酸化ネオジム(III)とは? わかりやすく解説

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酸化ネオジム(III)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/21 14:07 UTC 版)

酸化ネオジム(III)
識別情報
CAS登録番号 1313-97-9 
特性
化学式 Nd2O3
モル質量 336.48 g/mol
外観 明るい青がかった灰色の六方晶
密度 7.24 g/cm3
融点

2233 °C, 2506 K, 4051 °F

沸点

3760 °C, 4033 K, 6800 °F [1]

への溶解度 .0003 g/100 mL (75 °C)
磁化率 +10,200.0·10−6 cm3/mol
構造
結晶構造 六方、hP5
空間群 P-3m1, No. 164
熱化学
標準生成熱 ΔfHo −1807.9 kJ·mol−1
標準モルエントロピー So 158.6 J·mol−1·K−1
標準定圧モル比熱, Cpo 111.3 J·mol−1·K−1[1]
関連する物質
その他の陰イオン 塩化ネオジム(II)
塩化ネオジム(III)
その他の陽イオン 酸化ウラン(VI)
酸化プラセオジム(III)
酸化プロメチウム(III)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

酸化ネオジム(III)(さんかネオジム さん)は、Nd2O3分子式で表される、ネオジム酸素化合物である。薄い灰色がかった青色を呈し、結晶構造は六方晶をしている[1]。混合物のジジミウムは、その一部を酸化ネオジムが占めるが、古くは元素であると信じられていた[2]

用法

酸化ネオジムは、サングラスなどのガラス製品に添加したり、固体レーザーを作製したり、ガラスやエナメルを着色するために使われる[3]。酸化ネオジムが添加されたガラスは、黄色・緑色に対する高吸光度のために、紫色を呈する。そのため、溶接に使うかぶり面のガラス部分にも使われる[4]。更に、ある種の酸化ネオジム添加ガラスには、二色鏡のように使えるものもある。つまり当たる光によって多様に色を変化させるのである[5]。全世界でおよそ7000トン/年の酸化ネオジムが生産されている。重合触媒としても利用される[4]

化学反応

酸化ネオジムは窒化ネオジムや水酸化ネオジムが空気中で燃焼すると生成される[6]

脚注

  1. ^ a b c Lide, David R. (1998), Handbook of Chemistry and Physics (87 ed.), Boca Raton, FL: CRC Press, pp. 471; 552, ISBN 0-8493-0594-2 
  2. ^ Brady, George Stuart; Clauser, Henry R.; Vaccari, John A. (2002), Materials Handbook (15 ed.), New York: McGraw-Hill Professional, pp. 779, ISBN 978-0-07-136076-0, https://books.google.com/books?id=vIhvSQLhhMEC&pg=PA779&dq=%22Neodymium+oxide%22 2009年3月18日閲覧。 
  3. ^ Eagleson, Mary (1994), Concise Encyclopedia of Chemistry, Springer, pp. 680, ISBN 978-3-11-011451-5, https://books.google.com/books?id=Owuv-c9L_IMC&pg=PA680&dq=%22Neodymium(III)+oxide%22 2009年3月18日閲覧。 
  4. ^ a b Emsley, John (2003), Nature's Building Blocks, Oxford University Press, pp. 268–9, ISBN 978-0-19-850340-8, https://books.google.com/books?id=j-Xu07p3cKwC&pg=PA268&dq=%22Neodymium+oxide%22 2009年3月18日閲覧。 
  5. ^ Bray, Charles (2001), Dictionary of Glass (2 ed.), University of Pennsylvania Press, pp. 103, ISBN 978-0-8122-3619-4, https://books.google.com/books?id=KbZkxDyeG18C&pg=PA102&dq=%22Neodymium+oxide%22 2009年3月18日閲覧。 
  6. ^ Spencer, James Frederick (1919), The Metals of the Rare Earths, London: Longmans, Green, and Co, pp. 115, https://books.google.com/books?id=W2zxN_FLQm8C&pg=PA115&dq=%22Neodymium+oxide%22 2009年3月18日閲覧。 



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