主な恒例祭
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 02:18 UTC 版)
歳旦祭(さいたんさい)内宮1月1日7時 外宮1月1日4時 新年を祝い、皇室の弥栄・五穀の豊穣・国家の隆昌・国民の平安をお祈りする祭りで、若水をはじめ、御飯・御酒・海・川・山・野の種々の神饌を供える。 元始祭(げんしさい)内宮1月3日7時 外宮1月3日4時 宮中三殿で天皇自らが行う元始祭に合わせ、神宮においても両宮をはじめ諸宮社に祭りを奉仕し、皇位の無窮を祈る。 一月十一日御饌(いちがつじゅういちにちみけ)内宮1月11日10時 「神様の新年会」とも呼ばれる。内宮の四丈殿において、天照大御神・豊受大御神をはじめ神宮の諸宮社のすべての神々に御饌を供進する祭りで、一年に一度、この祭りで神宮の神々が一堂に会して天照大御神や豊受大神と会食を行うとされる。午後1時頃からは五丈殿で歌舞「東遊」が奏行される。 建国記念祭(けんこくきねんさい)内宮2月11日11時 外宮2月11日7時 神武天皇が初代天皇に即位された日を我が国のはじめとして祝う。両正宮をはじめ諸宮社に大御饌をお供えしてお祭りを執り行い、我が国の平安・発展を祈る。 祈年祭(きねんさい)内宮2月17日、大御饌11時・奉幣14時 外宮2月17日、大御饌4時・奉幣7時 「としごいのまつり」とも読む。春の耕作始めの時期にあたり、天皇が宮中で祈年祭を行い五穀の豊穣を祈るのに際し、神宮でも天照大御神をはじめとする神々にお食事を供える大御饌の儀が行われ、続いて勅使が天皇陛下の幣帛を奉る奉幣の儀が行われる。祈年祭は両正宮に引き続き2月23日まで、すべての宮社で執り行われる。 御園祭(みそのさい)神宮神田3月20日10時 神嘗祭の付属祭祀。神宮の神田において、神宮の祭りに供える野菜・果物の豊かな稔りと、農作業に携わる人々の安全を祈念し、併せて全国の農作物の成育と農業の発展を祈る。 神田下種祭(しんでんげしゅさい)神宮神田4月上旬9時 神嘗祭の付属祭祀。神宮神田で神嘗祭をはじめ諸々の祭典に供える御料米の種を蒔く祭り。 風日祈祭(かざひのみさい)5月14日内宮9時、外宮5時 8月4日内宮9時、外宮5時 両正宮をはじめ諸宮社の大御前に幣帛・御笠・御蓑を奉り、天候が順調で風雨の災害がなく、五穀の稔りが豊かであるように祈る。 神御衣奉織始祭(かんみそほうしょくはじめさい)5月1日神服織機殿神社、神麻続機殿神社、各9時 10月1日神服織機殿神社、神麻続機殿神社、各8時 神御衣祭の付属祭祀。和妙(にぎたえ)・荒妙(あらたえ)の織り始めを神に奉告する。 神御衣奉織鎮謝祭(かんみそほうしょくちんしゃさい)5月13日神服織機殿神社、神麻続機殿神社、各8時 10月13日神服織機殿神社、神麻続機殿神社、各8時 神御衣祭の付属祭祀。和妙・荒妙が織り上がったことを神に感謝する。 神御衣祭(かんみそさい)5月14日内宮12時、荒祭宮(正宮の後) 10月14日内宮12時、荒祭宮(正宮の後) 服織機殿神社・神麻続機殿神社において古式の方法により奉織された和妙と荒妙の神御衣を奉る。和妙は絹製で夏の御料、後者は綿製で冬の御料とされている。 御酒殿祭(みさかどのさい)6月1日内宮御酒殿10時 10月1日内宮御酒殿10時 12月1日内宮御酒殿10時 神嘗祭の付属祭祀。内宮神楽殿の東側に隣接する御酒殿において、三節祭の由貴大御饌にお供えする御料酒(白酒・黒酒・醴酒・清酒)がうるわしく醸成できるよう、また全国酒造業の繁栄を御酒殿の神に祈る。 月次祭(つきなみさい)内宮6月16日22時、6月17日2時 外宮6月15日22時、6月16日2時 内宮12月16日22時、12月17日2時 外宮12月15日22時、12月16日2時 神嘗祭と共に三節祭と呼ばれ、最も重要な祭事の1つとされ、外宮内宮両正宮に続き、別宮、摂社、末社、所管社で25日まで行われる。