シャープライフルとは? わかりやすく解説

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シャープ・ライフル(1952年-2001年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 20:07 UTC 版)

シャープ (空気銃メーカー)」の記事における「シャープ・ライフル(1952年-2001年)」の解説

空気銃ブランドとしてシャープは、昭和初期1920年代)から昭和30年代1950年代)にかけ、ライフル射撃選手及び空気銃工(英語版)として活動し、後に茨城県ライフル射撃協会監督や、全国銃砲火薬商工連合会理事長日本ライフル射撃協会常任理事なども務めた千葉謙介ちば けんすけ)により創始された。 企業としてシャープは、1952年昭和27年)に東京都四谷にて東京ライフル研究所として設立され1955年昭和30年)に株式会社東京ライフル1960年昭和35年)に株式会社シャープ・ライフルに名称が変遷しその後1999年平成11年)までの間に20種類上のエアライフルエアピストル開発製造した1950年代シャープ創業当時日本の民間銃器産業英語版)は1937年昭和13年)の日中戦争勃発に伴う民間向け狩猟銃の製造制限や、1945年昭和20年)の日本の敗戦旧日本軍解体による軍需産業崩壊その後連合国軍占領下の日本軍政下の影響を受け、大きく疲弊していた。国民体育大会では、1951年昭和26年)の第6回広島国体よりライフル射撃正式競技加えられたが、当時はスモールボア競技適した小銃国内銃器メーカーでは製造されておらず、輸入品高額な上に当局厳し輸入統制により入手できる数が極めて限られていたため、国内メーカー手掛ける事が出来たエアライフル小口小銃代用としてやむなく用いられている状況であったその様背景の中、シャープ国体スモールボア競技特化したエアライフルシャープ チャンピオン及びシャープ タイガー開発創業以来国体射撃競技の上位を独占する活躍見せ、兵館(へいりんかん)が手掛ける競技用エアライフルと共に国体におけるスモールボアライフル射手人気二分する存在となったまた、1956年昭和31年)には、狩猟向けのシャープ ビクトリー陸上自衛隊射撃練習器材としても採用された。 しかし、1960年代入り国際射撃連合(UIT、後の国際射撃連盟)によりエアライフル競技規則正式に定められると、国体射撃競技特化した存在であったシャープその他の国内メーカー射撃競技空気銃は、西ドイツファインベルクバウなどの輸入銃圧され国際化が進む射撃競技の場から駆逐されてしまう。シャープは、1969年昭和44年)にマルチポンプ型プリチャージ(圧縮空気)式で、クロスマン M140(英語版)のブローオフバルブシステムを参考独自開発した無撃鉄英語版)・無振動引金機構採用したシャープ パンターゲットを発売して巻き返しを図るが、エアライフル競技での退潮傾向挽回成らずその後狩猟空気銃製造主力移していく事になる。1962年昭和37年)には米国向け輸出開始された。 1970年代シャープ創業者千葉二酸化炭素圧縮ガスをパワーソースに用いCO2ガス空気銃開発に力を注ぎ数多く米国特許取得している。1969年昭和44年)には、CO2ガス空気銃向けのボルトアクション5連発弾倉システム1976年昭和51年)にはポンプアクション方式空気・ガス空気銃システム特許相次いで取得前者1967年昭和42年)にシャープ CO2-5、後者1975年昭和50年)にシャープ GR-75としてそれぞれ商品化されたが、製造コストの高さが仇となり、いずれも短期間製造終了したその後単発式シャープ UDシリーズ販売するのみに留まった。しかし、千葉考案した反復式空気銃システムは、欧米においては今日でも高い評価与えられており、特にGR-75はクロスマン M622やガモ G1200(英語版)といった類似のCO2ガス空気銃比較しても、造り精緻さでは比肩するものが無いと評価されている。シャープはGR-75の開発に当たり、二重装塡防止する為の機構装備注力し、シャープ自身製造販売したCO2ガスボンベは「セーフティ」のサブネームを表記する事で安全性アピールしていた。 1980年代に入ると、シャープはパンターゲットをフルモデルチェンジし、新たにシャープ エースシリーズを投入したボルトばね仕掛けであったパンターゲットやビクトリー異なりエースはばね機構廃した手動式ボルト採用されており、薬室閉鎖しボルトハンドルを90真下に向けると閉鎖完了するという、閉鎖状態が射手自身にも他人に視認しやすい仕様変更された。狩猟用はシャープ エースハンター、射撃競技用はシャープ エースターゲットの名称で販売され米国では古典的な撃鉄用いた機構ではあるが高い命中精度を持つと評価されシェリダン ブルーストリーク英語版)に劣らない高性能有する評価されていた。シャープ1980年代後半には麻酔銃エアピストル小口小銃英語版)へとラインナップ拡大し輸出先アメリカ、イギリス、オーストラリアニュージーランドギリシャへと広がり年間生産挺数は15,000挺に達していた。しかし、経営面では、新SKB工業ミロク晃電社豊和工業などの国産銃器メーカー共通する生産挺数の97パーセント輸出回されるという極度外需依存体質という欠点抱えていた。 シャープは、旧モデルビクトリー元に樹脂部品多用して軽量化施した短銃モデルシャープ イノバの名称で販売していたが、オセアニアでは「ポッサムウサギ狩るのに十分な威力持ち、非常に正確な命中率を持つ」との評価受けていた。スウェーデンでは1981年昭和56年)から1989年平成元年)に掛けて輸出が行われ、ペレット弾(英語版)にオーソドックスな.177口径英語版)(4.5mm(英語版))、.20口径(5.0mm(英語版.22口径英語版)(5.5mm)、.25口径6.35mm)の他、日本国内ではラインナップされていなかった.30口径(7.62mm(英語版))も選択可能という点が珍重され、「シャープ代わる空気銃存在しない」と評されていた。 変わったところでは、1989年平成元年)にパーティクル・ガン法研究機材開発の面で参画した記録残されている。

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