親子関係について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/09 17:37 UTC 版)
薫が本当に柏木の子であるかどうかについては、光源氏や夕霧が幼い薫を見て目元が似ていると感じており(「柏木」「横笛」)、また冷泉帝ら光源氏の血筋は絵画(「絵合」)、柏木ら頭中将の血筋は音楽に秀でているといった描写が常々なされているのに対し、薫は柏木が得意とした琴や、横笛を演奏して頭中将の血筋に近いとされている(「竹河」「宿木」)ことから、間違いないようであるとする主張がある。ただし、このような主張をする人々は、以下のような点を故意に無視している。 ・光源氏や夕霧がそのように感じるに当たっては「気のせいか」「そのように思って見るからそう見えるのだろうか」としている。逆に、先入観を持たずに見る冷泉帝などは、光源氏の子だと信じて疑わない。 ・そもそも光源氏は自分にこそ似ていなくはないと考え直している(「横笛」)。母である女三宮に至っては、柏木に似ているとは考えていない(「柏木」)。 ・また、音楽ならば光源氏も得意であるので、根拠にならない。一方、光源氏よりも頭中将の血筋が得意とする蹴鞠については、薫がとりたてて得意だとする記述はない。 いずれにせよ、薫の父が作中で断定されることはない。なお薫の出生の疑惑を知るのは本人以外では光源氏、柏木、母女三宮、小侍従(女三宮の女房)、弁(八の宮の女房、小侍従の従姉妹)の5人で、この他夕霧も薄々事情を察している。 表 話 編 歴 源氏物語 人物 光源氏と親兄弟光源氏 桐壺帝 桐壺更衣 朱雀帝 蛍兵部卿宮 八の宮 女君藤壺中宮 葵の上 紫の上 明石の御方 花散里 女三宮 空蝉 軒端荻 夕顔 末摘花 源典侍 朧月夜 朝顔の姫君 六条御息所 筑紫の五節 子女冷泉帝 夕霧 明石中宮 薫 左大臣家頭中将 左大臣 大宮 右大臣の四の君 柏木 紅梅 雲居の雁 玉鬘 近江の君宮の御方 その他先帝 前坊 右大臣 弘徽殿女御 兵部卿宮 式部卿宮の北の方 藤式部丞 藤原惟光 藤典侍 源良清 宣旨の娘 秋好中宮 王命婦 北山の尼君 明石入道 明石尼君 大夫監 髭黒 髭黒の北の方 真木柱 落葉の宮 一条御息所 小侍従 巣守三位 宇治十帖薫 匂宮 宇治の大君 宇治の中君 浮舟 弁の尼 春宮・今上帝 女二宮 六の君 中将の君浮舟の母 常陸介 左近の少将 横川の僧都 小野の妹尼 巻(帖) 総論源氏物語#巻について 各帖のあらすじ 巻序 目録 本の巻/並びの巻 玉鬘系/紫上系 60巻説 第一部01桐壺 (帚木三帖)02帚木 • 03空蝉 • 04夕顔 05若紫 06末摘花 07紅葉賀 08花宴 09葵 10賢木 11花散里 12須磨 13明石 14澪標 15蓬生 16関屋 17絵合 18松風 19薄雲 20朝顔 21少女 (玉鬘十帖)22玉鬘 • 23初音 • 24胡蝶 • 25蛍 • 26常夏 • 27篝火 • 28野分 • 29行幸 • 30藤袴 • 31真木柱 32梅枝 33藤裏葉 第二部34若菜上 • 35若菜下 36柏木 37横笛 38鈴虫 39夕霧 40御法 41幻雲隠 第三部(匂宮三帖)42匂宮 • 43紅梅 • 44竹河 (宇治十帖)45橋姫 • 46椎本 • 47総角 • 48早蕨 • 49宿木 • 50東屋 • 51浮舟 • 52蜻蛉 • 53手習 • 54夢浮橋 異名・外伝貌鳥 輝く日の宮 桜人 狭筵 巣守 法の師 関連項目源氏物語の写本 紫式部 中古文学史 一覧写本 古注釈書 カテゴリ コモンズ
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