祭儀の内容は神嘗祭参照。ただし勅使の参向はない。 抜穂祭(ぬいぼさい)神宮神田9月上旬10時 神嘗祭の付属祭祀。諸祭典に供える御料米の初穂を抜き奉る祭り。稲の収穫にあたっては、古来のやり方にならい、忌鎌で稲を刈ってその穂を一本ずつ抜いて束ねる。収穫した稲は、内宮は御稲御倉に、外宮は忌火屋殿内に奉納される。 神嘗祭(かんなめさい)内宮・由貴夕大御饌10月16日22時 外宮・由貴夕大御饌10月15日22時 内宮・由貴朝大御饌10月17日2時 外宮・由貴朝大御饌10月16日2時 月次祭と共に三節祭と呼ばれ、最も重要な祭事の1つとされ、外宮内宮両正宮に続き、別宮、摂社、末社、所管社で25日まで行われる。伊勢の地元では「大祭(おおまつり)」ともよばれ、『神宮祭祀令』では大祭中の大祭と扱われるなど、伊勢神宮の年間祭祀における最重儀である。この祭は、天照大御神に新穀を奉ることを主とした祭祀で、飯・餅と白酒・黒酒を主として、海魚12種、川魚2種、野鳥、水鳥、海草、野菜、果実、塩、水が奉られる。この神饌の内容は、「由貴大御饌」と呼ばれ、三節祭に限り供進される特別な神饌であり、大御饌に際しては、瑞垣の四方に神饌を祀る瑞垣神饌という神事も行われる。由貴大御饌の翌日の正午には勅使も参向し幣帛を奉るが、神宮における幣帛は、金ではなく絹織物などの実物で、削った柳の木を編んだ柳箱に入れられて正殿内まで奉られる。なお、天皇は神嘗祭に当たって皇居において神宮を遥拝する。祭典に先立っては、興玉神にこれより先の祭儀の無事を祈る「興玉神祭」や、祭祀奉仕者が神の御心に適い奉仕する資格を有しているかを神に伺う御卜が行なわれる。この御卜とは、祭主以下奉仕者の職名と名が一人ずつ読み上げられ、その都度息を吸い込む口笛を吹き、次いで笏で琴板という木板を打つ祭儀で、この一連の流れが滞りなく進むと大御心に適ったということになり、逆に一連の流れの中でどこかに滞りが生じた場合、その者は祭祀に奉仕できない決まりとなっている。神嘗祭の歴史は、伊勢神宮の創建当初にまで遡り、倭姫命が神宮の鎮座地を求めて巡行していた折に、真名鶴が咥えた八束穂を御饌として供えたのがその始まりであるとする伝承がある。 新嘗祭(にいなめさい)内宮11月23日、大御饌11時・奉幣14時 外宮11月23日、大御饌4時・奉幣7時 宮中の神嘉殿において新嘗祭が執り行われるに際し、天皇が勅使を差遣して幣帛を奉る。神宮では天照大御神をはじめとする神々に神饌を供える大御饌の儀が行われ、続いて勅使が天皇陛下の幣帛を奉る奉幣の儀が行われる。新嘗祭は両正宮に引き続き11月29日まで、すべての宮社で執り行われる。 大祓(おおはらえ)6月30日:夏越(なごし)大祓 12月31日:年越(としこし)大祓 祓の中でも特に大きなものを大祓というが、伊勢神宮における大祓は6月と12月の末日のほか、大祭の前月に当たる1、4、5、9、10、11月の末日にも行われる。伊勢神宮における祓は、忌火屋殿前の祓所もしくは一之鳥居前の祓所で行われるが、前者は主に神饌の祓いが行われ、大祓は後者で行われる。祓いを行うに際して奏上される祓詞は、神宮では独特の祓詞がある。また、神宮の祓いの作法は、二見の御塩殿で奉製された塩を土器に盛り、この塩を大麻で左右左の順で撒くというものである。 風日祈祭・修祓(皇大神宮忌火屋殿前) 風日祈祭(別宮・風日祈宮前) 修祓(第一鳥居内祓所) 神御衣祭の参進(内宮正宮) 前回の神御衣との入れ替え(荒祭宮)
※この「主な恒例祭」の解説は、「伊勢神宮」の解説の一部です。
「主な恒例祭」を含む「伊勢神宮」の記事については、「伊勢神宮」の概要を参照ください。
- 主な恒例祭のページへのリンク