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プレイディア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/27 11:00 UTC 版)

プレイディア
プレイディア
開発元 バンダイ
種別 据置型ゲーム機
世代 第5世代
発売日 1994年9月23日[1]
売上台数 12万台[2]
メディア QIS規格CD-ROM
CPU TMP87C800
コントローラ入力 無線(赤外線)
前世代ハード アルカディア
次世代ハード ピピンアットマーク

プレイディアPlaydia)は1994年9月23日にバンダイより発売された家庭用ゲーム機。ゲームを通して子供の自発的な学習意欲を促す「学習応援機器」である[3]。定価は24,800円(税別)で正式発表前の仮称はBA-X[1]

本機は発売年から第5世代のゲーム機に相当するが、当時の競合他社製品が軒並み32ビットCPUや64ビットCPUを搭載したため、第5世代ゲーム機としては唯一の8ビットである[4]。また、ソフトの大半は子ども向けのシンプルなキャラクターゲームであり、未就学児から小学校低学年あたりの客層には合っていたものの、シェア獲得はうまくいかず、発売から約2年で新作ソフトの供給が終了した[5]

ハードウェア

CD-ROMドライブを装備し、ソフトウェアはCD-ROMで供給された[4]。音楽CDの再生も可能で、再生中の画面はブルーバックで再生状態やトラックナンバーなどは表示されない。コントローラは赤外線によるワイヤレス方式を採用[6]、単4電池2本を使用し、使用しない際には本体にはめ込んで格納することが可能である。

本体やソフトウェアのパッケージには、「QIS」というロゴと、「このソフトはQIS規格専用ソフトです」という表記がされている[2]。QISとは、「Quick Interactive System」の略であり、CD-ROMへの高速アクセス機能を指す[1]

仕様

プレイディアの基板
  • 三洋電機 LC89515 - CD-ROM ホスト インターフェース
  • 東芝 TA2035F - CD フォーカス、トラッキングサーバー
  • 東芝 TC9263F - CDシングルチッププロセッサー
  • ローム BA6398FP - 4チャンネルBTLドライバー CDプレイヤーモーター用
  • 東芝 TMP87C800F - 8 Bit マイクロコントローラ(8K ROM, 16K RAM) - 8 MHzで作動64K(TLCS-870シリーズは大部分をZ80に基づいている)にアクセス可能
  • シャープ LH52B256 - 256K(32K × 8)SRAM
  • NEC μPD78214GC - 8 Bit マイクロコントローラ(16K ROM, 512 byte RAM) - 12 MHz で動作, 1MB(NEC 78K series)にアクセス可能
  • 東芝 TC514256JAJ - 256K ワード × 4 ファストページDRAMチップ
  • 旭化成 AK8000 - オーディオ / ビデオプロセッサー
  • フィリップス DA8772AH - トリプル 8Bit DAC
  • ソニー CXA1229M - NTSC/PAL エンコーダー
  • ローム BA10324AF - クアッド Opアンプ
  • 三洋電機 LC78835K - 18BIT フィルタ付DAC
  • ローム BU3052BCF - デュアル 4 チャンネルアナログマルチプレクサ

ソフトウェア

遊んで学ぶことを目的とした「IQKIDSシリーズ」と乗り物や動物が主内容の「映像図鑑シリーズ」が存在する[3]ほか、作品の中には『美少女戦士セーラームーンS 〜クイズ対決!セーラーパワー結集!!〜』のように、原作の映像をそのまま流用したものもある[2]

なおバンプレストから1996年に稼働した業務用筐体の『みちゃ王』は、内部に本機[注 1]を改造して搭載した[7]ため、みちゃ王用のディスクは本機でも利用可能である。

発売年ごとのタイトル数は以下の通り。

  • 1994年(全11タイトル)
  • 1995年(全16タイトル)
  • 1996年(全6タイトル)

