カーネーションの花言葉
カーネーションは品種が非常に多いが、花の付き方から大きく2種類に分かれ、1つの茎に八重咲の花を1つ咲かせる「スタンダードカーネーション」と、1つの茎から枝分かれしてやや小ぶりの複数の花を咲かせる「スプレーカーネーション」がある。このうち、スプレーカーネーションには「集団美」「素朴」という花言葉がある。
カーネーションの花言葉の由来
(1)母の日の起源に由来する説19世紀後半~20世紀初頭にかけて、アメリカのウェストヴァージニア州で社会活動を行った、アン・ジャービス(Ann Marie Reeves Jarvis)という女性がいた。彼女は1958年に「Mother's Day Work Club(母の日ワーク・クラブ)」という団体を立ち上げ、乳児死亡率の低下を目指して地域の医療や衛生改善活動を行い、1861年~1865年に起こった南北戦争の際には、敵味方関係なく、南北双方の負傷兵を献身的に看護した。南北戦争終了後も、「Mother's Friendship Day(母の友情の日)」と題してイベントを実施し、戦後も続く南北のわだかまりをなくすべく、平和活動を行い続けた。また、教会で教鞭を執り、子供たちへの教育にも尽力した。アンは1905年5月にその生涯を閉じたが、その2年後の1907年5月に、娘のアンナが亡き母を追悼する式典を教会で開催、母が大好きだった白いカーネーションを参加者に手渡したという。これに人々が感銘を受け、カーネーションが母への深い愛を象徴する花として広がり、現在の花言葉につながったと言われている。
(2)キリスト教に由来する説
キリスト教では、十字架に磔にされ、ゴルゴダの丘へ向かうイエス・キリストを見送ったときに、聖母マリアが流した涙の跡から純白のカーネーションが咲いたと言われている。この伝承から、白いカーネーションはイエス・キリストと聖母マリアを、赤いカーネーションはイエス・キリストの復活を表しており、カーネーションが「母と子」や「母の愛」を象徴する花となった。そして、キリスト教において、カーネーションは神聖な花の1つとされるようになり、その例として、レオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロ・サンティをはじめ様々な画家が、カーネーションを手に幼いイエス・キリストをあやす聖母マリアを描いている(カーネーションの聖母)。また一方で、カーネーションは受難の象徴ともされ、これが「哀れな心」という花言葉につながっている。
(3)ギリシャ神話に由来する説
古代ローマに、ソニクスという美しい女性がいた。ソニクスは冠作りの名人で、いつも太陽神アポロンの祭壇をカーネーションの冠で美しく飾っていた。しかし、その冠作りの才能を妬まれ、ソニクスは殺されてしまう。太陽神アポロンは、彼女の死を悼むと共に生前の行いに感謝し、彼女の亡骸をカーネーションに変えて手厚く弔ったという。ここから、愛情や慕情を意味する花言葉がつけられたと言われている。また、カーネーションの属名ダイアンサス(dianthus:ナデシコ)は、ギリシャ語の「Dios(ダイオス:ギリシャ神話の神)」と「Anthos(アントス:花)」が合わさったもので「神の花」を意味し、この神話に由来するとされている。
カーネーションの英語の花言葉
全般的な花言葉は、「fascination(魅惑、魅力)」「love(愛情)」「distinction(卓越、名声)」である。日本同様、以下のように色によって花言葉は異なる。
- 赤「My heart aches for you(あなたに会いたくてたまらない)」「deep love(深い愛)」「admiration(敬愛、感嘆)」
- ピンク「I’ll never forget you(あなたを決して忘れない」「a woman’s love(女性の愛)」「a mother’s love(母の愛)」
- 白色「sweet and lovely(かわいくて愛らしい)」「innocence(純真、純潔)」「pure love(純粋な愛)」
- 黄色「You have disappointed me(あなたには失望しました)」「rejection(拒絶、拒否)」「disdain(軽蔑)」
