復原工事とは? わかりやすく解説

復原工事

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 09:42 UTC 版)

東京駅」の記事における「復原工事」の解説

復原工事に先立って2006年平成18年3月17日 - 31日丸の内駅舎内で「東京駅ルネッサンス」が開催され2007年平成19年5月30日より、鹿島清水鉄建 建設共同企業体担当となって駅舎本来の姿に近い形態復原する工事開始された。この工事では、鉄骨鉄筋コンクリート壁で躯体増築し建築当初3階建て戻した上で外壁尖塔南北ドーム内外意匠再現し新たに地下1・2階増築し免震装置設置した免震装置には地上部分と地下部分との間に免震ゴムオイルダンパー設置した3階外壁は、創建当初と同じ仕様厚さ 15mm化粧煉瓦貼っ外壁復原した。戦後修復2階移されていたイオニア式柱頭当初3階移設し、支柱形状創建時のものに戻した失われていた花崗岩柱頭飾り高欄モックアップ用いてディテール施行方法検証し創建当時意匠復原した。2階以下は既存構造煉瓦と同じ厚さ 15mm と 45mm の化粧煉瓦貼った(下駄っ歯積み)。線路側はコンコース側の壁を撤去しトップライトから採り入れ自然光復原された丸の内駅舎を見ることが出来るようにした。 ドーム内部保存復原基本方針部位によって異なり3階上の壁面天井面は、干支2m超える大きさワシ彫刻レリーフ存在した創建時意匠忠実に再現し1階2階は、3階上の部分調和図りながらも機能性優れた新しデザインとした。3階張出部を支えていた装飾付き鉄骨支柱は、RC補強され円柱かわったために、全体として機能的な装飾のない意匠となったドーム施されレリーフ南北ドームで全く同じである。 工事による一時解体に伴いそれまで使用していた雄勝石屋根材65,000産地でもある宮城県石巻市雄勝町業者送られて、選別清掃補修した上で倉庫保管されていた が、東日本大震災発生した津波塩害を蒙った。このため使用可能と判断され45,000のみが復原駅舎でも再利用され、不足した2万スペイン産のスレート補われた。なお、工事全体では約457,000スレートが必要とされていたため、再利用分を除いた残りのうち15,000石巻市業者製作したものを使用し残りスペイン産で補う計画であったが、この業者工場津波によって壊滅し出荷前の天然石スレート津波流された。震災後流されスレート回収洗浄検品され、使用可能な7000東京送られた。 ドーム部分屋根は、建設当時銅板葺き戻され、0.4mmの銅板合計1トン使用された。時計下の外壁レリーフ2m四方銅板3枚使って叩き出されたものを使用した線路側の中央部屋根ガラス化して、屋根裏ホテルゲストラウンジにした。外観はどうなっていたかはわかるにしても裏側がどうなっていたかがなかなかわからなかったが、幸いにも写真が見つかり、細部コンピューター処理解析をした。復原に際して屋根裏残されいたもの一部再利用している(長らく屋根裏高熱曲がった鉄骨まで残されていた)。 外壁花崗岩は、中央部御車寄せ周り1階腰石が北木産花崗岩北木石)で、その他は全て稲田花崗岩である。保存・復原工事に際しては、広場復原部には稲田花崗岩線路側は中国花崗岩それぞれ使用したが、国内では職人の数も減り丸の内駅舎の全ての花崗岩加工することは難しいことから、中国での加工とした。稲田花崗岩日本切り出し中国運び中国加工のうえ、日本戻し丸の内駅舎へ取り付けた。タイルレンガの目地には覆輪目地施工されているが、既に失われた施工方法となっており、職人が3か月間の試行錯誤で、技術と道具復活させて再現している。 窓枠には全て三協立山製のサッシ採用された。新し窓枠アルミニウムフッ素樹脂塗装されたものであるが、大正時代には木製建具主流であったことから、過去文献調査だけでなく辰野金吾設計した岩手銀行中ノ橋支店視察するなど試行錯誤の末、色合いを木の風合いにできる限り近づけた「東京駅専用ビルサッシ」を新たに開発した。また窓の装飾使われるアルミ鋳物三協立山手掛けた2012年平成24年6月10日に、復原された駅舎一部1階部分)が再開業し、同年10月1日全面再開業した。また、復原工事に伴って2006年平成18年4月から営業休止していた駅舎内の「東京ステーションギャラリー」(東日本鉄道文化財団運営)も全面再開業と同日拡大再開業し、翌々日3日には「東京ステーションホテル」も規模拡大して再開業した。地下には新規にレストラン開業した。 さらに、丸の内駅舎の復原工事に併せて改札内1階商業施設Central Street(セントラルストリート)」を開業する工事が行われた。同年8月9日に2店舗先行開業 し同年10月1日グランドオープンした。 復原工事費用(約500億円と新聞などで伝えられている)はJR東日本などが「空中権売買」を行って捻出した(詳細は「特例容積率適用区域制度参照改修前駅舎2006年3月改修前ドーム内部2006年3月26日保存復原工事の状況2009年11月保存復原工事により、南ドーム姿を現す2011年3月復原されたドーム内部2012年10月ライトアップされ保存復原工事後の駅舎2020年12月ウィキメディア・コモンズには、東京駅丸の内駅舎保存復原工事に関連するカテゴリありますウィキニュース関連記事あります東京駅赤レンガ駅舎復元工事終えグランドオープン (2012年10月1日)

※この「復原工事」の解説は、「東京駅」の解説の一部です。
「復原工事」を含む「東京駅」の記事については、「東京駅」の概要を参照ください。

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