また、これとは別に7本の非売品が存在する。

ソフト一覧

発売日 作品名 品番 備考
1994年9月23日 ドラゴンボールZ 真サイヤ人絶滅計画 -地球編- BAPD-01 ローンチタイトル[6]
1994年9月23日 美少女戦士セーラームーンS 〜クイズ対決!セーラーパワー結集!!〜 BAPD-02
1994年9月23日 SDガンダム大図鑑 BAPD-03
1994年9月28日 ウルトラマンパワード 〜怪獣撃滅作戦〜 BAPD-04
1994年9月28日 ハローキティ ゆめのくにだいぼうけん BAPD-05
1994年11月25日 アクアアドベンチャー ブルーリルティー BAPD-06
1994年11月25日 Newton museum 恐竜年代記 前編 BAPD-07
1994年11月25日 Newton museum 恐竜年代記 後編 BAPD-08
1994年12月08日 出発! どうぶつたんけんたい BAPD-09
1994年12月16日 ウルトラセブン 〜地球防衛作戦〜 BAPD-10
1994年12月16日 ドラゴンボールZ 真サイヤ人絶滅計画 -宇宙編- BAPD-11
1995年1月24日 のりものバンザイ!! くるま大集合!! 〜はたらくくるまがいっぱい登場!〜 BAPD-12
1995年1月24日 のりものバンザイ!! でんしゃ大集合!! 〜図鑑とクイズでキミも電車博士!!〜 BAPD-13
1995年3月22日 テレビシリーズ 家なき子 〜すずの選択〜 VPRJ-09722
1995年3月22日 ガメラ THE TIME ADVENTURE BAPD-15
1995年6月22日 エレメントボイスシリーズ(1) 『かないみか 〜Win&Breeze〜』 BAPD-18
1995年6月22日 エレメントボイスシリーズ(2) 『深見梨加 〜Private Step〜』 BAPD-19
1995年6月22日 エレメントボイスシリーズ(3) 『久川綾 〜Forest Sways〜』 BAPD-20
1995年7月28日 美少女戦士セーラームーンSuperS 〜セーラームーンとひらがなレッスン!〜 BAPD-21
1995年7月28日 ウルトラマン 〜ひらがな大作戦〜 BAPD-22
1995年7月28日 ウルトラマン 〜アルファベットTVへようこそ〜 BAPD-23
1995年8月24日 美少女戦士セーラームーンSuperS 〜セーラームーンとはじめてのえいご〜 BAPD-24
1995年8月24日 美少女戦士セーラームーンSuperS 〜ようこそ!セーラー幼稚園〜 BAPD-25
1995年8月24日 ウルトラマン 〜おいでよ!ウルトラ幼稚園〜 BAPD-26
1995年10月20日 超合金SELECTIONS BKPD-01
1995年11月16日 エレメントボイスシリーズ(4) 『白鳥由里 〜Rainbow Harmony〜』 BKPD-02
1995年12月15日 それいけ!アンパンマン 〜ピクニックでおべんきょう〜 BAPD-27
1996年3月22日 ウルトラマン 〜ウルトラランド すうじであそぼう〜 BAPD-28
1996年3月22日 ウルトラマン 〜知能アップ大作戦〜 BAPD-29
1996年3月27日 エレメントボイスシリーズ(5) 『國府田マリ子 〜Welcome to the Marikotown!〜』 BKPD-03
1996年4月22日 忍たま乱太郎 〜ぐんぐんのびる知能編〜 BKPD-04
1996年5月15日 忍たま乱太郎 〜はじめておぼえる知識編〜 BKPD-05
1996年6月26日 激走戦隊カーレンジャー 〜たたかえ!ひらがなレーサー〜 BKPD-06

非売品(全7タイトル)

作品名 品番 備考
Playdia サンプルソフト BS-002 BANDAI店頭販促用
日本音楽著作権協会(ビデオ録音)第941774号
祐実とトコトンプレイディア BS-003 1994~1995年に行われた『ワクワクドキドキキャンペーン』景品で5000名に配られた
ゴー!ゴー!アックマン・プラネット BS-005 月刊誌『Vジャンプ』の懸賞でプレイディア本体とセットで200名に配られた
ジャンプ限定スペシャル 4大ヒーローBATTLE大全 BS-006
バンダイITEM COLLECTION 70' BS-007
Playdia IQ Kids BS-009
けろけろけろっぴ 〜ウキウキパーティーランド!!〜 - BS-010

