B-29損失数の各種統計とは? わかりやすく解説

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B-29損失数の各種統計

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 15:04 UTC 版)

B-29 (航空機)」の記事における「B-29損失数の各種統計」の解説

B-29損失数は資料によって異なり日本の戦後統計では損失合計714機(延べ数での出撃した全数33,000機)で、延べ出撃数に対す損失率は2.2%程度という読売資料がある。 アメリカ軍による第二次世界大戦でのB-29損失統計資料によって異なるので列挙する米国戦略爆撃調査団(USSBS)による統計 日本本土爆撃したB-29延べ出撃機数33,401機 作戦中の総損失機数485機 延べ出撃機数に対す損失率1.45% 作戦中の破損機数2,707投下爆弾147,576トン 搭乗員戦死3,044名 B-29所属部隊戦績損失アメリカ空軍 第9爆撃航空団統計第20空軍1944年6月5日以降作戦380 戦闘出撃機数31,387 その他出撃数1,617 出撃機数合計33,004 投下爆弾機雷トン171,060 戦闘損失数494 アメリカ本土での訓練損失260 損失合計754 搭乗員戦死576 搭乗員行方不明2,406 搭乗員戦傷433 搭乗員死傷者合計3,415 第20空軍航空機種類損失原因別の戦闘任務での損失アメリカ陸軍航空軍統計管理室による統計-Table 165損失機数合計戦闘機による損失対空火器による損失戦闘機対空火器共同その他・損失原因未確認を含む第20爆撃機集団80 21 7 5121爆撃機集団334 53 47 19 216 合計414 74 54 19 267 アメリカ陸軍航空軍統計管理室統計をもって日本軍撃墜されB-29総数147とされることがある。この統計損失原因のその他(other causes)については故障事故を含むが、もっとも多いのは未知(ないし未確認)の原因lost to unknown reasonsもしくはcauses)であり、その中にも相当数日本軍による撃墜数も含まれている。例えば、東京大空襲呼ばれる任務番号40号、1945年3月9日爆撃は翌10日未明まで)の東京市街地に対す夜間無差別爆撃では、B-29325出撃損失14機、内訳日本軍対空火器での撃墜2機、事故1機、その他4機(3機が燃料切れ墜落、1機不明)、7機が原因未確認とされている。原因未確認の7機はすべて連絡のないまま行不明となった機であるが、この日に出撃して無事帰還したB-29搭乗員からは、東京上空で7機のB-29がおそらく撃墜されたという報告があり、さらに行方不明の1機については銚子の上空で4本の探照灯捉えられて、大小対空火器集中砲火撃墜されたという詳細な報告があったのにも関わらず原因未確認損失とされ、この日に日本軍により撃墜されたと判定されたのは、東京上空対空火器撃墜された1機と、対空火器による損傷不時着水して搭乗員全員救助された1機の合計2機のみに止まった当時アメリカ軍日本軍攻撃Enemy Action)による損失認定するにはよっぽど確証が必要で、それ以外未知(ないし未確認)の原因lost to unknown reasonsもしくはcauses)とする慣習であったので、原因未確認損失増加する傾向にあったB-29最大損失被った任務番号183号、1945年5月25日爆撃は翌26日未明まで)の東京市街地に対す夜間無差別爆撃では、B-29が498機出撃に対して26機を失っているが、日本軍撃墜されたと記録されているのは対空火器撃墜された3機のみで、対空砲戦闘機攻撃大破し硫黄島近辺放棄された2機と原因未確認損失した20機は、アメリカ軍記録上は日本軍攻撃Enemy Action)による損失には含まれていない。しかし、日本軍によれば第302海軍航空隊だけで、月光7機、彗星斜銃装備夜間戦闘機型)4機、雷電5機、零戦5機が迎撃して、B-2916撃墜報告し陸軍高射砲5月25日1日だけで、八八式7cm野戦高射砲7,316発、九九式8cm高射砲6,119発、三式12cm高射砲1,041発、合計14,476発の高射砲弾消費するなど激し対空砲火浴びせて海軍戦果合わせてB-29合計47撃墜記録しており、日本軍側の戦果記録過大とは言え未知の原因未確認損失中に相当数日本軍撃墜よるもの含まれているものと推定される。