特徴的なゲームシステム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 08:10 UTC 版)
「ヴァンパイア (ゲーム)」の記事における「特徴的なゲームシステム」の解説
『ヴァンパイア』シリーズのキャラクターたちは、基本的なシステムは共通しているが、それぞれが異なる独自の特徴を持っている。例えば前方ダッシュの場合、デミトリは姿を消して前に進む、モリガンは斜め上に急上昇する、ガロンは前方に飛び跳ねるなど、それぞれ動作形態が大きく異なっている。また、通常投げを持たないアナカリスのような特殊なキャラクターも存在する。 チェーンコンボ タイミング良くボタンを押すことで、技から技へと連鎖するように攻撃を繋げることができる。複雑な操作ができない初心者の救済策として考案されたシステムであるが、初代『ヴァンパイア』ではタイミングが難しく、初心者の役に立つとは言いがたかった。『ヴァンパイア ハンター』以降で改善された。 「チェーンコンボ」と正式に名付けられたのは『ハンター』以降で、初代『ヴァンパイア』当時は公式名称がまだなく、雑誌『ゲーメスト』などで俗に「目押しコンボ」と呼ばれていた。この「目押しコンボ」は現在のものとは異なり、弱パンチか弱キック→中→強という流れのみのいわゆる「3ボタンチェーン」である。これに対し、『ハンター』以降の「チェーンコンボ」は弱パンチ→弱キック→中パンチ→中キック→強パンチ→強キックのような「6ボタンチェーン」となっている。どちらも、途中のボタンを抜かして後位の技へ繋げたり、立ち技としゃがみ技を混ぜることも可能である(例えば立ち中パンチ→しゃがみ強キックなど)。なお、『ハンター』以降の「チェーンコンボ」は、基本的に必殺技でキャンセルすることができなくなっている(モリガンの「ダークネスイリュージョン」のような、ボタン順番押しコマンドの技を除く)。 『セイヴァー』のみ、標準で空中チェーンコンボも使用可能となっている。また、『セイヴァー2』と『ハンター2』ではダークフォース中のみ空中チェーンコンボが可能。なお、『セイヴァー』以外では、空中チェーンコンボではないが、1回のジャンプで通常技を複数回出すことが可能となっている。 ガードキャンセル (GC) 相手の攻撃をガード中に特定の必殺技コマンドを入力することで、ガード直後の動けない状態(ガード硬直)をキャンセルしてすぐさま攻撃に転じる。ガード操作(レバーを後方に入れる)と必殺技のレバー操作を同時に要求されるため難易度は比較的高いが、連続してガードさせられている間はガード操作をしなくても自動でガードするため、入力が容易になる。さらに、ガードキャンセルを発動すると、一定の無敵時間が賦与されるだけでなく、相手を強制的に硬直させることも可能(『ハンター』まで)であるため、チェーンコンボを決めるのにリスクを負わせる存在として、重要なシステムである。これも初代『ヴァンパイア』では公式名称はなく、『ハンター』でこの名が付けられた。 初代ではガードハメに対する初心者の救済策として搭載され、キャラクター毎に決められた特定の地上必殺技1種類(アナカリス、ビシャモン、フォボスを除く)と、ほぼすべての空中必殺技(ビシャモンを除く)が対応技となっていた。しかし、初代のGCは成功しても画面に告知がされないため見た目の変化がほとんどなく、性能も通常と変わらないため単純に発動してもそのまま潰されてしまうことが多かったため、相手の攻撃に対する打開策にはなりにくかった。 『ハンター』ではフォボス以外の空中GCが廃止された代わりに、アナカリス以外の全キャラクターにGC対応必殺技が1種類ずつ存在し、GCを成功させると発動時に無敵時間が付加されるようになったため、大幅に利便性が向上した。また、グラフィック上の変化としても、発動したキャラクターが白く発光し、画面に "GUARD REVERSAL" の表示もされるため、発動に成功したかどうかが一目で分かるようになっている。 しかし、一部のキャラクターのGCは強力すぎたため、『セイヴァー』以降は成功の難易度を上げるため、全てのキャラクターのGC対応必殺技のコマンドがいわゆる「昇龍拳」コマンド(右、下、右下 + 特定のボタン)に統一され、一部のGC対応技が差し替えられた。画面表示も名称と同様の "GUARD CANCEL" に変更された。また、ガードキャンセルの無敵時間に関して、デミトリの「デモンクレイドル」とモリガンの「シャドウブレイド」は技本来の無敵時間が適用され、ビシャモンの「鬼炎斬」はガードキャンセル発動時の無敵時間が適用される。 アドバンシングガード (AG) 『セイヴァー』より追加。相手の攻撃をガード中に攻撃ボタンを連打(正確にはボタンをずらし押しなどで瞬時に複数のボタンを押さなければならない)すると、相手を強制的に後ろに押し下げ、連続してガードさせられる状況から脱出できる。