ウエイト・トレーニングとは? わかりやすく解説

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ウエート‐トレーニング【weight training】

読み方:うえーととれーにんぐ

筋力持久力アップのための練習法バーベル鉄あれいなどを使う。重い器具代わりに油圧空気圧利用した器具使用することもある。


ウエイトトレーニング

歴史と沿革


バックスクワット

ウエイトトレーニングの歴史古く紀元前2500年エジプト筋力高めトレーニングが行われていたという記録残ってます。また、ヨーロッパアジアでも、紀元前から筋力高め活動が行われていたようです例えば、古代オリンピック大会レスリング競技連続優勝した、イタリア南部クロトナ出身ミロmilo)が、子牛毎日かついでいたという話は有名です。当時特別なトレーニング用道具があったわけではなく日常生活の中で自然に筋力鍛えられていった考えられています。筋力測定として重い石を持ち上げたり、それを投げ飛ばしたりして優劣競い合う、あるいは兵士としての適正見極めるといったことが行われていたようです

3世紀頃にはダンベル原型とも言うべき器具用いたトレーニング性別問わず行われていましたが、現代同じよう重量調整できるバーベルダンベル生まれたのは19世紀末と言われています。さらに20世紀入り1960年代になると、さまざまなトレーニングマシーンが開発されました。

また、今日でも用いられているさまざまなトレーニング法1950年代生まれてます。それに伴って科学的な研究進みトレーニング原則(*1)が確立してきました近年、ウエイトトレーニングは競技としても発展し、『ウエイトリフティング』 『パワーリフティング』 『ボディビルディング』などが誕生してます。

(*1) トレーニングの原則

特異性の原則 目的とした動作(筋活動)に類似した動作様式トレーニングを行う必要があるという原則
過負荷原則 トレーニング負荷は、現在身体順応している状態よりも強いものである必要があるという原則
漸進性の原則 トレーニング強度は、少しずつ高めていく(漸進させていく)必要があるという原則

参考資料: 『筋力トレーニング100年史』 窪田登著、体育スポーツ出版社発行
『NSCA決定版 ストレングストレーニング&コンディショニング』 金久博昭総監修、ブックハウスHD発行


実施方法

ウエイトトレーニングは、重り抵抗用いて行うトレーニング様式です。筋力パワー、筋持久力などの体力要素を向上させたり、筋肥大骨密度増加により体組成変化させたりすることなどを目的として行われます使用する器具ダンベルバーベルマシーンなどで、対象となる筋や目的によって数多くの種目があります代表的な種目は、スクワットベンチプレスデッドリフトなどです。

ウエイトトレーニングを行う際は、負荷回数セット数休憩時間、種目の順番など、さまざまな変数適切に設定する必要があり、専門職ストレングス&コンディショニングコーチやパーソナルトレーナー)の指導を仰ぐことが望まれます。

*より詳しい種目や実施方法についてはNSCAジャパンウェブサイトご参照ください

参考資料: 『トレーニング用辞典石井直方総監修、森永製菓株式会社発行
パーソナルトレーナーのための基礎知識福永哲夫総監修、NSCAジャパン発行


器具の説明


ダンベル
長さ約30cmの棒の両端重りのついた器具材質形状重量各種あり、個人レベルトレーニング目的などに応じて選べる

バーベル
バー(棒)、ディスク円盤)、カラー留め金)の3つから成る器具重量調整は、ディスク取り換えることで行う。

各種エクササイズマシーン:
目的とした筋を限定的にトレーニングすることができる機器重りによる負荷油圧による負荷空気圧による負荷などさまざまあり、制御され動きで行うためにフォーム安定しやすく、初心者でも取り組みやすい。



ウエイトトレーニング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/16 16:08 UTC 版)

ベンチプレス

ウエイトトレーニングWeight Training)は、筋力トレーニングの1種目。バーベルダンベル、マシンまたは自重などを使い筋肉に負荷をかけて体を鍛える行為。主に筋力の増大や、それに伴う筋肉の増量を目的とするトレーニングの総称。

狭義にはバーベルダンベル、専用のトレーニングマシンを使用した鍛錬法であり、広義にはそれに自重を利用するものも含まれる。

骨格筋(筋肉)の性質

はたらきと概要

  • 骨格筋は体重の40%を占める巨大な器官。
  • 基礎代謝のうち約40%が骨格筋で消費される。
  • 筋肉量が増えると基礎代謝量が増え太りにくい体質になる。
  • 筋肉には速筋(繊維)と遅筋(繊維)がありそれぞれに特徴がある。
  • 骨格筋が持っている最大能力のうち、実際に使われているのは40〜90%(動員筋力比率)である(個人差がありトレーニングにより向上する)。
  • 筋力のピークは男性30歳代、女性40歳代。
  • 年齢に関係なく発達する。
  • 自重のみを利用しても発達する(漸進性過負荷の原則も参照)。

