李禹煥
(リー・ウーファン から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/24 13:15 UTC 版)
![]() |
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。
|
李禹煥
|
|
---|---|
![]()
2014年
|
|
生誕 | 1936年(88 - 89歳) |
国籍 | ![]() |
受賞 | 高松宮殿下記念世界文化賞(2001年) 湖巌賞(2001年) 紫綬褒章(2002年) 毎日芸術賞(2006年) フランスレジオンドヌール勲章(2007年) 旭日小綬章(2009年) 韓国金冠文化勲章(2013) |
公式サイト | www |
リ・ウファン | |
---|---|
各種表記 | |
ハングル: | 이우환 |
漢字: | 李禹煥 |
発音: | イウファン |
RR式: | Yi Uhwan |
MR式: | I Uhwan |
英語表記: | Lee U-Fan |
朝: 이우환[1]、1936年 -)は、大韓民国慶尚南道に生まれ、日本を拠点に世界的に活動している美術家。多摩美術大学名誉教授[2]。本貫は仁川李氏[3]。
(リ・ウファン、

人物

日本の現代美術の大きな動向(アート・ムーブメント、芸術運動)である「もの派」を理論的に主導したことで有名である。個展および国際展への出品多数。代表作は『点より』『線より』シリーズ。
直島に安藤忠雄とのコラボレーションによる李禹煥美術館を開館。釜山市立美術館敷地に「李禹煥ギャラリー(Space LeeUFan)」を開設している。
また、1970年代韓国人アーティスト達によって創られた「単色画」というモノクローム・ペインティング(単色抽象絵画)での平面作品でも知られている[4]。
来歴
- 1956年、ソウル大学校美術大学を中退後、来日。
- 1961年、日本大学文理学部哲学科を卒業。
- 1969年、「事物から存在へ」が美術出版社・芸術評論募集に入賞。
- 1971年、評論集『出会いを求めて』(田畑書店)を出版、国内外の美術界に影響を与える。
- 2010年、香川県直島町に初の個人美術館である李禹煥美術館が開館。
- 2015年、韓国・釜山の釜山市立美術館敷地内に2館目の個人美術館李禹煥ギャラリー(Space LeeUFan)を開館。
- 2022年4月15日、フランス・アルルに3館目の個人美術館「Lee Ufan Arles」を開館[5]。
- 2022年8月10日から大規模回顧展「国立新美術館開館15周年記念 李禹煥」展 開催[6]。その後、同年12月13日から特別展「兵庫県立美術館開館20周年記念 李禹煥」展へと巡回した[7]。
受賞歴
- 1977年 第13回現代日本美術展 東京国立近代美術鑑賞
- 1979年 第11回東京国際版画ビエンナーレ 京都国立近代美術館賞、第1回ヘンリー・ムーア大賞展 優秀賞
- 1993年 第14回日本文化デザイン賞
- 2001年 高松宮殿下記念世界文化賞 絵画部門賞、湖巌賞 芸術部門賞
- 2002年 上海ビエンナーレ ユネスコ賞
- 2006年 第47回毎日芸術賞
叙勲歴
もの派
ミニマリストの画家、彫刻家、哲学者であり、その作品群は、素材性、制作過程、場所との関係、そして現象学的な鑑賞体験への徹底した注視により国際的に高く評価されている。彼の芸術は、特に西洋現象学に基づいた欧米の美学的枠組みに対する批判的検討を試みている[9]。
彼の論文『関根伸夫論』は、1960年代後半から1970年代初頭にかけての日本の戦後の美術運動「もの派(Mono-ha、モノ派)」の思想的起点のひとつと広く見なされている。[10]
1969年以降に次々と発表された彼の著作では、西洋、特に西ヨーロッパやアメリカの思想・感性と、東アジアに見られるそれらとの接点を外在化しようとする試みがなされており、多くの評論家は記号化という西洋的な考え方からの脱却、またはそれへの反論を志向するという発言に注目している。[11]
