川崎公害訴訟とは? わかりやすく解説

川崎公害訴訟

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 00:44 UTC 版)

川崎公害」の記事における「川崎公害訴訟」の解説

昭和42年四日市公害訴訟勝訴昭和53年西淀川公害訴訟など大気汚染企業国家訴え民事裁判当たり前になっていた。昭和50年代には日本国内大気汚染公害訴訟容易にできる社会情勢になっていた。四日市公害裁判勝訴原動力となった革新政党環境運動家の強い応援があり、「川崎公害病友の会」を母体とした川崎公害裁判原告団を結成した昭和戦後期長期間にわたり川崎公害健康被害受けた患者家族公害病死亡した患者および自殺した患者遺族128人は、昭和57年3月18日横浜地方裁判所川崎支部に、東京電力などの民間企業と、首都高速道路公団日本国政府相手どって、総額263000万円の損害賠償環境基準超える大気汚染物質排出差し止め求め裁判起こした第1次訴訟)。 原告側は、以下の2点求めた二酸化硫黄二酸化窒素浮遊粒子状物質などの有害汚染物質環境基準まで引き下げる排出差し止め 公害患者死亡者対す生活環境破壊家庭崩壊破壊損害賠償 原告となった患者は『夜が来るのが恐ろしい、咳と発作夜中襲ってくる』『大勢公害患者苦しみながら死んでいく。私たち要求人道的に正当性のある戦いだ』といった内容訴えたこのあと1983年から1988年にかけて、第2次 - 第4次訴訟起こされている。 被告らは、1991年弁論川崎公害患者訴え公害病でなくて、心臓ぜんそく肺結核よるものだという偽患者論を展開して病名疑義をはさめない場合は、タバコ吸い過ぎやアレルギー症状だという他病気原因論主張した四日市公害裁判など、従来個別企業コンビナート関連企業相手とする裁判異なり多く課題と困難をともなう裁判であったが、原告側川崎市民の支持多く法律家専門家の協力を得ながら、産業政策交通道路政策問題とした。原告団の支援のため、全国環境問題取り組む市民運動環境研究者の組織ある日環境会議が、1986年11月川崎市第6回会議開催した第1次訴訟は、1994年1月25日判決出された。判決骨子以下の通り本件疫病は高度の二酸化硫黄による大気汚染原因である。二酸化窒素による大気汚染疫病原因認めるのは困難である。 被告企業浮島石油化学以外の企業間の共同責任関連性認められる道路との関連性認められない被告企業には損害賠償責任があるが、国家監督責任道路公団責任認められない差し止め請求その方法態様特定していない事などから不適法であり、却下免れない被告12に対して損害賠償請求総額26億3590万円に対して7億3000万認容する。 この判決に基づき原告弁護団は『加害企業勝訴』の垂れ幕掲げた川崎訴訟原告団・弁護団との交渉により、国は『川崎南部地域道路改善のための道路整備方針』を発表した判決時点では提訴から12年経過しており、判決聞かないまま公害病死亡した原告男性がいた。 1998年8月5日第2次 - 第4次訴訟対す判決出されこの中で第1次訴訟では否定され二酸化硫黄二酸化窒素浮遊粒子状物質健康影響との因果関係認め、国と首都高速道路公団に対して賠償命じた。 これらの判決に対して原告被告双方控訴したが、1996年12月25日企業1999年5月20日に国・首都高速道路公団それぞれ東京高等裁判所和解成立した1996年企業との和解では、企業側から解決金31億円の原告への支払公害防止対策努力盛り込まれた。1999年5月20日和解内容は以下である。 自動車臨海部誘導するための道路ネットワーク整備 環境施設帯整備道路交差点改良低騒音の壁の整備 土壌システム設置 など。

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