社会・歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 07:01 UTC 版)
エイジ紀元前238頃、後に伝説としてサイヤ人の間で語られることになった超サイヤ人が出現して、殺戮と破壊を行い宇宙を震え上がらせた。鳥山明はインタビューで「かなり昔、サイヤ人の星が惑星ベジータですらなかった頃、サイヤ人でありながら正しい心を持ち、仲間5人と共に反旗をひるがえしたヤモシという男が戦闘員たちに追い詰められ、はじめて超サイヤ人になったが、その変化と恐ろしいまでの戦いぶりに他のサイヤ人たちは驚愕。やがてヤモシは多勢に無勢で力尽きて倒されてしまうが、これが伝説の始まり」と答えている。 エイジは不明だが、惑星プラントに移住以前は惑星サダラに住んでおり、仲間割れで星が消滅したことが『超』で判明した。エイジ550頃、謎の宇宙船で宇宙を漂流していた原始サイヤ人が、知的で高度な文明を持つツフル人が住むプラント星に漂着。プレイディアの『ドラゴンボールZ真サイヤ人絶滅計画-宇宙編-』オープニングでは、原始サイヤ人が乗ってきた謎の宇宙船が不時着した様子と、原始サイヤ人を受け入れる当時のツフル人が描かれている。原始サイヤ人は一般的に獰猛で野蛮な性格をしており、獣の皮を身にまとい発達した文明を持たない粗野で原始的な生活を送っていた。農耕文明を持った経験が無く、あくまでも欲しい物は敵から奪い取る純然たる狩猟民族で、サイヤ人の種族を代々の王が治めてきた。 720-730頃にかけ、プラント星において、ベジータの父親であるベジータ王の指揮のもとでサイヤ人たちが団結し反乱を起こしたことにより、ツフル人 と全面戦争になる。惑星プラントの大半を占めていたツフル人は、自ら作り出した高度な武器で迎え撃つも、非常に少数の民族でありつつ好戦的で強いサイヤ人が徐々にツフル人を制圧していく。惑星プラントにおいて8年に一度迎える満月により、一斉に大猿化したサイヤ人たちの侵攻が大きな脅威となり、ツフル人は大きなダメージを受ける。ツフル人の文明を取り入れ装備や服装まで一新しながら、少しずつ数を増やしていったサイヤ人がツフル人を圧倒した結果、ツフル人は滅亡。ツフル人を絶滅させた後は惑星プラントを乗っ取り、惑星ベジータと名を変えて支配。その際、ただ一人の王を頂点とする専制君主国家が打ち立てられた。 作中ではベジータは「惑星ベジータの名前をもらうほどの天才戦士」とナッパに評されているが、『ドラゴンボール大全集』ではサイヤ人の社会は、ベジータ王を頂点にした専制国家で王位は世襲制であり、代々の王は「ベジータ王」の名を受け継ぐとされる。王族以外の全国民が兵士で、国全体として国民たちは戦うことを主な仕事としている軍隊組織のような社会構成。生まれた直後の戦闘力で、身分がランク分けされる身分制度社会である。ランク分けされる階級は、関連書籍ではエリート戦士と下級戦士と解説されており、鳥山明は2014年には上級戦士と中級戦士と下級戦士と答え、2017年には上級戦士と下級戦士と答えている。戦闘力が高いと、激戦区で戦うほか、王族に仕えられる場合もあるが、低くて下級戦士に分けられた子供は、サイヤ人にとってたいした戦力を持たない辺境の星に送られる。『銀河パトロールジャコ』でジャコが「地球のようにたいした戦力を持たない人間が支配している星には、たいてい子供を送り込みジワジワと人間を減らしていく」と発言。 エイジ731頃、サイヤ人は宇宙進出を開始。他の異星人に対する戦闘提供を思いつき、戦いを外宇宙に求めていったが、ツフル人を絶滅させてしまった弊害により文明の発達が遅れてしまい、今のままではさらに遠い外宇宙へは行くことができないことを悟る。コルド大王と契約を結び、その後継者のフリーザと同業者として友好同盟を結んで宇宙の地上げ屋を始めたサイヤ人は、高文明でリッチな異星人と手を結び、その異星人の別荘用、もしくは移住用の星として環境の良い星を探しては襲撃し、他の星に住む住民を絶滅させては、乗っ取った星を他の異星人に商品として高額な値段で売り渡すことで、文明や金銭を得ることを主な仕事とした。