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なかがわ‐く〔なかがは‐〕【中川区】

読み方:なかがわく

中川[二]


中川区

読み方:ナカガワク(nakagawaku)

所在 愛知県名古屋市

地名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

中川区

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/07 13:08 UTC 版)

なかがわく 
中川区
日本
地方 中部地方東海地方
都道府県 愛知県
名古屋市
市町村コード 23110-0
面積 32.02km2
総人口 216,872[編集]
推計人口、2025年6月1日)
人口密度 6,773人/km2
隣接自治体
隣接行政区
名古屋市熱田区中区中村区港区
あま市海部郡大治町蟹江町
区の木 クロマツ
区の花 ハボタン
中川区役所
所在地 454-8501
愛知県名古屋市中川区高畑一丁目223番地
北緯35度8分29.4秒 東経136度51分17.3秒 / 北緯35.141500度 東経136.854806度 / 35.141500; 136.854806座標: 北緯35度8分29.4秒 東経136度51分17.3秒 / 北緯35.141500度 東経136.854806度 / 35.141500; 136.854806
中川区役所
外部リンク 名古屋市中川区
ウィキプロジェクト

中川区(なかがわく)は、愛知県名古屋市にある行政区。名古屋市を構成する16区のうちのひとつで、1937年(昭和12年)10月1日に誕生した。

概要

中川の名は中川運河から。中川区荒子は金沢100万石加賀藩の始祖前田利家の生まれ故郷である。区の西側は市内でも有数の田園地帯が広がっているが、近年になって宅地化が進んだ。庄内川の西に位置する富田地区(旧海部郡富田町)は、1955年(昭和30年)10月1日に名古屋市と合併、中川区に編入された。なお富田地区には富田支所が設置されている(分区問題も参照)。

地理

中川運河(長良橋にて)

位置

名古屋市西部に位置し、全域が平坦である。ほとんどの地域が海抜ゼロメートル地帯であり、海水面より低い地域も多い。

地形

河川

主な川

地域

地名

人口

中川区の人口の推移
2000年(平成12年) 210,220人
2005年(平成17年) 216,008人
2010年(平成22年) 221,620人
2015年(平成27年) 220,181人
2020年(令和2年) 220,079人
総務省統計局 国勢調査より[1]

隣接自治体・行政区

名古屋市の行政区
他の市町村

歴史

古代

沖積平野上に位置し、古墳時代以前の遺跡は乏しい。区北東部の小本烏森町万町八田町などJR関西本線に沿った地域で古墳時代から平安時代須恵器が出土する程度で、古墳は全く確認できない。

8世紀以降の律令制下では庄内川以東が尾張国愛知郡、庄内川以西が尾張国海部郡となっていたため、これら二地域は歴史的に区別する必要がある。古代から中世には海岸線が現在より北にあったと推定され、中川区南部はまだ海であったと考えられる。

庄内川以東の中川区北部地域は、律令制下で愛知郡千竈郷であったことが近年になって判明した。この地域では前述の古代の出土物が若干確認できるほか、小本から小塚町条里制の遺構がある。729年天平元年)に荒子観音(浄海山観音寺)が草創されたというが、創建当初は現在の荒子観音より北西の柳田町付近にあったとされる。

庄内川以西の地域(富田地区)は、律令制下では海部郡津積郷に比定されているが定かではない。

中世

富田庄絵図(円覚寺文書)には14世紀前半の富田地区の様子が描かれている。

平安時代末期に海部郡が海東郡海西郡に分割され、中川区の庄内川以西の地域は海東郡となった。

律令制が衰退し荘園公領制が確立されると、庄内川以東の愛知郡域では伊勢神宮領の一楊御厨が、庄内川以西の海東郡域では富田荘[注釈 1]が成立した。荘園とは別に、千竈郷[注釈 2]や則武郷[注釈 3]などの公領や永良郷[注釈 4]などの熱田神宮領もあった。

一楊御厨は、現在の荒子、高畑、中郷、野田付近に広がっていた伊勢神宮の御厨で、成立は11世紀以前に遡る。この御厨は西郷、中郷、東郷に分かれていたことが知られており、現在の中川区中郷はその遺称である。荒子観音には「尾州一楊御厨観音寺金口...東郷」と銘のある1429年永享元年)の鰐口が残っており、荒子観音のある辺りは一楊御厨の東郷であったらしい。1177年(安元3年)付の七ツ寺一切経に「一楊御厨西郷政所書了」とあり、12世紀には西郷に政所が置かれていた。庄内川対岸にも領地があったため、後述するように富田荘と境界を巡り係争が起きた。