速筋と遅筋

  • 身体内には400以上の骨格筋が存在するが、瞬発的に大きな力を発揮する部位には速筋繊維が、持久的な機能が要求されることの多い部位には遅筋繊維が多い(ただし、個人差がある)。
  • 筋肉繊維の本数とそれに伴う割合は遺伝により胎児のときに決まる。
  • 通常、力を発揮する場面では先ず遅筋繊維から動員され随意最大筋力の40%以上の力を発揮する場合には速筋繊維も動員される。
  • 瞬発的な動きをしたときに限り、筋出力に関係なく速筋繊維が動員される。
  • 速筋繊維は遅筋繊維よりも加齢による衰えが大きいため、俊敏性を要求される動作ほど加齢の影響を受けやすい。

ウエイトトレーニングの原則

漸進性過負荷の原則

扱う重さを漸増させることで筋量や筋力を発達させることができる[1]。例えば、10kgのダンベルを連続して最大10回上げ下げできる人が12kgのダンベルで継続的にトレーニングすると、やがて10kgを10回を超えて上げ下げできるようになる。一方で、扱う重さを漸増させなければ効果的に筋肉を成長させることはできない。

継続性の原則

鍛錬を止めると、筋肉は次第に衰える。基本的には筋肉が付くのと同じくらいのペースで落ちると言われている。ただし、長年に亘って継続してトレーニングを続けていた場合はその限りではない。

特異性の原則

筋肉は、その動きの速さや動かした角度、力発揮の仕方など実際にトレーニングした様式に合わせて特異的に成長する。

個別性の原則

人それぞれ個性があり、ある人には効果があるトレーニングでも他の人にも効果があるとは限らない。一人ひとり、個性に合ったプログラムを選択する必要がある。

筋肉の記憶力

一度筋力を鍛えると、何らかの事情で筋肉が衰えても、比較的短期間のトレーニングで筋力を得ることができる。例えば、元々50kgしかベンチプレスできない人間が100kgベンチプレスできるようになるには、通常は年単位のトレーニングが必要であるが、一旦100kgベンチプレスできるまで鍛えた人間がトレーニングを出来ない事情により衰えて50kgしかベンチプレスできなくなったとしても、たいていの場合2〜3ヶ月のトレーニングで100kgベンチプレスできる力を取り戻すことが出来る。

ウエイトトレーニングのテクニック

フォースドレップ法

最後のセットで行う。通常のセットを自力での限界までこなしたあと、インターバルを入れずに1〜2回、補助者の力を借りてウエイトを上げ、自分の力のみで下ろす。補助者はトレーニーがウエイトを上げられるようにするための最低限の力だけを加える。補助に入るタイミングが重要で、補助に入るための合図などを決めておくとよい。ベント・オーバー・ローイングデッドリフトなど補助の難しい種目には適していない。それらの種目では他のテクニックを用いるようにする。

パーシャルレップ法

最後のセットで行う。通常のセットを行い、最後のセットで全可動範囲での動作が続けられなくなったら、インターバルを入れずに動かせる範囲だけさらに数回を行う。例えばサイド・レイズの場合、最後までウエイトを上げられなくなったところから可動範囲の3分の1、2分の1、できる限り大きな範囲で回数を重ねていく。動かせる範囲は徐々に小さくなり、やがて全く動かせなくなる。

パワートレーニング

ダンベルを使った垂直跳びとダンベルを使ったランジジャンプ。

レストポーズ法

最後のセットで行う。通常のセットを行い最後のセットを限界まで行ったあと一旦ウエイトを置き、5 - 6秒間、あるいは10秒間経過してから再びすぐに回数を重ねていく。

ディセンディングセット法

最後のセットで行う。通常のセットを限界まで行ったあと、インターバルを入れずに60 - 70%くらいの重さでさらに限界まで行う。

筋優先法

発達させたい部位から鍛える方法。

スポーツにおける利用

多くのスポーツドクターアスレティックトレーナーらによるスポーツ医学(スポーツ医科学)の発展に伴い、各競技種目に合った科学的なウエイトトレーニングのメニューが考案されている[2]オリンピックをはじめとする国際大会において好成績を収めるためには非常に重要なものとされ、多くの選手がこれに取り組んでいる。国家レベルでも大規模な科学的トレーニング施設が整備されトップアスリートに利用されている[3]

一方で、過去には誤った認識の下に行われてきた歴史もあり[1]、一部の研究者・スポーツ指導者・選手の間では、ウエイトトレーニングに対し誤解や懐疑的な意見もある。

日本スポーツ界におけるウエイトトレーニング

木村政彦(当時18歳)

