双角会
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相馬 多軌子(そうま たきこ) 声 - 金元寿子 先の大戦時、土御門夜光の呪術的才能に目を留め、彼を軍部へと招いた一族「相馬」の末裔。周囲からは「姫」と敬称され、自身もそれに相応しい品格を備えている。 外見は春虎達と同年代の赤毛の少女であり、基本的には純粋で人懐っこい雰囲気を持つ。しかし、その特殊な生い立ち故か世俗や人の心の機微に疎く、またその盲目的な思考傾向により人に自分の考えを押し付けてしまう悪癖がある。たとえ相手を迷惑をかける行為であっても、相手に理解が足りていないために起きる悲劇なのでいずれ相手の為になると考えている。このため自分が無自覚で悪意をもたらしていることは思い至ってすらいない。鈴鹿以上に一般常識に疎い上に他人との距離の取り方は壊滅的であり、北斗を巡る関係を話し合えないでいる夏目と春虎の関係上に話すべきことを話さず尋ねるべきことを尋ねない性格が後に夏目の死を招いてしまう。 自身を「土御門夜光の盟友」であると語り、かつて彼と共に挑み、果たすことができなかった「相馬の悲願」の達成を目的に行動を開始する。使命感と共に孤独感を抱いており、使命を共有し共に歩む盟友を求めている。そのため土御門の一族、特に夜光という存在に対し非常に強い執着心を抱き、彼の一日も早い覚醒を願っている。 真の双角会の一員としての身分を隠し、春虎達に接近。彼女自身は土御門家やその学友達に対し好意的に接するが、理由や真実を明かさぬまま自分の望みを一方的に押し付ける行動が災いし、春虎や夏目に拒絶される。それでも自らを正しいと信じ切る態度は改まらず、更に春虎と夏目にまつわる泰純の偽装工作を知ったがために暴走。春虎や夏目の意思を無視して「鴉羽」を解放し、結果として夏目の命を奪うという春虎達に悲劇をもたらしてしまう。その後、夏目が死んだと聞いて激しく取り乱したと蜘蛛丸が春虎に語っており、祓魔局に侵入した春虎たちの前に現れた時には泣き腫らした様子を見せ、夏目の遺体を素直に引き渡した。 第二部では、陰陽庁で監視を受けながら研究を任されている鈴鹿に頻繁に接触し、彼女と友達になろうと努力していた。そして二月末日、泰純たちが拘束され夏目が一人で逃亡しているニュースを見て、夜叉丸と蜘蛛丸が自分の側から離れた理由に気付き、倉橋源司と面会して自分も現場に行くことを承諾させ、ヘリで向かった。そして、現場でヘリから飛び降りると「神降ろし」を行った事で霊脈が脈動し、複数の霊災が発生した。しかし、春虎が鎮魂の呪文で多軌子を鎮めたことで意識を失い、夜叉丸に受け止められた。「神おろし」を一時的ではなく継続的に行うよう試みた影響で時間が経っても感情の起伏が希薄な状態になっており、鈴鹿から観れば完全にトランス状態という危険な兆候が見られていた。更に自分の好意が受け入れられない場合は一瞬で感情が爆発しかねない状況に陥っており、人として引き返せない領域に踏み込みつつあった。そして、想定を超えた春虎の奇襲と呪術ではなく拳銃で使うという大友の強襲により源司を失うも、自身に平将門を降臨させることには成功した。比良多 篤祢(ひらた あつね) 声 - 石田彰 呪捜部を引退した大友の後釜として、双角会の捜査をしていた呪捜官。髪の一部が赤い房になっている青年で、天海曰く「呪捜部のホープ」。双角会と内通していたが、作中に登場するのは多軌子が呪術で変装していた姿であり、本来の比良多の所在は不明。 大連寺 至道(だいれんじ しどう) / 夜叉丸(やしゃまる) 声 - 櫻井孝宏 元宮内庁御霊部部長で、元十二神将。二つ名は「導師(プロフェッサー)」。鈴鹿の父。倉橋源司とは陰陽庁の同期で、昵懇の仲でもある。 性格は軽薄かつ冷酷で、自分自身や実子を平気で呪術の実験台にする狂人。鈴鹿曰く性格のアバウトさは彼のヤバさに直結している。 「上巳の大祓」を起こし、自らはフェーズ4「タイプ・オーガ」と化して死亡する。しかしそれから数年後、「相馬の秘術」により式神・八瀬童子として転生。生前の記憶を保持したまま多軌子の使役式として復活し、自らを「夜叉丸」と名乗る。外見は、多軌子に合わせて右眼にモノクルを装着した青年の姿を取っている。生前を遙かに凌ぐ強大な力を蓄えており、初登場時には「鴉羽」を纏った春虎、鬼化した冬児、そして鈴鹿の三人を容易く一蹴した。 元は相馬家の傍系で旧名は相馬至道といい、神道系の大家である大連寺家に婿入りした。 第二部でも多軌子と行動を共にしており、相変わらず陰陽庁の長官室に無断で侵入している。 六人部 千尋(むとべ ちひろ) / 蜘蛛丸(くもまる) 声 - 諏訪部順一 元宮内庁御霊部のナンバーツーで、かつての至道の片腕。双角会の一員にして「上巳の再祓」の首謀者であり、騒動中に禅次郎と相対するも、自らかけた呪術によって自殺した。