富田荘は、庄内川以西(富田地区)から蟹江町、あま市にかけて広がっていた広大な荘園であり、11世紀に成立し近衛家領となった。13世紀になると地頭職の北条時宗が鎌倉円覚寺寄進した。14世紀前半には庄内川対岸の一楊御厨と境界相論が起き、この頃に描かれた『富田庄絵図』は当時の様子が詳細に描かれた貴重な史料で重要文化財に指定されている。15世紀には土岐氏国人の押領にあい富田荘は衰退した。富田荘の一部であった千音寺から伏屋にかけては、中世の集落遺構が多く存在し調査が行われている。

戦国期には前田利家をはじめとする前田氏が活躍し、荒子城下之一色城、前田城などの複数の城郭が築城された。一時衰退していた荒子観音は16世紀に全運上人なる人物により再興されたといい、市内最古の木造建築物である多宝塔が残る。願興寺は一時期は国分寺となっていた古刹で、戦国期に中区正木から現在地の中川区牛立町に移転されたという伝がある。

近世

近世においても庄内川を境に東が愛知郡、西が海東郡となっていた。江戸期の中川区域にあった村として、(愛知郡)牛立村、中野村、北一色村、五女子村、四女子村、七女子村、小塚村、本郷村、長良村、荒子村、法花村、東起村、大蟷螂村、高畑村、中郷村、打出村、野田村、万町村、烏森村、八田村、横井村、下之一色村、(海東郡)榎津村、江松村、春田村、服部村、伏屋村、供米田村、前田村、助光村、千音寺村、新家村、松下村、戸田村、長須賀村、包里村、万場村などがあった。

江戸期には新田開発が進み、南東部の熱田新田(後の小碓町熱田新田東組)をはじめ、中島新田や中野外新田など愛知郡内で開発が進んだ。

1634年嘉永11年)に佐屋街道宿場町として万場宿が設置された。

近代

政治

行政

役所

区役所
  • 名古屋中川区役所
    • 中川区役所富田支所
  • 露橋コミュニティーセンター

分区問題

中川区は、人口が市内の行政区の中で緑区に次いで多いことや、富田地区と残部とがおおよそ庄内川によって区切られており、歴史的にも富田地区は旧海部郡、残部は旧愛知郡であることから、分区がたびたび議論となっている。

2009年には、富田支所管内より分区を求める要望書が議長及び市長に提出されており、この申し入れには、この地区に住む1万7000人以上の署名が行われている。また、2005年の富田地区合併50周年に行ったアンケートによると、アンケート回答者のうち83.7%の人が分区について必要と考えていると回答している[2]

また、富田地区の名古屋市合併50周年記念誌には、50年後の富田地区の夢の一つとして分区が挙げられている[3]

なお、市当局は、行政区の適正規模は人口おおむね10万人から20万人程度であり、分区は25万人から30万人を超える状況でかつ現状の問題が区の再編によってしか解消できない場合に検討していくこととしており、当面は現行の16行政区を維持する方針である[4]

出先機関・施設

国家機関

自衛隊愛知地方協力本部

国土交通省

厚生労働省

防衛省

自衛隊

財務省

国税庁

施設

警察

本部
交番

消防

消防署
  • 名古屋市中川消防署
出張所

医療・福祉

主な病院

郵便局

主な郵便局
  • 中川郵便局
  • 名古屋愛知町郵便局
  • 名古屋助光郵便局
  • 名古屋千音寺郵便局
  • 名古屋戸田郵便局
    • 名古屋戸田団地内郵便局
  • 名古屋中郷郵便局
  • 名古屋西日置郵便局
  • 名古屋春田郵便局

文化施設

図書館
劇場
博物館・記念館

運動施設

対外関係

国際機関

領事館

名誉領事館

経済

荒子にある前田利家の騎馬像

第二次産業

工業

第三次産業

商業

主な繁華街
主な商店街
  • 尾頭橋商店街
主な商業施設
主な娯楽施設

本社を置く企業

上場企業
その他の主な企業

拠点を置く企業

情報・生活

中部電力長良町変電所
露橋水処理センター

ライフライン

電力

ガス

上下水道

電信

処理施設

  • 名古屋市富田清掃工場

教育

藤田医科大学 名古屋教育病院
愛知県立中川商業高等学校
名古屋市立富田高等学校
名古屋市立西養護学校

大学

中川区に大学は設置されていない。ちなみに、1950年10月、当時の名古屋ミシン工芸女学校を母体に翌年文部省(当時に)名古屋服装短期大学の設置認可の申請を行っていたが不認可となり、設立を断念した。詳細は同記事を参照のこと。

