主な公害事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 17:33 UTC 版)
水俣病 第二水俣病 四日市ぜんそく イタイイタイ病 以上4つの公害事件を特に四大公害病という 明治から第二次世界大戦 1885年頃 東京市深川区(現・東京都江東区)の浅野セメント(現・太平洋セメント)深川工場の煙突からの降灰が問題化する。 1890年頃 足尾鉱毒事件 - 原因企業:古河鉱業(現・古河機械金属) 1893年 別子銅山(愛媛県) - 銅の精錬排ガスによる煙害により被害を受けた農民と精錬所の間で紛争が発生する。 大正時代の1910年代頃から昭和戦後期イタイイタイ病 - 原因企業:三井金属鉱業(四大公害病の一つ) 1903年 大阪アルカリ事件 - 肥料工場から発生した亜硫酸ガスによって農作物の被害が発生。大審院による初の公害事件判例。 1907年 日立鉱山(茨城県) - 製錬時に発生する亜硫酸ガスの煙害が深刻化 1923年 神奈川県川崎町(現・川崎市)の鈴木商店(現・味の素)味の素工場からの排水により、川崎・羽田沖のノリ養殖に被害が発生する。 戦後期 1937年頃 安中公害訴訟 - 原因企業:東邦亜鉛 1956年頃 水俣病 - 原因企業:チッソ(四大公害病の一つ) 1958年 江戸川漁業被害 - 原因企業:本州製紙(現・王子製紙)…水質保全法、工場排水規制法(いずれも水質汚濁防止法の前身)制定のきっかけ。 高度経済成長期 1960年代から1972年(昭和47年)まで 四日市ぜんそく - 原因企業は、当該記事を参照のこと(四大公害病の一つ) 1965年 第二水俣病(新潟水俣病) - 原因企業:昭和電工(四大公害病の一つ) 1969年 大阪空港訴訟 - 大阪国際空港(伊丹空港)の航空機騒音をめぐって近隣住民が国を相手取って訴訟を提起する。 1970年 光化学スモッグが東京で初めて確認され、以降、注目されるようになった。 1970年 田子の浦港ヘドロ公害 - 製紙会社からの排水によるヘドロ公害。地元住民、沿岸漁業組合による製紙会社4社への告発。 1970年代 スパイクタイヤによる粉塵公害が問題となる。1988年に製造・販売が中止される。 1970年代 西名阪道路公害訴訟 道路高架橋からの低周波音による健康影響(めまい,頭痛,睡眠障害など)が近傍住民に多発。 1971年 土呂久砒素公害 - 宮崎県高千穂町土呂久地区の砒素焼きをしていた鉱山の周囲に砒素公害が発生していることが告発された。その後。環境庁での認定、鉱業権を買った住友金属鉱山に対して裁判になった。 1974年 名古屋新幹線訴訟 - 新幹線の走行による騒音・振動に対し沿線住民が新幹線の運行差止を請求した訴訟。1986年に和解成立。 1975年 東京都江戸川区六価クロム廃棄事件 1975年-1990年 豊島事件 - 香川県豊島で産業廃棄物処理業者が有害物質を含んだ廃棄物を不法に埋め立て、悪臭、水質汚濁、土壌汚染などを引き起こす。 - 2000年公害調停成立。 1982年~1990年代に川崎公害訴訟。1999年に和解成立。 1988年 尼崎公害訴訟 - 1999年企業との間で和解が成立 - 2000年国・道路公団との間で和解が成立 平成 1989年 名古屋南部大気汚染公害訴訟 - 2001年国・企業との和解が成立。 1996年 東京大気汚染訴訟 - 2007年国・都・道路公団・自動車メーカー7社と和解が成立 2000年 荏原製作所(藤沢工場)引地川ダイオキシン汚染事件(引地川を参照) 2003年 神栖ヒ素事件 - 茨城県神栖町(現・神栖市)で井戸水を上水道として使用していた家庭でヒ素中毒が発生。当初、旧陸軍の毒ガス剤が原因と思われていたが、環境省の調査により砒素を含むコンクリート塊が1993年頃に不法投棄されたものであるとされた。 2005年 クボタショック - 兵庫県尼崎市で過去に操業していたクボタ神崎工場などで、アスベストによる元従業員や工場周辺住民の健康被害が発覚。その後、日本全国でアスベスト公害問題が再燃した。 2011年 福島第一原子力発電所事故による放射能汚染。 PCBによるカネミ油症事件(1968年)は食中毒事件。サリドマイド薬害事件、スモン病薬害事件などについては薬害を参照。これらの中には、被害や教訓を伝える施設をつくっている地域も多く、相互に連携する「公害資料館ネットワーク」が組織されている。
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