るが、開業のためにプライドを捨て土下座をした政春の熱意を認め、不足分の開業資金10万円分を返済不要な「退職金」として政春に渡し、出資を応援する。 寿屋の創業者、鳥井信治郎がモデル。 鴨居英一郎(かもい えいいちろう) 演 - 浅香航大(少年期:三澤瑠斗) 鴨居欣次郎の長男。大学に入学したものの、将来の目標もなく遊び歩いていることや留学を志望していることから、父の指導で、政春に師事しエリーから英語を教わるため、亀山夫妻の家に住み始める。一人称は「僕」。また、政春のことを「工場長」と呼ぶ。瀕死の母や家庭を顧みず仕事に没頭してきた父を身勝手であると忌み嫌っていた。自分の将来や進路は、その身勝手な父が決めて、自分の意見など通る余地はないと空虚な気持ちで諦め、周囲に対しても冷淡な態度を取り孤立していた。しかし、亀山夫婦や近所の住民たちの温かさに触れ、心を開いていく。政春と俊夫の働きぶりを見て、将来はウイスキーの職人となりスコットランドへ留学する希望を見つける。また、父から亡き母の遺言を初めて教えられ、両親は心で強く結ばれていたことを知り永年のわだかまりが氷解、和解する。 山崎工場稼働から4年後、スコットランド留学から帰国し、山崎工場に勤務する。政春に付ききりでウイスキー製造を学び、政春の鴨居商店退職の折には「教えられることはみな教えた」と太鼓判を押される。退職に向けた政春の決断を聞き最初反発するも、すぐに「背中を追いかけていく」決意とともに笑顔で見送る。 政春とエリーが余市へ渡り2年後、日本人でも馴染める味のウイスキー「丸瓶」を造り出し販売された直後、工場にて心臓発作を起こし早逝する。 鳥井信治郎の長男・鳥井吉太郎がモデルであり、竹鶴夫妻と同居して政孝からウイスキー製造のノウハウを学び、壽屋の後継者と期待されていた矢先、31歳にて早世しているなど、鳥井吉太郎の史実を踏まえている。 鴨居サキ(かもい サキ) 演 - 辻葉子 欣次郎の妻で、英一郎の母。太陽ワインの発売日に向け鴨居が奔走するなか発病。そのために発売延期しようとする鴨居に、彼の夢が叶ったら元気になることを宣言し、予定通り遂行させる。1914年(大正3年)の太陽ワイン発売日直前、一緒に夢を叶えられなかったことを鴨居に詫びるとともに、子供たちを鴨居に託し、他界した。 黒沢(くろさわ) 演 - 志賀廣太郎 鴨居の秘書。常に冷静で、鴨居に対して従順である一方、鴨居親子の不仲を気にかけ進言する。 青山(あおやま) 演 - 小堀正博 京都帝大の学生。世の中を驚かせる仕事をしたく鴨居商店への入社を志望し、夏休みの間、鴨居商店で研修する。しかし、その後は登場しておらず、鴨居商店へは入社しなかった模様。 白井(しらい) 演 - 乃木涼介 鴨居商店の開発部長。 紺野(こんの) 演 - 成河 鴨居商店の宣伝部に勤める社員。場に応じて政春を賞賛したり批判したりと優柔不断な性格。 規子(のりこ) 演 - 田実陽子 鴨居商店のデザイン担当。 大宮大吉(おおみや だいきち) 演 - 大塚宣幸 山崎醸造所の工員。特技は腕相撲。 中村(なかむら) 演 - 池浦さだ夢 山崎醸造所の工員。 小野博(おの ひろし) 演 - 二口大学 山崎醸造所の工員。特技は暗算。
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