私立

専修学校

高等学校

県立
市立

中学校

市立

小学校

市立

特別支援学校

市立
私立

学会

交通

八田駅
高畑駅出入口

鉄道

鉄道路線

東海旅客鉄道(JR東海)
東海道本線:(名古屋市中村区)- 尾頭橋駅 -(名古屋市中区)
関西本線:(名古屋市中村区) - 春田駅 -(海部郡蟹江町)
※ 区内には中央本線も通るが、駅はない(尾頭橋駅には中央本線のホームはなく、停車しない)。最寄りは金山駅(金山総合駅)。
名古屋鉄道(名鉄)
名古屋本線:(名古屋市中村区)- 山王駅 -(名古屋市熱田区)
近畿日本鉄道(近鉄)
名古屋線:(中村区)- 近鉄八田駅 - 伏屋駅 - 戸田駅 -(海部郡蟹江町)
名古屋臨海高速鉄道
西名古屋港線(あおなみ線):(名古屋市中村区)- 小本駅 - 荒子駅 -(名古屋貨物ターミナル駅)- 南荒子駅 - 中島駅 -(名古屋市港区)
※ このほか、金山駅(金山総合駅)も区境に近い。
※ 区役所は地下鉄高畑駅とあおなみ線荒子駅の中間あたりに位置する。

地下鉄

名古屋市交通局名古屋市営地下鉄
東山線高畑駅 - 八田駅
※ 東山線の車庫が高畑に存在する。
※ 地下鉄東山線の八田駅は中川区にあるが、JR八田駅と近鉄八田駅は区境付近の中村区にある。
※ 区の東部の柳川町に名港線が約100m通っているが、駅はない。この付近の最寄り駅は金山駅・日比野駅。
※ また同じ地下鉄名港線の六番町駅も熱田区にあるものの、区境に近い。

廃止された鉄道路線

日本貨物鉄道(JR貨物)
名古屋港線:(名古屋市中村区)-(山王信号場)- ナゴヤ球場正門前駅(廃止)-(八幡信号場)-(名古屋市港区)

バス

名古屋市営バス中川営業所

名古屋市営バスの路線が区内全域に運行されており、区内南部の国道1号沿いに名古屋市営バス中川営業所が所在する。そのほか、区内北東部・北西部に名鉄バスセンター津島市方面を結ぶ名鉄バスの路線が、区内東部(江川線)と南部(国道1号など)に名阪近鉄バス名古屋営業所などの三重交通の路線がある。

またジェイアール東海バスの本社・名古屋支店が小本三丁目(あおなみ線沿い)にある。始発・終着地点(主に名古屋駅周辺)との回送で、共同運行会社を含めた多くの高速バス車両が区内を走行する姿が見られる。

路線バス

営業所

バスターミナル

交通広場

道路

名古屋西JCT
山王JCT

高速道路

中日本高速道路(NEXCO中日本)
名古屋高速道路

国道

一般国道

県道

主要地方道・主な市道
一般県道

市道

主な市道

幹線道路の道路通称名

<南北の道路>

<東西の道路>

観光

名所・旧跡

主な城郭

主な寺院

主な神社

観光スポット

主な公園

出身・関連著名人

前田利家

歴史上人物

政治家

学界

芸能

スポーツ選手

脚注

注釈

  1. ^ 読みについては史料によって異なり、「とみたのしょう」「とだのしょう」「とむたのしょう」とするものもある。
  2. ^ 中世には現在の中川区横井付近が千竈郷であったことが知られている。
  3. ^ 現在の中川区五女子から北一色が則武郷に含まれていたことが知られている。
  4. ^ 現在の中川区長良町付近。

出典

外部リンク


中川区

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 18:04 UTC 版)

名古屋市の地名」の記事における「中川区」の解説

中川区は1937年中区南区の各一部より成立した。ここでは設置当時区内地名列挙する熱田西町1944年熱田区熱田西町統合岩塚町1944年一部中村区編入高須賀町(旧中区1944年中村区編入烏森町1944年一部中村区編入万町 篠原町 長良町 四女子町 小本町 花池町 長草町1944年中村区編入柳瀬町 清船町 富船町 八熊町 西古渡町 野立町 中野新町 高畑町 荒子町 中郷町1982年廃止野田町1944年一部中村区編入横井町1944年中村区編入打出町 中須町 大蟷螂町 法華町1982年中島新町編入され廃止中島新町 東起町 石場町 富川町 清川町 福川町 福船町 八剱町 下之一色町 古新町1944年熱田区編入外新町 千代田町1944年熱田区編入中出町1944年熱田区編入神野町1944年熱田区編入青池町1944年熱田区編入幡野町1944年熱田区編入切戸町1944年熱田区編入牛立町 西野町1944年熱田区編入応仁町 河田町1944年熱田区編入比々野町1944年熱田区編入

※この「中川区」の解説は、「名古屋市の地名」の解説の一部です。
「中川区」を含む「名古屋市の地名」の記事については、「名古屋市の地名」の概要を参照ください。

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