相撲では「しこ」や「てっぽう」などの、ウエイトトレーニングの要素を含む稽古が伝統的に行われている。千代の富士隆の里霧島一博らは従来の稽古に加え、器具を使ったウエイトトレーニングを積極的に取り入れた。

日本に本格的な筋力トレーニングが伝えられたのは1900年頃であり、柔道の創始者である嘉納治五郎の功績が大きかったと言われている。そのため嘉納は「日本近代筋力トレーニングの父」とも呼ばれている[4]

嘉納は、柔道の世界普及活動を行う中で渡欧中、ユージン・サンドウによる筋力トレーニングについて説いた著書『Sandow's System of Physical Training』(1894)を読んだ。嘉納は講道館の雑誌「國士」にて連載・紹介した。1900年、嘉納は『サンダウ体力養成法』を造士会から出版した。嘉納は柔道界と国民にその体力養成法を推奨し、サンドウが体操に用いた手具(鉄亜鈴)の販売・宣伝も行った。

1933年、IOC委員としてウィーン会議に出席していた嘉納は、その帰途でオーストリアから正式なバーベル一式を購入・輸入した。このバーベルは、当時、東京・代々木にあった文部省体育研究所に運ばれ、ウエイトリフティングの技術研究と練習が行われ、普及のための講習会も開かれた。

嘉納の活動・翻訳本は日本のボディビル界の祖、若木竹丸にも影響を与え、若木がウエイトトレーニングに目覚めたきっかけにもなっている。柔道家の木村政彦もその先見性から若木からウェイトトレーニングの指導を受けている。

20世紀の日本では、アンチドーピングの立場からスポーツ選手が筋肉だけを鍛えるトレーニングを控えてきた歴史があった。そんな中、柔道家の木村政彦は日本のアスリートとして初めて本格的ウエイトトレーニングを取り入れた。木村はベンチプレスで250kg、ストレートアームプルオーバーで90kgを上げることができた。また、立ったまま両腕を前に伸ばし、そこに100kgのバーベルを乗せて肩から手首にかけて何度も転がすことができた[5]

日本プロ野球メジャーリーグベースボールで活躍したイチローは多数のトレーニングマシンを所有し使用した。しかし、筋肥大が目的ではなく、柔軟性の増進、スピードの向上、神経発達に伴う動員筋力比率の向上を目的としたマシンを使用した。イチローは、「ただ筋肉を太らせるだけでは、神経の行き渡った筋肉でないと、意味がない」と語っている[6]

ウエイトトレーニングの種目

数が多いため、伸縮型のメニューとして掲載する[7][8][9]

出典

  1. ^ a b 小山裕史『新・トレーニング革命』 1992年 講談社
  2. ^ 日本体育協会
  3. ^ 味の素ナショナルトレーニングセンター
  4. ^ 『臨床整形外科』2015年9月号「世界と戦うために 全日本柔道における筋力トレーニングの現状と未来への提案」紙谷武 柏口新二
  5. ^ 増田俊也木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
  6. ^ NHKプロフェッショナル 仕事の流儀 イチロースペシャル』での本人へのインタビューより。
  7. ^ 窪田登『ウイダー・トレーニング・バイブル』 森永製菓株式会社健康事業部
  8. ^ 山本義徳『体脂肪を減らして筋肉をつけるトレーニング』 永岡書店
  9. ^ 『かっこいいカラダ the best』 ベースボールマガジン社

参考文献

  • 窪田登『ウイダー・トレーニング・バイブル』 森永製菓株式会社健康事業部
  • 『ドリアン・イエーツのすべて』 森永製菓株式会社健康事業部
  • 山本義徳『体脂肪を減らして筋肉をつけるトレーニング』 永岡書店
  • 『かっこいいカラダ the best』 ベースボールマガジン社
  • 厚生労働省作成『健康づくりのための身体活動基準2006』
  • 財団法人健康・体力づくり事業団作成『健康づくり教本テキスト』 2005年2月。

関連項目


ウエイトトレーニング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 07:03 UTC 版)

ケビン・ガーネット」の記事における「ウエイトトレーニング」の解説

ガーネットは高身長優れた運動能力等、バスケットボール選手にとっては恵まれた素質多く持っていたが、NBA入り直後体重100kg未満と非常に線が細く選手同士衝突による怪我を防ぐため筋力強化力を入れたフィジカルNBAリバウンド王となれたのも、天性だけではなく地道なウエイトトレーニングによる体重増加恩恵であると言えるアマレ・スタウダマイアーレブロン・ジェームズドワイト・ハワードらといった後続高卒選手にもガーネット経験生かされ若手選手の間にウエイトトレーニングの重要性浸透した

※この「ウエイトトレーニング」の解説は、「ケビン・ガーネット」の解説の一部です。
「ウエイトトレーニング」を含む「ケビン・ガーネット」の記事については、「ケビン・ガーネット」の概要を参照ください。

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