- 紫「capriciousness(気まぐれ)」「changeable(移り気)」
カーネーションの色別の花言葉の解説
- 赤「母への愛」「熱烈な愛」「愛を信じる」
- ピンク「上品・気品」「温かい心」「感謝」「熱愛」「美しい仕草」
- 白色「純粋な愛」「尊敬」「私の愛は生きています」
- オレンジ「純粋な愛」「清らかな慕情」「あなたを愛します」
- 黄色「友情」「美」
- 紫「誇り」「気品」
- 緑「癒し」「純粋な愛情」
- 青「永遠の幸福」
- 虹色(レインボー)「感謝」
青のカーネーションは、1995年に日本とオーストラリアの企業が共同研究により開発した、比較的新しい品種。本来、カーネーションには青色色素がないことから開発は困難を極めたが、「青色のカーネーションを作れたら一生幸せになれる」という思いで研究が続けられ、実現に至った。この開発者達の思いが、花言葉となっていると言われる。
また、虹色のレインボーカーネーションは、栽培時に特殊な技術・染料を用いて品種改良した花びらが7色のカーネーション。発祥のオランダでは、そのカラフルな見た目で見る人の気持ちを明るくすることから「ハッピーフラワー」という意味もある。
カーネーションの本数別の花言葉の解説
- 1本「あなたは私の運命の人です」「一目惚れ」
- 2本「この世界は私とあなただけ」
- 3本「あなたを愛しています」
- 4本「あなたを一生愛し続けます」
- 5本「あなたに出会えて心から嬉しい」
- 6本「私はあなたに夢中です」
- 7本「ひそかな愛」
- 8本「あなたの思いやりに感謝しています」
- 9本「いつまでも一緒にいてください」
- 10本「あなたは完璧」
- 11本「あなたは私の最愛の人です」
- 12本「私と付き合ってください」「日ごとに強まる愛」
- 13本「永遠の友情」
- 14本「誇りに思う」
- 15本「ごめんなさい」
- 16本「不安な愛」
- 17本「絶望の愛」
- 18本「誠実」
- 19本「忍耐と期待」
- 20本「私のひとひらの愛」
- 24本「1日中あなたを想っています」
- 30本「ご縁を信じています」
- 40本「あなたに永遠の愛を誓います」
- 50本「永遠」
- 99本「永遠の愛、ずっと好きだった」
- 100本「100%の愛」
- 108本「私と結婚してください」
- 365本「あなたが毎日恋しい」
- 999本「何度生まれ変わってもあなたを愛する」
この他、12本の花束は「ダズンフラワー」と呼ばれ、1本ずつに「感謝、誠実、幸福、信頼、希望、愛情、情熱、真実、尊敬、栄光、努力、永遠」の意味が込められており、「ダズンフラワー」を贈ることは、この全てを誓うことを意味する。
カーネーションの怖い花言葉
黄色の花には、不吉な意味や怖い意味の花言葉が少なくないが、カーネーションも同様で、「軽蔑」「嫉妬」「侮辱」「愛情の揺らぎ」といった花言葉がある。日本や英語圏だけでなく、その他の国においてもネガティブな意味が多く、フランスでは「軽蔑」、韓国では「侮辱」、ドイツでは「反感」となっており、カーネーションが国花であるスペインでも、黄色のカーネーションの花言葉は「軽蔑」である。これは、中世キリスト教では黄色が「裏切り」「堕落」「偽り」「欲望」等を象徴する色とされ、イエス・キリストを裏切った弟子・ユダの色とされるなど、忌み嫌われていたことが影響しているとも言われている。他にも、下記のようにマイナスのイメージをもたせる色のカーネーションがあり、人に贈る場合には気を付ける必要がある。
また白色のカーネーションは、「愛の拒絶」や「亡き母を偲ぶ」という意味があり、亡くなった母へ贈る花としても知られている。母の日に贈る花としてカーネーションは定番であり、良い意味の花言葉もあるが、母親が健在な場合は、白色のカーネーションを贈るのは避けた方がよい。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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