星の地上げ行為は好戦的なサイヤ人にとって一石二鳥であり、それがどんどんエスカレートしていった結果、ついには生まれてすぐの赤ん坊までもが戦闘レベルの低い惑星に送り込まれ、赤ん坊が成長してからその星の住民を絶滅させてしまうというような、遠大な作戦までをも生み出した。生まれた直後の戦闘力の数値が低い者は、悟空のように赤ん坊の時から強敵のいない辺境の惑星に送り込まれる。アニメでは劇場版において、戦闘力数値があまりにも高い赤ん坊は成長後に地位を脅かす可能性があるとして、劇場版オリジナルキャラクターのブロリーのように処刑の判断がくだるエピソードが描かれている。エイジ731頃には妃を娶ったベジータ王を始めとするサイヤ人は、その高い戦闘能力と好戦性から全宇宙支配を目論むフリーザに重宝されており、フリーザ一味との契約のもと傭兵的役割もつとめたが、フリーザは実質、サイヤ人たちを支配下に置いたうえで星を攻めるときには傭兵のように使っていた。 宇宙の傭兵として、星々を侵略することで、その星の文明を吸収して発展し繁栄してきたため、メディカルマシーン、元々はツフル人のものだった戦闘服やスカウターなど、高度な文明はサイヤ人独自のものではなく、すべて略奪物や同盟を結んだ星から戦闘に特化した技術を抽出した結果である。宇宙船技術などは地球の科学者も目を見張るほどだが、これはツフル人や漂流宇宙船を造った何者かによるもので、サイヤ人そのものの技術ではない。 エイジ735頃、惑星ベジータにおいてサイヤ人同士の内乱が多発。ベジータ王も、長年にわたり自分たちを奴隷のようにこき使うフリーザに対し疑念を持ちつつ、サイヤ人による全宇宙の支配を目論むようになり、ベジータ王たちサイヤ人はフリーザに反感を強め始めていく。エイジ737頃、原作ではフリーザが「サイヤ人の住む惑星ベジータに攻め込んだときに王とに戦った場合も、まったく変身する必要もなく勝ってしまった」と語っているが、アニメ『ドラゴンボールZ』ではベジータ王が部下数人と共に反乱を起こしフリーザを襲撃するも敗死するエピソードが挿入された。フリーザも、どんどん強くなり団結していくサイヤ人を危険視し、伝説の超サイヤ人が出現することを恐れていたこともあり、フリーザにとって使えそうなベジータや他の惑星に送り込まれたごく一部のサイヤ人を除き、惑星ベジータはフリーザの手によってサイヤ人ごと消滅させられた。劇場版『神と神』では、破壊神ビルスがフリーザに惑星ベジータ消滅を指示したかのような発言をしている。『DRAGON BALL- 放たれた運命の子供』では惑星ベジータ消滅の1ヶ月前が描かれており、超サイヤ人や超サイヤ人神の伝説に不安を覚えたフリーザが、星ごと滅ぼすためにサイヤ人たちに惑星ベジータへ戻るよう招集命令を下していた。エイジ730頃のサイヤ人による惑星征服からエイジ737における滅亡までの期間は短かった。 生き残ったのはわずかにベジータ、ナッパ、ラディッツと、フリーザが把握していなかったカカロット(孫悟空)の4人だけだった。ベジータたちにはこれからも手駒として使うには都合の悪い事実であるため、惑星ベジータの消滅は巨大隕石の衝突によるものと伝えられていた。 ラディッツが語ったサイヤ人が環境のよい星に乗り込んでそこの住民を絶滅させる行為を、クリリンはピッコロより極悪という趣旨のことを述べ、悟空はフリーザとの戦いにおいて、罪のない者たちを数多く殺した点を糾弾した際に、サイヤ人も同罪のはずという趣旨のことを言われるが、擁護はせず「だから滅びた」と断じている。 原作でフリーザが登場する前に放送された『Z』20話「よみがえるサイヤ人伝説! 悟空のルーツ」では、界王がサイヤ人の歴史を語るアニメオリジナルエピソードが挿入されているが、サイヤ人の悪行を止めるために惑星ベジータの神が天変地異を起こして惑星を破壊したと語られていた。 『DRAGONBALL EVOLUTION』小説版、ゲーム版では「サイヤ人はピッコロ大魔王の右腕」という設定になっている。
※この「社会・歴史」の解説は、「サイヤ人」の解説の一部です。
「社会・歴史」を含む「サイヤ人」の記事については、「サイヤ人」の概要を参照ください。
- 社会歴史のページへのリンク