陰陽師としての腕は一流であり、十二神将の禅次郎でも手こずるほどの実力を誇る。夜光の信奉者で、テロ決行前に見かけた夏目を北辰王と呼んでいた。土御門家の偽装工作を知った多軌子に荷担し、春虎に鴉羽を着せるも結果として夏目を死なせてしまい、春虎に謝罪していた。至道の弟子として教えを受けた影響から、至道同様人の精神を熟知し利用するという恐ろしさを持っており、同時に至道と違い、人並みの「情」を持っている。 至道共々「相馬の秘術」により式神・八瀬童子として復活し、自らを「蜘蛛丸」と名乗る。至道同様に八瀬童子としての強大な力を有し、暴走したシェイバ以上の手強さを見せる。 第二部でも、多軌子と行動を共にしている。 佐竹 益観(さたけ ますみ) 新民党の若手議員。大連寺至道の甥であり、佐竹家にとって相馬家が主家にあたる。御霊部設立にも関わっていた。双角会の裏の絡繰りを知っている一人でもある。表向きは女性受けの良い政治家であり天海からは芸能人のような政治家と酷評されている。一方で政治の裏世界では有力者たちにも顔が広く、選挙の際とはまるで違う実務家としての顔を本性を発揮している。しかし多軌子の評価としてはその本性すらも偽物であり、本人も気づいていない益観の本性は破滅志向に傾倒していると見抜かれている。このため天海のネット動画による告発という起死回生の手段で追い詰められても焦らないのは余裕ではなく、追い詰められてることもそれはそれで彼にとっては愉悦の一つに過ぎないためであった。 牧原 義隆(まきはら よしたか) 声 - 最上嗣生 双角会の一員で、表向きは祓魔局新宿支局の祓魔官。六人部とは陰陽庁に入庁した時の同期である。源司たちによる真の双角会によって作られたマッチポンプ用の双角会に所属していることには最期まで気づくことなく、双角会の指導的役割を担うことになっていた。双角会において夜光の信奉者でありながらも狂信しているわけではなく、陰陽道の発展のために夜光の偉業に倣うべきという多軌子たちと同じような思想を持ち、それゆえ夜光にすがりつく部下の信者たちに隔絶と責任を感じている。 源司たちによる真の双角会によって仕組まれた過去二回の震災テロに対しても何とか阻止しようと奔走していたらしく、表向きは嘆きつつも本心では狂喜していた同僚たちに虚しさを感じていた。彼の目的はあくまで社会の隅に追いやられている陰陽師たちの待遇改善であり、明らかに過重労働を強いられてる現状を合法的に解決するための労働組合に近い組織を目指していた。 7巻での双角会掃討作戦で同志と共に呪捜部から追い詰められて脱出を目指すが、双角会のカラクリを知らずに口封じのため、比良多(多軌子)に拳銃で射殺された。 呪搜官の夜光信者 / ニセ飛車丸 声 - 上田燿司 春虎が入塾する前に夏目が夜光信者に襲われた件で夏目に取り調べを行っていた呪搜官。道満から自分が飛車丸の生まれ変わりだと聞かされてそれを信じ、彼から角行鬼の偽物を式神として受け取っている。さらに長期間による暗示を受けていたため、人格が自分のものと角行鬼を名乗るものの二つに乖離している。夜光の生まれ変わりである夏目に心酔するが、その信仰は歪んでおり、自分の理想像を夏目に押し付けている。アニメではオネエになっている。 夏目が春虎と喧嘩をして別れた際に正体を現し彼女を拉致。夏目に大きな影響を与える春虎を嫌悪し蠱毒によって抹殺しようとした。蠱毒を返され春虎たちが駆けつけたことで退散しようとしたが、夏目から妄想と呼び捨てられ拒絶されたことで激情を顕にし、偽の角行鬼を使って春虎たちを襲う。しかし春虎に角行鬼の制御用仮面を割られて動転し、逃亡。逃亡中に大友に拘束され、陰陽庁に引き渡される。 高坂(こうさか) 声 - 家中宏 アニメにて登場。陰陽庁で呪具の鑑定の仕事をしていた男。呪捜部の動きを察知し、同志たちと落ち合い、信者たちの音頭を取っていた。牧原の指示で霊災に乗じて逃亡を図るも、取り押さえられる。
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双角会
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狂信的な夜光信者たちによる秘密結社で、2年前の霊災テロと3巻の霊災テロの首謀とされている。だが、その実体は夜光塾から分かたれ、夜光の「もう1つの意志」を継ぐ者たちによるもう一方の一派による結社である。現在は倉橋家と相馬家の二家によって活動しており、主に相馬家が信者たちの扇動、処理を行っており、天海によって表向きの構成員がすべて検挙され、表向きには壊滅したとされている。
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