失敗すると必殺技を空振りするリスクのあるガードキャンセルに比べ、こちらは失敗しても隙の少ない通常技が出るだけで済むため、ローリターンだが比較的ローリスクな行動である。ただし、攻撃のタイミングを微妙にずらされると通常技の出始めの隙に攻撃を食らってしまう。上級者同士の対戦になると、攻撃すると見せかけて相手のアドバンシングガードを誘い、暴発した相手の通常技をガードしそれにガードキャンセルをかけるような高度な駆け引きも見られる。なお、アナカリスのみアドバンシングガードをすることができない。 インパクトダメージゲージ 『セイヴァー』より採用。初代『ヴァンパイア』や『ハンター』での従来の「体力ゲージ」は、1ラウンドが終了する毎に両者とも体力が全快した状態で次のラウンドを開始していたが、『セイヴァー』以降のこのゲージシステムでは勝利側は受けたダメージを持ち越し、敗北側はバットマーク(ライフ残量を示し、これをすべて失うと負けとなる)を1つ失った上でゲージが全回復する。またタイムのカウントも引き継がれるが、『セイヴァー2』および『ハンター2』ではダウン時に残り時間が20延長される(最大99まで)。どちらかが体力ゲージを失ってダウンが発生した際には、そのまま試合は続行されるものの、一旦仕切り直しとなるため、発動中のダークフォースやオプション攻撃などは全て解除される。 受けるダメージは、赤いゲージで示される「確定ダメージ」と、白く点滅する「回復可能ダメージ」に分かれている。回復可能ダメージは、一定時間攻撃を食らったりガードしたりしなければ徐々に回復していく。ダメージは、回復可能ダメージと確定ダメージを含むために全体的に高めとなり、攻撃を一方的に受け続けるとゲージがどんどん減っていく。この仕様上、ゲーム展開が旧作に比べて非常に速くなっており、腕前の差に開きがあればあるほど決着が速くついてしまう。 追い討ち攻撃、移動起き上がり 初代『ヴァンパイア』ではザベルのみ、必殺技「スカルジャベリン」でダウン中の相手に追い討ち攻撃をすることが可能となっていた。『ハンター』以降ではこれが全キャラクター共通のシステムとして取り入れられ、ダウンした相手に対してコマンドを入力することで追撃が可能となった。この追い討ち攻撃は必殺技扱いとなっているため、ES化させることもできる。 これを受け、『ハンター』以降は追い討ち攻撃を回避する手段として、ダウン中にレバーを左右(『セイヴァー』以降ではレバー操作に加えボタンどれか)に入力することで、ダウン状態のまま左右に移動して、その後に起き上がることができる操作が追加された。ただし、これを行うと起き上がるまでの時間が長くなるため、わざと移動起き上がりをしないという駆け引きもある(移動起き上がりの際、移動中に食らい判定が存在するキャラクターと、そうでないキャラクターが存在する)。 スペシャルゲージ 初代『ヴァンパイア』のみのシステム。試合中の画面下部に体力ゲージとは別にゲージが存在し、攻撃を出すなどの行動により徐々に溜まっていく。ゲージが満タンになると「Special」の文字が点灯し、ゲージを消費する行動を行うと0に戻る。「Special」の点灯の有無に関わらず、ゲージは時間経過と共に徐々に減少していくが、「Special」点灯時はさらに減少が速くなる。また、ラウンド間の引継ぎはできない。「Special」点灯中は一時的に攻撃力が増加する。 『ハンター』以降は後述する「スペシャルストックゲージ」に変更されたが、『クロニクル』では初代と同様のゲージタイプも選択することが可能。 スペシャルゲージが満タンになり「Special」が点灯すると、以下の行動が可能になる。必殺技の強化(ES必殺技) 初代では、ゲージが満タンになった後に徐々に0に向かって減っていく仕様になっている。その間に、対応した通常の必殺技を出すと、その必殺技が強化されてゲージが強制的に0に戻る。このため、初代では技の威力(弱中強)でそれぞれ強化必殺技の性能が変化するものも多い。中には、「Special」点灯時に発動するとゲージのみ消費されてしまうが、性能が通常時と全く変わらない技もある。 この仕様は、『ハンター』以降は後述する「ES必殺技」として受け継がれた。初代の時点では特別な名称が付けられていなかったが、『ダークストーカーズコレクション』の取扱説明書では初代のものについてもES必殺技と呼称されている。 スペシャル必殺技(SP必殺技) ゲージが一杯になっているときだけ使用可能な、特殊な必殺技(他の格闘ゲームで言うところの「超必殺技」)。その多くは派手な演出を伴い、攻撃力も高い。『ハンター』以降はそのまま後述する「EX必殺技」として受け継がれた。 スペシャルストックゲージ 『ハンター』以降のシステム。初代の「スペシャルゲージ」を基にしているが、ゲージが満タンになると「ストック」することが可能になり、最大99個までストックを溜めることができる。溜めたゲージは使用しない限り自然減少はせず、同一試合内なら次のラウンドへ持ち越すことができる。『ハンター』では体力ゲージの真下、『セイヴァー』以降は画面下部にストックされる。 