この日に出撃した航空機関士チェスター・マーシャルによれば今まで25回の出撃の中で対空砲火がもっと激しく探照灯との連携巧みであったとのことで、帰還後26機が撃墜されたと聞かされB-29搭乗員らが恐れをなしたと著書記述している。 原因未確認損失確実に日本軍側の攻撃による撃墜であったケースとしては、任務番号43号、1945年3月16日神戸市街地に対す夜間無差別爆撃いわゆる神戸大空襲)では、B-29331出撃して3機が失われたがすべてが未知の原因とされている。しかし、このうちの1機ボブ・フィッツジェラルド少佐機長B-29Z-8」号は、神戸北方3km緒方一大尉の三式戦闘機体当たりにより撃墜されている。体当たり様子多く国民目撃され体当たりされた「Z-8」号はバラバラ砕けて落下しそのうち山中発見され胴体部分に、緒方三式戦主脚発動機冷却器食い込んでいるのが発見され別の部分残骸から緒方飛行長靴が見つかり、その後遺体機体付近発見されたため、B-29撃墜緒方功績とされて2階特進中佐となっている。「Z-8」号の墜落した場所には、戦後緒方戦友らが、緒方戦死した11名の「Z-8」号搭乗員の名前を刻銘した慰霊碑を建立し、2015年には緒方遺族と、「Z-8」号搭乗員のひとりロバート・クックソン2等軍曹遺族神戸対面している。 アメリカ陸軍航空軍統計管理室の上統計によれば1945年3月日本軍戦闘機により(確実に撃墜されB-29は1機もなかったとされているが、緒方体当たり撃墜したZ-8」号に加えて任務番号42号、1945年3月13日大阪市街地への夜間無差別爆撃いわゆる第1回大阪大空襲)で、B-29295出撃して2機が失われているが、そのうち原因未確認損失とされている機体番号42-24754(操縦士ジョン・k・エリントン少尉機体愛称はなし)も、飛行56戦隊鷲見忠夫曹長三式戦闘機撃墜されている。この戦闘一部始終見ていた第11飛行師団師団長北島熊男中将推薦で、鷲見は第15方面軍司令部より個人感状贈られている。42-24754の残骸は、大阪下町堺筋落下し写真撮影され、残骸一部戦後アメリカ軍回収調査されて、Ki-61(三式戦のこと)による撃墜認定されている アメリカ陸軍航空軍統計によればB-29太平洋戦争における延べ出撃数に対す損失率(Combat LossesBomb Sorties比較)は1.32%程度とされているが、東京対す空襲においては損失率が跳ね上がり3.3%となった。しかし、ドイツ首都ベルリン空襲アメリカ軍イギリス軍爆撃機損失率は6.6%と東京空襲の2倍の損失であったB-29太平洋戦争における戦闘行動中の損失485機は全生産機中(第二次世界大戦後生産分も含む)の12%に上ったアメリカ軍爆撃機機種別損失率(アメリカ陸軍航空軍統計管理室による統計爆撃機総出撃機数投下爆弾トン数戦闘損失機数損失比率B-2563,177 31,856 380 0.60% B-26129,943 169,382 911 0.50% B-17291,508 640,036 4,688 1.61% B-24226,775 452,508 3,626 1.60% B-2931,387 159,862 414 1.32% 上表通りアメリカ軍の他の爆撃機比較してB-29損失率は決し低くはなかった。B-1718ドル、B-24は21ドルB-2512ドルであったのに対しB-29調達価格63ドルと、高価な機体であったこのため損失数の増加業を煮やした陸軍航空軍司令官アーノルドは、「私はB-29いくらか墜落することは仕方ない思っている。しかし空襲のたびに3機か4機失われている。この調子損失続けば、その数は極めて大きなものとなるだろう。B-29戦闘機中型爆撃機B-17フライング・フォートレス同じようにあつかってならないB-29軍艦同じよう考えるべきである。原因を完全に分析もせずに軍艦いっぺんに3隻、4隻と損失するわけにはいかない。」という手紙出し司令官ハンセル叱咤している。

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