(心因性)身体症状症の中の内臓症状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 00:49 UTC 版)
「自律神経失調症」の記事における「(心因性)身体症状症の中の内臓症状」の解説
精神科の病気である不安症( アングザエティ ・ストレス psychological (mental) stress・適応障害・不適応, PTSD, emotional dysregulation, bad coping, avoidance; パニック, ノイローゼ neuroticism) では、 対人恐怖 (社交不安障害・おどおどする・車中食 ・職場恐怖 occupational burnout・学校恐怖 ・ひきこもり ・孤独・回避 avoidance_response・遁走 fugue_state・防衛機制) 自立(一人)恐怖 abandonment (スマホ依存・仲間外れ恐怖(odd one-out, deindividuation, self-stereotyping , social_defeat stress) 空間(環境)恐怖 (杞憂[天が落ちて来るのではないか]・閉所 ・高所・ワクチン恐怖)) こころの過敏 (irritability/ 焦燥・気分変容 emotional lability ・イライラ・ぴりぴり・カッ・きれる inhibitory_control) 不安(嫌な事・恐怖 embarrassment・そわそわ・心配・ こころの弱さと強さ) うつ気分(辛い事 grief ・気が晴れない・無口・表情が暗い) 強迫(潔癖[不潔恐怖・手を洗い続ける]・自傷 ) などの心因性情動行動障害: (精神科で鑑別する) と共に、 以下のような多彩な心因性 psychogenic_disease 身体症状症(SSD,ヒステリー)がみられる 。 心因性睡眠障害 心因(ヒステリー)性不眠症 (嫌な事・辛い事があると熟睡できない / 疲れが取れない、不安症などの精神疾患で特徴的にみられる), 睡眠不足: 精神科で鑑別する 心因性意識障害 ヒステリー(心因)性偽昏睡 pseudo-coma stupor (人前で・嫌な事・辛い事があると頭がいっぱいになる(思考停止) thought_suppression, thought_blocking/ 真っ白になる/ 頭を締め付けられぼーっとする/ 上の空/ 視点が定まらない/ 偽記憶障害 pseudo-amnesia / 偽認知症 pseudo-dementia / 仕事が手につかない/ 心ここに在らざれば視れども見えず ): 脳神経内科・脳神経外科などで鑑別する。 心因性運動症状 ヒステリー性麻痺(偽脳卒中 pseudo-stroke (片麻痺) ・対麻痺・四肢麻痺 ・固まって同じ姿勢を取り続ける(カタレプシー,カタトニア,無動無言) waxy_flexibility ・人の前で動作がきこちなくなる・体がすくむ・腰が抜ける) / ヒステリー性失語・構音障害(上手く話せずしどろもどろになる ・声が上ずる・何もしゃべれなくなる・表情変化(顔がこわばる ・頬がひきつる)・痙攣 (偽てんかん pseudo-epilepsy ・偽発作 pseudo-seizure ・心因性非てんかん性発作 ) ・不随意運動( チック癖・ミオクローヌス / 膝・ 唇がふるえる): 脳神経内科・脳神経外科・整形外科などで鑑別する。 心因性感覚症状 ヒステリー球 globus hystericus (喉の過敏・ 締め付け ・息が詰まる・息苦しい) / 皮膚感覚の過敏・かゆみ・ヒステリー性顔面全身しびれ痛み(人の前で・高所で・ワクチン接種直後に全身がびりびりする) pain_disorder/ ヒステリー性無痛・感覚低下/ 頸肩腕症候群 (肩の荷が下りない/首肩がこる) / 疲労(ばてる / だるい / 何もする気が起きない)/ 緊張性頭痛(嫌な事・辛い事があると頭がいたい,頭を締め付けられる,偽髄膜炎 pseudo-meningitis ) / 胸部痛(胸が痛む ・胸が張り裂ける): 脳神経内科・脳神経外科・整形外科などで鑑別する。 心因性特殊感覚症状 ヒステリー性偽失明 pseudo-blindness ・弱視(目がかすむ)、眼の過敏 dry eye、偽近視 pseudo-myopia、ヒステリー性視野障害(求心性/渦巻型視野狭窄)、ヒステリー性複視 (輻輳調節痙攣) 、偽眼瞼下垂 pseudo-ptosis 、耳の過敏 sensory_overload over-stimulation (些細な物音にいらいらする)/耳鳴、ヒステリー性聾・偽難聴 pseudo-deafness 、動きに過敏 (くらっとする・心因性めまい・ 良性発作性頭位めまい BPPV・持続性知覚性姿勢誘発めまい PPPD )、においに過敏 ・嗅覚味覚低下、 歯の過敏 ・あごの過敏,顎関節痛 ・舌痛 : 眼科 / 耳鼻科 / 歯科口腔外科などで鑑別する。 心因性内臓症状 上述。解説不安症に由来する心因性内臓症状を、自律神経失調症(東邦大学、阿部達夫・筒井末春1967年)という場合がある。 内臓症状以外の身体症状(睡眠・意識・運動・感覚)は内臓症状と異なり、情動行動障害は内臓症状と異なる。 不安症で(いわゆる)自律神経が乱れる・(同)機能低下がある・(同)リラックスできないとは言えないように思われる ('自律神経' を 'こころ' の代用として用いたもの。