物語上の動き(原作)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 09:40 UTC 版)
「エドワード・エルリック」の記事における「物語上の動き(原作)」の解説
詳細は「鋼の錬金術師#ストーリー」を参照 アメストリス国の東部にある小さな町リゼンブールの生まれ。錬金術師であるヴァン・ホーエンハイムとトリシャ・エルリックを両親に持ち、1歳下の弟にアルフォンス(アル)がいる。幼いころに父ホーエンハイムが家を出奔したため、母トリシャの女手一つで育てられるも、エドが9歳の時に流行り病で亡くなってしまう。母の存命時から父親の書斎に残された書物で錬金術を学んでいたエドは弟と共に、禁忌とされる人体錬成を用いて母親を蘇らせようと考える。独学に限界を感じていたところを、偶然リゼンブールに立ち寄った錬金術師イズミに兄弟で弟子入りすることで錬金術の基本と武術(体術)を学ぶ。2年の修行を終えてリゼンブールに戻ってきたエドは、アルと共に母の人体錬成を行うが失敗し、代償として右腕と左足、そして弟の身体を失う。 その数日後、偶然、将来有望な錬金術師を探していた軍人で国家錬金術師のマスタング中佐がリゼンブールを訪れ、エドと出会う。彼から元の体に戻るために国家錬金術師資格を取ることを勧められる。本来、万民のための技術とされる錬金術を国家や軍への奉職になる国家錬金術師は「軍の狗」と蔑まれるものであったが、エドは元の身体と弟の身体を取り戻すために提案を受け入れ、再起する。失った手足は幼馴染のウィンリィが製作した機械鎧で補い、短期間のリハビリを経て、12歳で国家錬金術師という偉業を達成する。そして、元の身体に戻る有力手段として伝説にある対価無しで術を行使できるという「賢者の石」を求め、アメストリス国中を弟と共に旅する(ここから本編開始)。 2年にわたる「賢者の石」を探す旅において、エルリック兄弟はリオールのレト教の真相を暴いたり、ユースウェル炭鉱のトラブルを解決するなど、各地で活躍するも、肝心の石は見つからない。さらにはウロボロスの入れ墨を持つ謎の集団(ホムンクルス)や国家錬金術師の命を狙う「傷の男(スカー)」の介入も受ける。イーストシティでは、親しくなった少女ニーナが、その父親のショウ・タッカーによって飼い犬と合成される悲劇にも見舞われ、この一件は後々まで尾を引く。偶然出会った元国家錬金術師で元軍医のティム・マルコーの情報を元に「賢者の石」の正体が生きた人間を素材としたものであること、さらにはその非人道的な実験に軍上層部が関わっていることを知る。南部へと向かい師匠イズミとの再会によって「賢者の石」以外を用いる新たな道を模索しようとする中で、ホムンクルスの一味から離反したグリードと出会う。これは結果としてデビルズネスト掃討戦に至り、ホムンクルスの一味の手がかりを失う。しかし、軍の動きに疑念を持ったエドは首都セントラルシティに向かうことを決める。 道中では東の大国シンからやってきたというリン一味と出会い、彼らに付きまとわれつつ、セントラルに着くとホムンクルスらの陰謀に巻き込まれたと思われる恩人ヒューズが殺害されていたことを知り、強い後悔に苛まれる。ヒューズ殺しに絡んだホムンクルスらの罠が張られる中で、エドは東の国境沿いのクセルクセス遺跡に赴くことになり、そこで偶然からウィンリィの両親殺しの犯人が「傷の男」だと知る。またセントラルに戻る道中で故郷に寄った際にホーエンハイムと再会し、反発しつつも彼の助言から母を人体錬成したモノを墓から掘り起こし、最大のトラウマと向き合う。そこで死者は生き返らせることができないという真理を確認し、別方向から自分と弟の身体を取り戻す方法を考え始める。 セントラルに戻るとホムンクルスらを誘き出すため、マスタングやリンらと協力し、「傷の男」を誘い出そうとする。グラトニーに飲み込まれるなどした末に、偶然にもホムンクルスらのアジトに迷い込み、そこでホーエンハイムにそっくりなホムンクルス一味の首領「お父様」と出会う。錬金術封じを用いる「お父様」には手も足も出ず、さらには大総統ブラッドレイの正体もホムンクルスだと判明し、マスタングと共に完全に追い込まれてしまう。ホムンクルスらはウィンリィを密かに人質扱いにした上で、エドたちを大事な人柱だとして目的の日までの安全を保証する。しかし、彼らの狙いが国土全体に賢者の石の錬成陣を書き、アメストリス国民全員を石の材料にしてしまう計画だと分かり、これを阻止しなければならない。エドとアルは、ホムンクルスらの監視下の中で、錬金術封じが効かなかった「傷の男」と行動を共にする少女メイに手がかりを求め、彼女が向かったという北方ブリッグスを目指す。 ブリッグス要塞のオリヴィエ少将とは当初信用されず険悪な関係であったが、偶然に迷い込んでしまったスロウスの件に対処したことで信頼を勝ち得る。軍上層部の陰謀も教えた上でオリヴィエを協力関係を構築し、共に「傷の男」を捕まえようとする。ホムンクルスらの尖兵として派遣されてきたキンブリーの介入を受けながらも、むしろ彼が人質として連れてきたウィンリィを、協力関係を結んだ「傷の男」に託すことで、ホムンクルス一味を出し抜くことに成功する。しかし、その騒動の中でエドは重傷を負い、アルや他の仲間たちからははぐれてしまう。離反したキンブリーの部下ダリウスらの助けを得て潜伏生活を送り、またホムンクルスのグリードにされるも再び出奔したリンからの伝言を受け、ホムンクルスらの計画が成就する日を「約束の日」と呼んで、その日に向けて、今まで出会った仲間たちや協力者たちとの反攻作戦を計画する。 「約束の日」。マスタングや東方軍、オリヴィエのブリッグズ兵、「傷の男」一行やイシュヴァール人、リンらシンの者たち、さらに父ホーエンハイムや師匠イズミらと共にエドは行動を起こし、表向きは大総統府へのクーデターを起こしつつ、ホムンクルスたちの陰謀を破綻させようとする。しかし、ホムンクルスたちも手強く、結局、彼らが人柱と呼んだエド、アル、マスタング、イズミ、ホーエンハイムは捕まってしまい、国土錬成陣が発動してしまう。これによって「お父様」は神と呼ぶ、長大な力を自らの内に取り込み、目標を達したかに見えたが、それを見越していたホーエンハイムと「傷の男」によって逆転の錬成陣が発動し、むしろ「お父様」は中途半端に力を失って追い込まれてしまう。それでもなお、強力な錬金術を行使する「お父様」を相手に、エドたちは一丸となって抵抗し、追い詰めていく。決戦の最中に機械鎧の右腕を完全に破壊されピンチに陥るが、アルが自身の魂を代価に生身の右腕を再錬成、そこからお父様を圧倒、勝利に至る。アルを失うも、エドは既に答えに気づいており、自らの「錬金術」を対価に「真理の扉」を開き、そこからアルの全身を取り戻す。 決戦から2年後。錬金術を失ったエドだが、アルと共にニーナのような悲劇を繰り返さないため、様々な学問や知識を手に入れようとしていた。そのために再び旅に出ることを決意し、旅立つ時に不器用ながらウィンリィにプロポーズする。その後、エピローグではウィンリィと結婚して二児の父親になったことなどが描写されている。
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