シャープレーとロスの受賞(2012年)
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「ゲーム理論」の記事における「シャープレーとロスの受賞(2012年)」の解説
詳細は「ロイド・シャープレイ」および「アルヴィン・ロス」を参照 ロイド・シャープレイとアルヴィン・ロスは「安定配分理論と市場設計の実践に関する功績」を称えられて2012年にノーベル経済学賞を受賞した。シャープレーはゲーム理論の草創期から数々の重要な貢献をしてきたが、ノーベル賞受賞理由となったのは1962年にデビッド・ゲールとの共著論文の中で考案された受入保留方式(英: deferred acceptance algorithm)に関する業績であった。Gale & Shapley 1962は「結婚問題」と呼ばれる抽象的な数学パズルにおいて必ず「安定マッチング」が存在することを受入保留方式によって証明したが、この「安定マッチング」は協力ゲーム理論におけるコアに対応する概念である。このシャープレーらの研究はマッチング理論(英: matching theory)と呼ばれるゲーム理論の応用分野の先駆的研究と見なされているが抽象的な数学理論であったため、当初は経済学などの現実問題への応用は想定されていなかった。 これに対して、ロスは1984年に発表された論文において、受入保留方式が当時米国の「研修医マッチング制度」が試行錯誤の末用いるに至ったアルゴリズムと同等であることを発見し、これによって受入保留方式が現実の制度設計に応用可能であることが明らかになった。ロスらによって発展されたマッチング理論は研修医マッチング制度の他にも学校選択制や腎移植ドナー交換制度に応用されている。
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