自律神経はこころと異なる。 病態を参照)。同様に、(いわゆる)自律神経が乱れるとうつ・気分の落ち込みが出現するとは言えないように思われる ('自律神経' を 'こころの原因' として用いたもの。自律神経はこころの原因とならない。病態を参照)。同様に、(いわゆる)’自律神経失調症’ を ’不安症’ の代用として用いることはすすめられず、その場合は’不安症’を用いる方が正確と思われる。 解説 不安症による身体症状症: 健常者でもみられる事がある身体の変化 (negative 不安, positive emotional stimuli 幸せ(好きな人の前で胸が高鳴るなど) により身体の変化がみられる) , こころの病気である不安がからだの症状をまねたもの(mimic) [psychogenic] somatic symptom disorder; SSD , 心身症, ヒステリー hysteria, 心因性[機能性]神経[身体]症状 functional_somatic_syndrome, 身体科に依らない身体症状, (心の)身体表現性障害; (心の)身体化障害; (心の身体への)転換症, 急性ストレス psychological_trauma, 拘禁, 外傷後(の心の)ストレス(による記憶や体の症状) shell shock, combat_stress_reaction [関連: 病気不安, en: 心気症([心による]内臓症); (心による)体感幻覚, 肥満・醜形恐怖 thin_ideal; (心の身体への)虚偽性障害, 作為症 factitious disorder, 詐病/仮病, 心が作る病 psychogenic_disease, self-agency, 偽病 pseudo-disease, 非病 non-disease, ミュンヒハウゼン・マンチョーゼン症候群] 身体症状症類似の状態は、哺乳類一般にストレス・危機状況下でみられる [ 凍結挙動, 戦うか逃げるか反応; 擬死 play oppossum, behavioral change, ultrasonic_vocalization, herd_behavior, collective_animal_behavior 不安症による身体症状症は、真の身体症状と異なり、関連のない複数個の臓器にしばしば同時にみられ(不定愁訴 )、機会依存性(人と会う・嫌な事・辛い事・ストレスがあった時のみ症状が出るなど psychological_trauma, social_stress)がみられる adjustment_disorder 。 身体症状症は、成人より若年者に多く、集団でみられる場合もある hysterical_contagion, body-centred_countertransference, social_contagion, Folie à deux, mass_hysteria mass_psychogenic_illness, behavioral_contagion, emotional_contagion; Koro 身体症状症(SSD, self-reported somatic health) の頻度は地域差も知られ、USよりJapanに多いとの研究がある. その一因として日本人の律義さ(生真面目さ) conscientiousness も指摘されている, 内臓症状には 1)循環器内科・消化器内科などの内臓疾患、2)脳神経内科疾患(真の自律神経不全)、3)精神科疾患(不安症) の3つがある。3)から見た1)2)を身体科疾患という。1)から見た2); 3)を機能性と言う functional_symptom。すなわち、3)の診断のためには1)と2)を鑑別する(診断方法は自律神経不全を参照)。 [関連項目] 不安症・身体症状症は、病気として自覚されにくい場合があり、否定されたり、誤解・偏見 のため、家族友人に打ち明けたり、精神科医に相談することが難しい場合がある。さらに、(誤った情報により)他の原因・治療法に結び付けられる場合もある (健康と注意 [US食品医薬品局・厚生労働省 ・総務省 偽医学, 偽科学, 医療詐欺 ~ 血流・(いわゆる)自律神経・生体電気を整えると癌・うつが治るなど, 民間療法 , US山田式整体術,US足裏つぼ,USリンパ)。 精神科・脳神経内科・循環器科/ 消化器科/ 婦人科等で鑑別し、適切なケアを行う。 [関連項目] 不安症・身体症状症の引き金(誘因・外因 )として、「人前で・嫌な事・辛い事・事故・ ワクチン接種」などの様々な外的出来事がある。一方、外的出来事に続発する症状の原因として、真の身体疾患と不安症の両者がある。 整形外科・脳神経外科・脳神経内科等で鑑別する。 [関連項目] 更年期障害:遺伝性卵巣癌高リスク女性(BRCA突然変異キャリア(30-40歳))に対して行われる、予防的卵巣摘出術(手術的閉経 / 卵巣ホルモン低下)の研究では、同手術後に①顔のほてり・発汗過多(血管運動系内臓症状 hot flush )がみられたが、②うつ焦燥(ストレス症状)は増加しなかった。このことから、自然閉経期(50-56歳)女性に良くみられる症状(更年期障害)の中で①は卵巣ホルモン低下によるもの、②は不安症によるものも考えられる。婦人科で鑑別する 。 [関連: 月経前不快気分障害]
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