博覧会計画
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三笠市内の炭鉱閉山後の地域振興策の一環として1987年開催予定で地方博覧会「北海道交通科学博覧会」が計画されていた。1985年10月に実行委員会を発足し、1986年1月に基本構想が発表され幌内線周辺の2ヶ所を会場に1987年夏季の開催を計画した。 鉄道村の開業と連動し市制30周年や道央自動車道三笠インターチェンジ完成・桂沢経由の道道夕張芦別線開通といった広域交通網の整備完成が重なる記念すべき年に合わせ三笠市の活性化と施設拡充・三笠市の新しい姿とあり方を広く道内外にアピールし交通機関・鉄道が人々に与えた夢やロマン・新しい交通を多くの来場者に体験させる参加型のイベントを目指すとしていたが、10月に鉄道村施設の建設遅延を受けて開催中止とした。 開催計画 会期:1987年6月20日 - 8月30日 主催:三笠市、三笠市商工会、北海道新聞社 愛称:ミカサエクスプレス - 三笠を過去から未来への超特急に見立てた命名とした。 略称:交通博 テーマ:21世紀の交通システムと明日の北海道を考える 入場目標:50万人 総事業費見込み:7億円前後 会場主会場:三笠運動公園(15万平米) - 21世紀の交通システムを展示するテーマゾーン、過去の乗り物や世界の珍しい乗り物を紹介するディスプレイゾーンなど6ゾーンを展開。 副会場:三笠鉄道村(1万5000平米) シンボルマーク:広く地球的な発想をイメージした円の中に三笠の頭文字「M」をデザイン化した白のラインを入れ新生三笠が未来へ広がることを強調し、上側に三笠の青い空を示すブルー・下側にまちづくりに懸ける市民の熱いエネルギーを示すオレンジを配した。 イベント飛行船デモフライト、全道国鉄乗り継ぎラリー、全日本ラリー選手権、マイクロ飛行機デモフライト、自転車ロードレース、トライアスロン駅伝、石鹸箱カーレース、全道少年サッカー選手権など この他北海道鉄道発祥の街三笠のアピールや博覧会全体の盛り上げを目的にD51機関車の復活計画も検討されていた。 アクセス臨時特急列車「ミカサエクスプレス号」(札幌駅-三笠駅) 会場間輸送:SL弁慶号と開拓使号客車・蒸気自動車・幌馬車の運行を計画した他、リニアモーターカーの出展も検討されていた。 パビリオン・施設 三笠運動公園基本構想時アプローチゾーン(歓迎ゾーン) - 三笠駅や鉄道記念館までの蒸気自動車・馬車・バスのターミナルを設け、テーマゾーンへのメインストリートに鉄道馬車などの屋外展示や音楽隊などの演出で華やかに歓迎を演出する。 テーマゾーン - リニアモーターカーやエアコミューターなど21世紀の交通システムの展示で明日の北海道を展望する。 ディスプレーゾーン(展示ゾーン) - 古き良き時代のクラシックカーなどを集めたコレクションやレオナルド・ダ・ビンチの世界をはじめとして、空想と科学や世界の珍しい乗り物など企業展示を含めつつユニークなゾーンを形成する。 メルヘンゾーン(おとぎの国ゾーン) - ミニSL、サイクルモノレール等の乗り物を通しおとぎ話の世界を体験させる。 イベントゾーン(お祭り広場) - 人力飛行機大会、飛行船、マイクロマウスロボット大会などの参加性の高いイベントや飛行船のデモンストレーションなどを繰り広げる。 バザールゾーン(買物広場) - 国内・世界の旅のロマンを満喫できる特売会、三笠特産品の即売やPRコーナーを展開する。 パビリオン構想時軌道交通の科学 出発(たびだち)ステーション - 北海道開拓に大きな役割を果たした鉄道やリニアモーターカーなど21世紀の軌道交通の出発をイメージした展示を展開。 海・空・宇宙 夢のポートパビリオン - レオナルド・ダ・ビンチが考案した交通機関を中心に、夢ある21世紀の乗り物を幅広く紹介する。 道路交通の科学 すばらしいクルマ館 - クラシックカーから安全快適で個性的な21世紀の車まで自動車の世界を展示する。 情報通信と地方の時代 コミュニランド(情報通信館) - 暮らしに関わるコミュニケーションの全てを紹介し明日の北海道を展望する。 明日の空知館 - 空知の観光と産業や管内27市町村の魅力を紹介し空知圏の明日を展望する。 バザール館 特設展示場 特設企業館 イベント広場 体験ゾーン メルヘンパーク レストラン 三笠鉄道村(基本構想時)静態保存 - 救援車・ラッセル車などの実物の鉄道車両の展示や改装トロッコの運行を展開。 動態展示 - 三笠駅と鉄道記念館を結ぶ体験乗車列車として弁慶号・開拓使号などの運行を予定。 レストラン・ホテル - 改造列車を用いてレストランやホテルを運営。 ターミナルゾーン - 主会場とを結ぶ蒸気自動車・リムジンバス・馬車のターミナル。 ミカサエクスプレス - 特別仕様の豪華列車を期間中札幌駅-三笠駅間で運行。 沿革 1985年10月11日 - 三笠市が商工会・北海道新聞共催による交通科学博覧会計画を公表。 11月13日 - 博覧会実行委員会発足。 1986年1月27日 - 第2回実行委員会にて基本構想を決定。 2月16日 - 北海道知事・教育長や国鉄北海道総局長に後援依頼・役員委嘱。 3月3・4日 - 道内選出国会議員に後援依頼・顧問委嘱。 3月12日 - シンボルマーク入選作発表。 6月2日 - 第3回実行委員会で会場構成・パビリオン構想を決定。 7月 - 鉄道記念館本体工事完成。 8月 - 空知管内や札幌にてPR活動を実施。 9月18日 - 鉄道記念館館内の展示工事請負契約案(予算2億900万円)が三笠市議会で否決。「幌内炭鉱がどうなるかわからない重大な局面を迎えた現在財源はできるだけ確保すべき」「展示工事説明や付属資料が不備で契約内容が杜撰」「市理事者の議会への対応が不適切」といった理由が挙げられた。 10月17日 - 展示工事請負契約の難航による鉄道村建設遅延を背景に、第4回実行委員会にて中止を決定。
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