二酸化三炭素とは? わかりやすく解説

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にさんか‐さんたんそ〔ニサンクワ‐〕【二酸化三炭素】

読み方:にさんかさんたんそ

3個の炭素と2個の酸素結合した炭素酸化物常温常圧無色透明気体有毒で強い刺激臭がある。空気中で燃焼する青色の炎を出して燃える。また、光によってさまざまな重合体生じる。亜酸化炭素炭化カルボニル無水マロン酸


亜酸化炭素

(二酸化三炭素 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/10 02:05 UTC 版)

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亜酸化炭素
識別情報
CAS登録番号 504-64-3
PubChem 136332
ChEBI
特性
化学式 C3O2
モル質量 68.0309 g mol−1
示性式 O=C=C=C=O
外観 無色透明の気体
密度 0.906 ± 0.06 g/cm3, 298 K, 気体
融点

−107 °C, 166 K, -161 °F

沸点

6.8 °C, 280 K, 44 °F

構造
分子の形 直線形
関連する物質
関連する酸化物 二酸化炭素
一酸化炭素
一酸化二炭素
三酸化炭素
関連物質 ジシアノアセチレン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

亜酸化炭素(あさんかたんそ、carbon suboxide)とは、3個の炭素と2個の酸素が4つの集積二重結合をもって連なったクムレン型化合物である。次酸化炭素(じさんかたんそ)、二酸化三炭素(にさんかさんたんそ、tricarbon dioxide)とも呼ばれる。常温・常圧では無色の気体で、強い刺激臭を有する。有毒であり、二硫化炭素などの溶媒に溶解する[1]。また、炭素の酸化物のうち炭素の数が酸素の数よりも多いものを総称して亜酸化炭素と呼ぶこともある[1]

ベンジャミン・コリンズ・ブロディ一酸化炭素に電流を流すことによってこの物質を発見(1873年)し[2][3]マルセラン・ベルテロは亜酸化炭素と名付けた[4]。また、オットー・ディールスはジカルボニルメタン、ジオキサレンという名称も正しいと述べている。

亜酸化炭素は、十酸化四リンマロン酸またはマロン酸のエステルとの乾燥混合物を加熱することで合成される[5]。このように、亜酸化炭素はマロン酸を脱水した化合物と見なすこともでき、無水マロン酸とも呼ばれる[1]

亜酸化炭素は光によって容易に反応し、赤や黄、紫など、多様な色の重合体を生じる。1969年には、火星表面の赤色は亜酸化炭素の重合体に由来するとの説も提唱されたが[6][7]、その後の探査でこの仮説は否定され、火星の色は酸化鉄によるものだと結論付けられている[8]

脚注

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  1. ^ a b c 斉藤、水野『化学大辞典』1、化学大辞典編集委員会(編)、共立、1981年10月、縮刷版第26版、57-58頁。
  2. ^ Brodie B. C. (1873). "Note on the Synthesis of Marsh-Gas and Formic Acid, and on the Electric Decomposition of Carbonic Oxide". Proceedings of the Royal Society (London) 21: 245-247.
  3. ^ Brodie B. C. (1873). "Ueber eine Synthese von Sumpfgas und Ameisensäure und die electrische Zersetzung des Kohlenoxyds". Annalen der Chemie 169: 270. doi:10.1002/jlac.18731690119.
  4. ^ Marcellin Berthelot (1891). "Action de la chaleur sur l'oxyde de carbone". Annales de chimie et de physique 6 (24): 126-132.
  5. ^ Diels O, Wolf B (1906). "Ueber das Kohlensuboxyd. I". Chemische Berichte 39: 689-697. doi:10.1002/cber.190603901103
  6. ^ William T. Plummer & Robert K. Carsont, "Mars: Is the Surface Colored by Carbon Suboxide?", Science 166, 1141 (1969). doi:10.1126/science.166.3909.1141
  7. ^ 小森長生, 「火星の地質学3」, 地質ニュース 224, 22, 実業公報社 (1973). [1]
  8. ^ Mark Peplow (2004年5月6日). “How Mars got its rust”. BioEd Online. http://www.bioedonline.org/news/news-print.cfm?art=953 2010年2月5日閲覧。 

関連項目

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