ライフスペース(らいふすぺーす)
1999年11月13日、千葉県成田市内のホテルでミイラ化した遺体が発見されたことで、話題になった。
亡くなった小林さんは、高血圧性の脳内出血で倒れた後、兵庫県伊丹市内の病院に入院していた。しかし、「ライフスペース」のメンバーや家族らは、医師の制止にもかかわらず、小林さんを病院から連れ出し成田空港まで搬送。その後、成田市内のホテルで、800万円を払って「シャクティパッド」というカルト療法を受けさせた。
小林さんはホテルで療法を受けているうちに死亡、その後約4ヶ月放置され、ミイラ化したと見られる。この事件について、県警らは「死亡が十分予見できるにもかかわらず病院から連れ出しホテルに移動させたのは社会通念上、犯罪に当たる」としている。
保護責任者遺棄致死罪による逮捕の理由は、高橋容疑者らが、重病人である小林さんを保護する義務のある家族らと共謀し、生存に必要な保護をせずに死なせた疑いがあることである。
しかし関係者の間では、「家族は治療と信じて、療法を受けさせるために病院から連れ出した。それで亡くなったからといって刑事責任が問えるのか」という声もある。
(2000.02.23更新)
ライフスペース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/15 05:25 UTC 版)
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設立者 | 高橋弘二 |
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公用語 | 日本語 |
関連組織 | ライフダイナミックス、ハーモニー |
ウェブサイト | http://www.spgf.org/ |
概要
自己啓発セミナー等を主要な事業内容としていたが、次第に変質していき、主宰者高橋弘二がインドのサイババに指名された「シャクティパット・グル」であると自称(サイババはこの件を否定した)するようになったり、「シャクティパット」と称する相手の頭部を手で軽く叩く(叩き続ける)行為で病気を治せるといった主張をするようになる。
成田ミイラ化遺体事件では、高橋弘二に殺人罪での有罪判決が出ている。これは、脳内出血で入院していた男性を連れ出し、適切な治療を受けさせねば死亡する可能性が高いことを知りながらも、適切な治療を受けさせず死亡させたという趣旨の判決である。ただし控訴審は確定的殺意を当初から持ち合わせていたとは考えにくいとして未必の故意を認定し高橋弘二に対し減刑する判決を言い渡した。
この事件は2013(平成25年)における司法試験予備試験の刑法の判例問題に取り上げられている。
その後、高橋弘二は上記のミイラ事件での殺人罪による実刑(懲役7年)を受け、2009年に刑期満了となったが、その関係者が別の関係団体「シャクティー・パット・グル・ファウンディション」(SPGF)を設立、現在は「SPGF RESEARCH(リサーチ)出版」と称して活動を続けているという[1]。
ルーツと派生団体
ライフスペースは、1983年にライフダイナミックス(2000年解散)から独立して設立された。ライフダイナミックスの大阪支社からは、1993年にもマネージャーが独立してハーモニーを設立し、1987年には受講者だった田舞徳太郎が日本創造教育研究所を設立している。
参考文献
- 塩谷智美 『マインド・レイプ―自己啓発セミナーの危険な素顔』 ISBN 4380972313
- 別冊宝島編集部 編
- 『「カルト」の正体。』 ISBN 4796616853(『「救い」の正体』(ISBN 4796694617)の改訂文庫化)
- 『洗脳されたい!―マインド・ビジネスの天国と地獄』 ISBN 4796693009
- 米本和広 『教祖逮捕―「カルト」は人を救うか』 ISBN 4796617191
脚注
- ^ ライフスペース後継団体が「冤罪」訴えシンポ=紀藤正樹弁護士に懲戒請求も(2012年1月28日 やや日刊カルト新聞 2017年2月19日閲覧)
外部リンク
固有名詞の分類
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