スペシャルストックゲージのストックを消費することにより、以下の行動が可能になる。ES必殺技 通常の必殺技を強化したもの。「ES」は「エスペシャル」と呼ぶ。通常よりもダメージが大きいなど単純に効果を増大させるものが多いが、中には性質が全く変わる技も存在する。 初代での強化必殺技を基にしているが、『ハンター』以降は2ボタンを同時押しして通常の必殺技を出すと、ゲージを1本消費してES必殺技が発動するように仕様が変更された。技の発動中は体が変色して(『セイヴァー』以降は全員共通で青色に)光る演出も追加される。ES追い討ち攻撃 通常1ボタンで行う追い討ちを2ボタン同時押しで行うと、ES必殺技同様にゲージのストックを消費して通常のものよりもダメージの大きい追い討ち攻撃を行える。ダメージ量の増加はごく僅かであるため、相手の残り体力が少なく、通常の追い討ちではKOできないが強化版であればKOできる、という状況で使用するのが基本となる。 EX必殺技 初代での「スペシャル必殺技」と同様。『ハンター』以降では技を発動中のキャラクターの体は虹色に発光する。なお、モリガンの「ダークネスイリュージョン」のようなボタン順番押しコマンドのEX必殺技に限り、本来ならキャンセル不可能なチェーンコンボを強制的にキャンセルして出すことが可能になっている。通常はストックを1本消費して発動するが、『セイヴァー』以降はストックを2本または3本同時に消費する技も登場した。 ダークフォース 『セイヴァー』より追加。一定時間背景が変化し、特殊能力を発動できる。発動時に僅かな無敵時間が存在する。効果時間中は使用者のスペシャルストックゲージが一切増加しない。また、リバーサルでの発動はできない。ダークフォース チェンジ (『セイヴァー』) 『セイヴァー』ではキャラクター毎に効果が異なり、ゲージを1つ消費して「攻撃を受けてものけぞらない」「追加攻撃するユニットなどが追加」などの一時的な強化がなされる。弱・中ボタン、強ボタンで異なる2種類のダークフォースを所持しているキャラクターもいる。制限時間のゲージが0になると、技などの動作が終了した時点で強制的に終了ポーズとなり、隙が発生するというリスクがある。なお、制限時間内でも任意のタイミングで自分から終了させることもできるため、相手をダウンさせている間に解除して隙を軽減するということも可能。このタイプのダークフォースは、PS版『セイヴァー EXエディション』のゲーム内表記、およびPS2版『ダークストーカーズコレクション』の説明書では「D.F.CHANGE(ダークフォース チェンジ)」と呼称されている。これらの一部は、元は『ハンター』以前でのEX必殺技であったり、『セイヴァー2』と『ハンター2』でEX必殺技として引き継がれているものもある。技として扱われているため、それぞれに個別の技名が付けられている。 ダークフォース パワー (『セイヴァー2』『ハンター2』) 『セイヴァー2』と『ハンター2』でのダークフォースは全キャラクター共通のもので、ゲージを2つ同時に消費し「相手に与えたダメージが全て回復不能ダメージになる」、「自身の体力回復が速くなる」、「空中チェーンコンボが可能になる」、「特定のEX必殺技が強化される」といった効果が出る。任意の途中解除はできないものの、終了時の隙は存在せず、制限時間が終了すると技の動作中でも強制的に解除される。このタイプのダークフォースは、『EX エディション』と『ダクコレ』では「D.F.POWER(ダークフォース パワー)」と呼称されている。 さらに、『ダクコレ』内の『ハンター2』のアレンジバージョンでは、インパクトダメージゲージを採用していないため性質が少し異なり、体力回復の代わりに「攻撃力と防御力が上昇」「1発分の攻撃を受けてものけぞらない(スーパーアーマー)」という効果に変わっている。 『ヴァンパイア』ではスペシャルゲージが満タンになった後、一定時間の間にESもしくはスペシャル必殺技が1回だけ使えるという仕様であったが、『ハンター』以降はゲージが一杯になるとスペシャルストックゲージのストックが1つ増え、ES必殺技やEX必殺技を出すごとにストックを1つ消費するようになる。『セイヴァー』以降ではストックを同時に2つや3つ消費するEX必殺技なども登場している。ただし、『クロニクル』にて、ゲームシステムを「ヴァンパイアモード」にした場合、本来ならば2つ以上を消費するEX必殺技やダークフォースもスペシャルゲージを1回満たすのみで使用可能になる。 フレンドシップ 『セイヴァー』以降から追加された、いわゆる挑発。1試合に16回まで行うことができる。キャラクターによっては、状況や確率、特殊なコマンド操作などで数種類のフレンドシップを行える者もいる。基本的に効果は全くないが、一部のキャラクターは僅かな攻撃能力を持つ。必殺技扱いのため、通常技キャンセルでも発動可能。
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