みちゃ王用ディスク

展開

ターゲットとなる年齢層は小学生をメインとして設定されており、当時の家庭用ゲームとしてはハード・ソフト共に安価であった[1][2]

イメージキャラクターは、子役当時の安達祐実[2]。安達は、本機そのものの関連CMはもとより、本機用の非売品ソフトにも出演していた。安達の代表作として知られるテレビドラマ家なき子』はソフト展開当時に放送されたため、番組自体(土曜グランド劇場)はバンダイがスポンサーでなかったのにもかかわらず、『テレビシリーズ 家なき子 〜すずの選択〜』のタイトルかつ唯一のサードパーティー製タイトル[注 2]として本機でゲーム化された。

当初は29,800円(税別)で発売される予定であったが、発売前の8月に24,800円(税別)に値下げされた。初年度の目標は本体出荷台数20万台、ソフト出荷本数30万本[8]。1995年度に入ると出荷台数20万台、ソフト出荷本数40万本を目標に、アニメファンと知育需要に特化したソフト展開にシフトした[9]

受容

黒川文雄は、2021年に行った元バンダイ代表取締役社長の山科誠との対談記事の中で、今(2021年)見ればゲーム機とは異なる方向性であるのは明らかだが、発売された1994年がPlayStationやセガサターンをはじめとする「次世代ゲーム機」が次々と投入された時期だったため、このようなハードと同列視された結果、パワー不足とみなされ、販売不振に陥ったっとみている[4]

脚注

注釈

  1. ^ 稼働時期がソフト展開の末期であったため、デッドストック品を譲り受けていた。
  2. ^ 販売元はバップで、日本テレビ系列(連結子会社)のソフトウェア関連企業であり、発売当時はゲームソフト事業(vap GAME)も持っていた。

出典

  1. ^ a b c d マイコンBASICマガジン』1994年11月号とじ込み付録「スーパーソフト・ホット・インフォメーション」より。『マイコンBASICマガジン』1994年11月号付録35頁。
  2. ^ a b c d e 小川満鈴 (2021年2月11日). “3,000万円を投資したコレクターが語る「セーラームーン」!Vol.10 知る人ぞ知るゲーム機「プレイディア」ー20年以上経っても動くことに衝撃が走る”. インサイド. イード. 2025年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月5日閲覧。
  3. ^ a b プレイディア公式ページ - ウェイバックマシン(1997年1月16日アーカイブ分)
  4. ^ a b c バンダイ・山科 誠伝 後編 ゲーム機での失敗とたまごっちの成功,幻となったセガバンダイ ビデオゲームの語り部たち:第24部”. 4Gamer.net. Aetas (2021年7月18日). 2025年9月27日閲覧。
  5. ^ 貫井康徳 (2014年2月10日). “『PC-FX』に『プレイディア』、忘れ去られたあのゲーム機たち”. 「マイナビウーマン」. 2025年9月27日閲覧。
  6. ^ a b 酒缶 (2013年1月6日). “1994年に発売されたあのゲーム機で遊んでみた:「ゲーム大好き!アツめもん」:オルタナティブ・ブログ”. オルタナティブ・ブログ. 2023年3月5日閲覧。
  7. ^ @pekindaq (4 April 2017). “実は中身は……プレイディアなんやで……”. 2025年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ. X(旧Twitter)より2025年9月27日閲覧.
  8. ^ 「秋の商戦 これが切り札 プレイディア バンダイ」日経産業新聞、1994年8月19日、14頁。
  9. ^ 「プレイディア 人気声優起用ソフト バンダイ アニメファンに的」日経産業新聞、1995年4月26日、9頁。

関連項目

外部リンク




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