彼の作品や理論は、1960年代の戦後日本社会におけるヨーロッパ中心的思想に対する処方箋として、西洋化と近代化からの脱却という方法論を提唱した。自らを「放浪者」と呼び、生涯を通じて文化的境界を越え続け、日本の鎌倉とフランス・パリを拠点に活動している。[12]
著書
- 『出会いを求めて—現代美術の始源』 美術出版社、2000年。ISBN 4568201632
- 『余白の芸術』 みすず書房、2000年。ISBN 4622044234
- 『時の震え』 みすず書房、2004年。ISBN 4622071177
- 『両義の表現』みすず書房、2021年。ISBN 978-4-622-09014-4
画集
- 『LEE U FAN』(1986年 美術出版社)
- 『LEE UFAN』(1993年 都市出版)
- 『李禹煥全版画 1970-1998』(1998年 中央公論美術出版)
関連項目
- 単色画
- 郭仁植 - 李禹煥と共同の展覧会を開いたことのある戦前から活躍した芸術家
- 山下和仁 - クラシック・ギタリスト。1982年(昭和57年)8月発売のアルバム「モダンコレクション」のジャケットには、李の「線より」シリーズの1作が起用されている。
外部リンク
![]() |
この節には参考文献や外部リンクの一覧が含まれていますが、脚注によって参照されておらず、情報源が不明瞭です。
|
- 「もの派」の人々 李禹煥インタビュー[リンク切れ]
- ベネッセアートサイト直島 李禹煥美術館
- 東京画廊+BTAP[リンク切れ]
- SCAI THE BATHHOUSE
- BLUM & POE
- Kaikai Kiki Gallery
- 鎌倉画廊
- 李禹煥 オーラル・ヒストリー
注釈
- ^ 朝鮮語ラテン翻字: Lee U-Fan
- ^ 日本大百科全書(ニッポニカ)「李禹煥」の解説『李禹煥』 - コトバンク
- ^ “(108)인천 이씨(仁川李氏)-68,628명” (朝鮮語). 서울이코노미뉴스 (2014年10月19日). 2022年8月17日閲覧。
- ^ 単色のリズム 韓国の抽象|東京オペラシティアートギャラリー2017年10月14日
- ^ “李禹煥が南仏アルルに美術館をオープン。16世紀の邸宅を安藤忠雄が改修”. ARTnews JAPAN (2022年5月24日). 2024年10月13日閲覧。
- ^ 美術手帖 - 60年以上にわたる李禹煥の創作の軌跡。国内では17年ぶりの大規模個展が国立新美術館でスタート
- ^ 兵庫県立美術館 Hyogo Prefectural Museum of Art,Japan【公式】 (@hyogoartm) - X(旧Twitter)
- ^ “秋の叙勲・褒章 大西・関大元理事長・学長に旭2、私学人多数受章”. 全私学新聞 (2002年11月3日). 2023年5月19日閲覧。
- ^ Munn, Sir James, (27 July 1920–4 Aug. 2009), Oxford University Press, (2007-12-01) 2025年6月24日閲覧。
- ^ Kim, Kyung-mi (2021-12-31). “The Study on the Style and Value of Stone Buddha Statue of Hoeamsa Temple in Yangju”. Korean Journal of Art History 312: 109–139. doi:10.31065/kjah.312.202112.004. ISSN 1225-2565 .
- ^ Kee, J. (2008-10-01). “Points, Lines, Encounters: The World According to Lee Ufan” (英語). Oxford Art Journal 31 (3): 403–424. doi:10.1093/oxartj/kcn028. ISSN 0142-6540 .
- ^ “Solitary Soul: Interview with Lee Ufan” (英語). Apollo Magazine (2015年11月16日). 2025年6月24日閲覧。
固有名詞の分類
- 李禹煥のページへのリンク